FC2ブログ
海に消える雪・LastStory
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

海に消える雪・LastStory

4
「うわぁっ!あの時と何も変わってないのね。変わったのは私達が3歳年とったって事だけだね!」「ここはあんまり使わねぇからな」3年前と同じようにカーテンを引いて窓から外を見ながら牧野が言った。違うのは髪の長さぐらい。そして少し化粧してるぐらいだ。それ以外は何も変わらない・・・今日の牧野はネイルもしていないし、安物のアクセサリーもつけていなかった。作られた笑顔ってものでもない・・・窓の外を眺める目はあの時と同...
海に消える雪・4
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

海に消える雪・4

6
「西門さん・・・帰ったんじゃなかったの?」「店の中でのお前を見たくなかっただけだ。家まで送る・・・何処だ?」「いいよ、そんなの。毎日1人で歩いて帰ってるわ。目の鼻の先・・・すぐそこなんだから」「じゃ、そこまで行く。俺に見付かって説明なしで逃げられると思うなよ、牧野」グッと唇を噛み締めて眉を顰めた。だが「お好きにどうぞ」と呟くと俺に背中を向けて細い路地を歩き出した。小さな背中を丸めてコートのポケットに手を突...
海に消える雪・3
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

海に消える雪・3

2
あれから3年が経った。俺は毎月のように来る見合いの話しを悉く断り、相変わらす茶を点てる毎日。あの時に抱き締めた牧野の肌の温もりだけを思い出しながら、他の女と肌を合わせることなんて出来なかった。酒は飲みに行くけど前のように巫山戯た店には足を運ばず、1人で気儘に飲める店を選んで隣には誰も座らせなかった。通り過ぎる時に掛けられる声にも耳を貸さず、軽く返事してヒラヒラと手を振りその場を逃げた。そのうち出歩...
海に消える雪・2
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

海に消える雪・2

4
暖を取るため休憩を挟みながらバイクを走らせ、西門が持っている別荘に着いたのは元旦の午前3時・・・海の真横にあるから真っ暗だが波の音が凄かった。入り口前にバイクを停めて中に入り、すぐに暖房を入れた。「はぁっ・・・寒かったねぇ!手が悴んで痛いぐらい。西門さん、大丈夫?」「お前が希望したんだろうが!大体この時期にバイクで海に行く方が馬鹿なんだっての!ハンドル握る俺のことを考えてみろ!後ろには命乗っけてるし、暗...
海に消える雪・1
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

海に消える雪・1

2
12月28日、牧野の誕生日。この日、俺のところに最後の稽古にやってきた。お袋が渡したお下がりの着物を着て髪もきちんと結い上げて、これまでの確認のつもりなのか丁寧に一連の作法を俺の前でして見せた。「合格?」なんて巫山戯て言うから「馬鹿野郎!まだまだだ!」って言うと今日も口を尖らせたけど、稽古が終った時には両手を突いて静かに頭を下げていた。「これまで大変お世話になりました。ありがとうございました」俺は...