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初春の慶・最終話
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初春の慶・最終話

2
祥一郎達が三日に帰っていった。そうしたらこの屋敷はまた静かになった。仕事が減って楽になるってのにつくしの言葉は「淋しいわねぇ」で、俺の事なんて見もしない。おせち料理にも飽きて志乃さんと一緒に普通の飯を作り、後片付けを済ませたら退屈そうに俺の所に戻って来た。「じゃあ茶室の設えにでも行くか。明日辺りから客が来るだろうし」「はーい!そうよね、もうすぐ初釜だわ。初めてだから緊張しちゃう・・・」「去年までは招...
初春の慶・3
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初春の慶・3

2
「おはようございます。今日はお雑煮ですよ~」つくしの声が今朝も明るく響く本邸・・・いつもの緊張感なんてなくてのんびりしていた。今年は年始の挨拶も遠慮してもらい身内だけでのんびりする、親父がそう言ったから本当に口煩い奴等は顔を出さなかった。それもこれも西門の正月を初めて迎えるつくしの為・・・連日の気疲れを気にして両親がそうしてくれたから。西門の雑煮は関東に居るにも関わらず京風。まったりとした甘味が特色の白...
初春の慶・2
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初春の慶・2

4
宗家では正月3日までは身内だけで過ごす。使用人も殆ど帰省させ広い屋敷は一層淋しくなるが、元旦の夕方には数年前に家を出ていった祥一郎が嫁さんと子供を連れて来る。オマケに今年大学を卒業する孝三郎が恋人を連れて来るというのでつくしはまたドタバタだった。手伝いの志乃さんとおせちの詰め直しをして特注していた刺身の皿盛りを受け取り、追加の料理に鯛の澄まし汁、子供用のデザートまで・・・再び着物に襷掛けして厨房で動...
初春の慶・1
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初春の慶・1

2
師走・・・何かと忙しい日が続き、今年西門に嫁いだつくしは毎日本邸の廊下を小走りだった。「あぁ、忙しい!」って声が聞こえ、俺はそんなつくしを呼び止めた。「そんなに『忙しい(せわしい)』って言ってると文字通り心が亡くなるぞ?」そう言うと少しだけ口を尖らして声に出さずに『意地悪!』と唇を動かし、言葉では「判りました」と言う・・・俺はそんなつくしを見てクスクス笑った。20日過ぎから数回だけ行われる「歳暮釜」。そ...