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19・冷たいのがお好き
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19・冷たいのがお好き

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8月のド真ん中の茹だるようなお昼時、私のお引っ越しが始まった。行き先は総二郎の持ってるマンション・・・嬉し恥ずかし同棲生活の始まりだ♡住み慣れたこの古いアパートとも今日でお別れ・・・なんて感傷に浸ってる暇はなくて、後ろではタンクトップにジーンズのお兄さん達が一生懸命運び出してくれている。彼等は西門の若弟子さん達で、引っ越し業者を呼ぶほどでもないからって言えば来てくれた。普段は着物姿だからなんと新鮮なこと...
17・嵐の夜に
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17・嵐の夜に

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『大型で非常に強い台風7号が関東に接近しています。 東海では600~800ミリ、関東甲信では300~500ミリの雨量が予想され、記録的暴風や大雨になる恐れがあります。中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、そして最大瞬間風速は60メートルで・・・』そんなアナウンサーの声を背中で聞きながら、窓から重く黒い空を眺めていた。庭の木々が喧しく鳴り、少し開けただけで生暖かい空気がサーッと流れてくる。その中...
15・日焼けの痕
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15・日焼けの痕

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いつだったか・・・5人で南の島にバカンスに行ったことがあった。司の用意した飛行機で、類が持ってる別荘で、あきらが計画を立てて、俺は面倒くさそうについて行った。当然のように牧野は大はしゃぎで、俺達に纏わり付いて五月蠅かった。「道明寺、スイカ割りしようよ!」「あぁ?誰がそんなガキみたいな事するんだよ!」「花沢類、ボール持ってきた?ビーチバレー出来る?」「えっ?まさかこの日差しの下でバレーすんの?」「美作...
13・月下美人
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13・月下美人

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つくしが西門に嫁いで初めての夏・・・単衣の着物に慣れたとは言え、蒸し暑い夕方になると疲れて逆上せたような顔になる。廊下を歩く姿もクタクタで、俺はそれを遠目に見て笑ってしまう。スモーク掛かった優しい水色の地に、萩や菊花などの秋の花を描いたもの。残暑には少し秋の柄を取り入れた着物を着るものだとお袋に言われて選んだが、涼やかな絽の着物を着ても暑いことに変わりはない。何度も手団扇で顔を扇ぎながら客間と事務所...
11・はちゃめちゃ抹茶な恋の味
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11・はちゃめちゃ抹茶な恋の味

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『・・・いやだ、無理!』『美味いって!絶対に美味いって!』『こんな緑色のケーキ、食べられないもん!』『抹茶ケーキを馬鹿にすんなよ?食え!つくし!』『総ちゃんのばかぁっ!!』それを言われたのは今から15年も前の話。西門に住み込んで働いてる庭師の牧野のおっちゃんの娘・・・つくしにどうしても抹茶を食わせたかった。正確に言うと抹茶を好きになってもらいたかった。もっと正確に言うと・・・俺はこいつに一目惚れしたんだ。...