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希望の扉~最終話~
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希望の扉~最終話~

4
目覚めてから数日後・・・まだ身体が思うように動かせない。お袋はあの日の夕方、東京に帰ったと聞いた。転院せず、完治までこの病院で過ごせ・・・そうつくしに言い残したらしい。まだ許す気持ちなんてないんだろうが、出ていく時には「総二郎さんを頼みましたよ」と・・・お人好しのつくしはあれだけ罵られたクセに、それだけで嬉しかったと俺に伝えてきた。あれこれと検査が続き、その度につくしを遠ざけられて腹がたつ・・・その時、朦朧と...
最後の扉
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最後の扉

4
白いドアの向こうは集中治療室で、俺の寝ているベッドが目の前にあった。無念そうな顔した医者や看護師が呆然としてる・・・中には機械を片付けようとしているヤツも居た。担当医が大きな溜息を付いた・・・騒々しい場所なのにこの時だけは静かに感じた。ー馬鹿じゃねぇの?ー青白い顔しやがって・・・俺は「自分」に向かってそう言った。ー待ってろ、今戻るからー目を閉じてる顔を見ながら「自分」の胸に手を置くと、スッとその中に溶けて...
9の扉・その2
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9の扉・その2

2
漸く俺は気がついた。今の俺は・・・俺の「魂」そのもの・・・だから誰にも見えていない。すれ違うヤツは俺の事なんて無視して通り過ぎ、俺は壁もドアも気にせず歩いていた。そして探した・・・1番大事な女。俺の命よりも大事な女・・・牧野つくし。やっと思い出した・・・。何処に居るのか判らなくても、俺の足は静かに「そこ」へと向かっていた。やがて聞こえたのはつくしの声じゃなく、お袋の声だった。集中治療室から少し離れた場所に用意さ...
9の扉・その1
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9の扉・その1

6
次に入ったのは部屋じゃなかった。俺の前に広がる光景は飛行機の中・・・そして俺が座っている。その隣には黒髪の女が居て、その顔はこれまで見てきた姉によく似ていた。そして俺は思い出した。これは数日前、あいつと暮らすために西門から逃げた飛行機の中だ。どうしても俺達の事を引き離そうとするから反抗して・・・こうでもすりゃ少しは俺の気持ちが判るだろうって、全部放り出して飛び乗ったんだ。パスポートを使わないために行き先...
8の扉
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8の扉

4
今度の部屋は今までとは全然違っていた。何が違うかって・・・何もない部屋だ。灰色のコンクリートの壁で机ひとつ無い・・・辛うじて窓があるからそこから光りが差すだけの部屋。その真ん中で3姉妹がベビーベッドの中を覗き込んでいる・・・その表情は喜びに満ちたものじゃなかった。普通はそれを眺めるなら笑うんじゃないのか、そう思うのに3姉妹は悲しそうに「なにか」を見ている。そして俺が1歩足を出したら「来ないで!」と姉に叫ば...