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Substitute・50
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Substitute・50

1
類の話の途中もつくしの手は止まらない。まな板の上で鳴るトントンという包丁の音、それで切れる野菜の音、蛇口から出る水の音、コンロの上で湯が沸く音・・・どれも類には新鮮だった。母、亜弓は優しかったが料理をする人ではなかったから。殆ど同じテーブルで食事をしたが病気をしてからはそれすら減った。生きる為に必要な食事はこうして作られるのか・・・この歳まで真剣に考えたことも無くて興味が湧き、そっと後ろから近づいてつく...
Substitute・49
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Substitute・49

2
「お疲れ様でしたぁ!」午後7時10分、つくしの声が喫茶店の裏口から聞こえる。それを少し先のガードレールに縋っていた類が聞いて、ゆっくり腰を上げた。朝と同じようにミニフレアのスカートなのに元気よく走るつくし・・・それを見てまた眉が歪んだけど、つくしには全然伝わっていない。寧ろ「お腹痛いの?」なんて聞かれてガクッとする類だった。キョトンとした顔で50㎝横を歩くのも気に入らない。だからグイッと腕を引っ張っ...
Substitute・48
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Substitute・48

2
英徳大学の売店・・・つくしはそんなところも利用したことがない。何故なら売店と言えどそこは英徳、一流シェフの作ったものしか置かれてないからだ。だから確かに美味しそうだけど値段も一流・・・いつもそこまで現金を持ち歩かないつくしはその中でも1番安くて小さなサンドイッチを手に取ると、飲み物も買わずに会計に向かった。振り向けば類が珍しく色々と選んでる。左手には既に幾つか持っているのに右手で新たに掴んだものも加えら...
Substitute・47
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Substitute・47

2
無言の圧力の中、4時限目まで何とか講義を受けたつくしは荷物を纏めて教室を後にした。行くのは類に言われたいつもの場所・・・殆ど誰も来ない校舎の屋上だ。目だけで辺りの様子を窺い、自分を付けてくる人が居ないことを確認・・・ホッと肩を撫で下ろしてその校舎に向かっていたら、前から来る男性に気が付いて足が止まった。あの歩き方には見覚えがある・・・あのスーツにも、あの髪型にも・・・ドクン!と心臓が鳴った。つくしの正面から来...
Substitute・46
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Substitute・46

4
類の車は真っ直ぐ英徳大学に向かい、正面から入って花沢専用の駐車場に向かった。そこには類をひと目見ようと女子学生の姿があるのはいつもの事・・・つくしはそれを助手席の窓から見ながら背中に流れる汗を感じていた。今、この車から自分が降りたらどうなるんだろう・・・それが不安だった。道明寺の時にイヤという程味わった嫌がらせ、それがまた始まったらどうしようかと・・・でも運転席の類はそんな不安を感じていないのかクールな表...