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正しい恋の進め方 (36)

8月・・・茶事や茶会は随分と減る。暑すぎるから招待客の体調も考えないといけないからだ。だから、朝茶事と夕方に行われるものに限られてくる。この時期はその代わりというわけではないが家元達が地方へ出向くことも多かった。先祖の墓参りに加え数ある西門縁の寺などに挨拶に行ったり、各支部の会合に参加したりと仕事としてはむしろ忙しい日が続いていた。だから今はこの本邸を俺が守ることが多かった。自宅で執筆の仕事をしたり...

Summer Festival 茶と華と 番外編・1

西門につくしが嫁いで2ヶ月・・・1つの問題が起きていた。それは関西にある西門の分家筋の人間が総二郎の次期家元に異議を申し立てたということ。まだ若く、少し前までその素行に問題があった総二郎が、華道の家元の娘つくしを嫁にもらったことと、つくしが茶道よりも華道家としての仕事に熱を入れているとの噂が流れたのである。そしてこの連中は関西西門の血筋である薫を持ち上げたいとして動き出した。とうとう総二郎が次期家元と...

迷い猫と暮らした夏 (7)

バス旅行の当日・・・一泊だけだからってほとんど荷物も持たずにバスターミナルに向かった。受付を済ませて初めて観光バスってものに乗った。結構狭い座席・・・隣の牧野に触れてしまうような幅しかない。それに戸惑っていたら牧野は俺を窓際に座らせた。「類はバス、初めてなんでしょう?・・・もし酔ったら薬持ってるから言ってね」「バスって酔うものなの?・・・どうだろう、わかんない」あっという間に車内は満員になり騒がしくて息苦しい...

正しい恋の進め方 (35)

「大好き・・・西門さん」その言葉は今までどんな女から囁かれた怪しげな告白の言葉よりもスッと俺の中に入ってきた。きつい香水を振りまいて俺に抱きつく女は何人もいたけど、こんな太陽の下で微かな汗の匂いだけで俺を堕としたのはお前だけだな・・・まさか、この俺がこんな寂れた場所でこの言葉を囁くことになるとは思わなかったな・・・。「待たせたな・・・・・・愛してるよ。牧野」背伸びをしてきたこいつをもう一度抱き締めた時・・・遠くでツ...

迷い猫と暮らした夏 (6)

牧野のアパートに転がり込んで一週間・・・こんな年の男が仕事もせずに何で出て行かないんだと思わないのだろうか。どうして何も聞かずに一緒に住むことが出来るんだろう。不審に思ったことはないんだろうか・・・そんなことばかり考えてた。この間に花沢がここをつきとめることもなく、ニュースを見ても俺の事なんて報道はされていない。突然いなくなったんだ・・・誘拐やトラブルに巻き込まれていると考えても良さそうだけどそれよりもス...

正しい恋の進め方 (34)

しばらくこうやって抱き締めていたら慣れてきたのか牧野は俺にその身体を預けていた。そして自分の胸の前でクロスされている俺の腕を両手で持っていた。真夏の海は何処までも青くて、照りつける太陽はジリジリと俺たちに降り注いでいてる。吹いてくる風は暑苦しかったけどその腕を外すこともなく時間が過ぎた。遠くで聞こえるのは海鳥の鳴き声で、それ以外は下の方から波が打ち付ける音がするだけ・・・「夏・・・だねぇ。西門さん、今日...

迷い猫と暮らした夏 (5)

俺を拾った次の日、牧野は会社を休んで一日中俺と一緒にいてくれて食事を作ってくれた。フランスで静といた時には感じられなかった生活感・・・掃除も洗濯も料理も彼女は特にしてはいなかった。いや・・・ここまではしていなかった。美味しいものは出てきたかもしれないけど静の手料理ではない。いつも服は綺麗になってクローゼットに並んでいたけど、それはいつの間にかクリーニングから戻ってきてるだけ。家に置いてあったランドリーが...

正しい恋の進め方 (33)

「これからはお前が作ってくれりゃいいじゃん」西門さんがそう言ったときドキッとして手が止まってしまった。前を見たらごく普通に西門さんは私の作ったお弁当に箸を伸ばしていて特に気にしている様子もなかった。そして一つ一つ美味しいって言ってくれて私の出したお茶を飲んでいた。普段ならこんな時のお茶にも煩くて、特に私がいれたものは何かと文句をつけてくるのに今日はそれもない。「美味かった!・・・ごちそうさん!初めて...

Plumeria

花より男子の二次小説になります。
総二郎と類をメインに書いております。
皆様の心に残る作品になればと
願いながら・・・