夜桜の色に魅せられて(後編)

気がつくと大きな桜の木の下に座っていた。すでに風もおさまっていて来たときのような静けさだ。「あれ?・・・いま・・・?」辺りを見回すけど誰もいない。あの花魁は?・・・牧野は?カサッと、後ろから音がした。「え?まさか・・・花魁?・・・・・・って、牧野?!」仁王立ちした牧野がもの凄い顔して立ってる・・・って怒ってんのか?!「なんだよ?びっくりした!!・・・お前、どこ行ってたんだよ!」「ねぇ・・・らんって誰よ?」「は?」「おい、ら...

夜桜の色に魅せられて(中編)

「牧野・・・?おいっ!牧野!!」叫んでみたけど返事がない。一体今のはなんだ?あの風は・・・?牧野はどこへ行ったんだ?まさか・・・連れ去られた?そんなバカな!心臓が止まりそうなくらいドキドキした。こんな暗い中、1人でどこかにいくなんて有り得ないのに・・・探さないと・・・!カサ・・・・・・後ろから音が聞こえた。なんだ、いたんだ・・・って振り返りながら「牧野、そんなとこに・・・・え?」そこにいたのは・・・花魁?   いや・・・牧野?赤と...

夜桜の色に魅せられて(前編)

「総二郎、お花見って行ったことある?」牧野がウズウズした感じで聞いてくる。花見ねぇ・・・桜の木の下で・・・ってやつだろう?もちろん知ってるけど行かねーよな。「いや、ないな。桜の季節は茶会が多いからな」「そっかー・・・」そんなにがっかりしなくても・・・行きてーのかな?あんなものに。「お前、行きたいの?花見」「うん!・・・でもそうだよね。忙しい時期だもんね。それに、よく考えたら総二郎と行ってもお花見にならないかもね...