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最後の雨 (最終話)
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最後の雨 (最終話)

12
「牧野・・・!会いたかった・・・あんた、逃げすぎだよ・・・!」 「・・・花沢類、夢じゃないよね?」 「・・・・・・夢じゃない証拠、あげる」 、そう言って通りのド真ん中なのに彼は私にキスしてくれた。甘いキス・・・優しくて懐かしくて、そのまま蕩けちゃいそうなキス。そして唇を離したら凄く近くで目を見つめられた。片手は私の頬を撫で、片手は逃がすまいと腰に回されてる・・・でも、私ももう何処にも行く気がなかった。もう1度出会えたら離れな...
最後の雨 (22)
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最後の雨 (22)

8
エレベーターで最上階に上がった。このマンションの最上階は彼だけの専用フロア・・・他の人が立ち入る事はない。懐かしいホール・・・そのドアのある方にゆっくり進んで行った。以前は綺麗に飾られていた観葉植物がなくて少し淋しかった。それに変わったと言えば空気だろうか・・・誰も住んでいないから、湿っぽく澱んだ空気が漂っていた。そして玄関手前にあるインターホンまで来ると、居ないと判ってているのにその呼び出しボタンを押し...
最後の雨 (21)
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最後の雨 (21)

6
東京に着いた時、雨は本降りになっていた。傘がないと歩けないぐらい・・・私は鞄の中に折りたたみ傘を持っていたけど、わざわざ駅の構内で赤い傘を買った。大きめの・・・私がすっぽり入る傘。あの日、何処かに消えて行った赤い傘・・・それとよく似たものだ。そしてここから電話を掛けてみた。花沢類の携帯番号は前のスマホの時に消してしまったから判らないけど、ここに掛ければあの人の居場所が判る・・・そう思ったから。『お電話ありがと...
最後の雨 (20)
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最後の雨 (20)

6
坂手港からの最終便は20時30分、そのギリギリにフェリー乗り場に着いて、レンタカー会社に連絡して車をそこに置いた。急いで搭乗手続きをした後ですぐに大阪のホテルに部屋を予約し、真っ暗な海を眺めながら神戸に向かった。潮の香りと波の音・・・牧野もこれを感じながら小豆島に向かったんだろうか。向かう時には何を考えていたんだろう。もしかしたら長谷川との新しいスタートを少しは想い描いたのか・・・。それでもこの貝殻を残...
最後の雨 (19)
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最後の雨 (19)

8
「・・・長谷川さん・・・私、何にも持って無い女ですよ?」 一目惚れだなんて照れ臭い言葉。天使の力を借りてでも恋がしたい・・・そんな風に想ってくれる人が居ることは素直に嬉しかった。この人と手を繋いであの道を歩く・・・本当に天使が来るだなんてこの歳では考えないけど、それがこの先の約束になるのならそれでも良いのかもしれない。やっぱり一生独りは淋しい・・・何処かでそう思ってる。誰かも言ってたじゃない?自分が好きな人と一緒...