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秋風吹けば(後編)
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秋風吹けば(後編)

10
俺のコートの中で牧野が大人しくなって、その細い身体を抱き締めていた。ちょうど牧野の頭の上に俺の顎が乗っかって・・・そうしてたら今度は俺に身体を預けて遊び始めた。クスクス笑いながらコートのなかでモゾモゾする。「くすぐったいじゃん」って言えば「温かいんだもん」って笑う。「俺のコート貸してあげようか?」って言えば「このままがいい」って真っ赤になる。秋の風がさーっと吹いてコートの中の牧野がぶるっと震えた。だ...
秋風吹けば(中編)
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秋風吹けば(中編)

4
「パ~パ!たいへんでしゅ!玲那がふいてあげるから泣いちゃダメ!」「パパ、目にゴミが入ったの?それとも虫が入っちゃった?」「えっ?あはは!虫は入んないでしょ!」玲那が俺の膝の上によじ登ってきて、そのまま顔に手を伸ばしてくる。俺の涙を拭き取ろうとしてるみたいだけど小さな手を容赦なく振り回すからちょっと怖い。むしろ可笑しくなって笑ったら「あら?とまったでしゅか?」って言って嬉しそうに手を引っ込めてくれた...
秋風吹けば(前編)
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秋風吹けば(前編)

2
遠い昔、俺がまだ小さい頃、花沢家の庭に小さな「秋の公園」が作られた。いつも屋敷の中で1人、窓から外を眺める日が多かったからかもしれない。加代が少しでも自然の中で遊べるようにと作ってくれた俺だけの「公園」。木製のベンチがあって秋の草花が咲いて、銀杏や紅葉は勿論周りには実の成る木が植えられて。屋根付きの小さなブランコが1つにウッドハウス。イチイガシの木の下には滑り台付きの砦が作られた。その横には大きな...