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Petrichor(LastStory)
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Petrichor(LastStory)

6
何度目かのコールの後、やっぱりダメだったかとスマホを耳から外した瞬間、画面が通話状態になってた。慌てて耳に戻すと・・・無言。だけど確かに繫がってる。声は聞かなくても表情が見える気がして可笑しかった。『・・・・・・・・・・・・』「・・・もしもし、私・・・」この一言で切られるかと思ったけど、電話はそのまま・・・誰か判らないけど英語で話す人の声が聞こえてきて、アメリカなんだって改めて感じた。『・・・どうした?』「初めのひと言がそ...
Petrichor(16)
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Petrichor(16)

4
今日も1日が終った・・・教材を纏めて机の上に重ね、明日の準備をする。もう塾長も帰ってて私が鍵当番。時計は22時を回ってて教室からは音がしない。これが試験前ならまだ明るいのにな、と少しだけ淋しさを感じる。まだ自分の部屋に帰りたくない。夜にあの公園の近くを見たら恐怖が蘇ってくる。それよりもベッドを見たら彼を思い出す・・・その中で眠ろうとしても身体が火照ってなかなか寝付けない。何も考えずにここに居たい・・・まる...
Petrichor(15)
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Petrichor(15)

6
ーー花沢物産・専務執務室ーー「専務、お疲れ様でした。スタンレイ社との商談、成立しそうですね」「ん、大丈夫だろう。後は海外事業部に任せるよ」「今日は早く帰れそうですね」秘書がホッとした表情で机上整理にかかる・・・最近父親になったばかりの彼は残業の日が辛そうだったな、とソワソワする後姿を見ていた。あれから1年が経った。牧野とはあの日以来・・・会っていない。今頃どう過ごしているのか気になるけれど、約束を信じて...
Petrichor(14)
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Petrichor(14)

6
牧野の手を握って、そのまま暫く何も言わなかった。あんなに激しかった雨も今では静かなもの・・・時々窓ガラスにパラパラと当たる程度でむしろ優しい音がする。それでも雨音は恐怖を思い出させるのだろうか・・・。牧野もジッと天井を見るだけで何も語らない・・・でもそのうち一筋の涙が頬を伝った。それを拭ってやろうと手を伸ばすと反対側を向かれ、俺に顔を見せてくれない。それはあの日の事を恨んでるからだろうかと・・・そう考えると牧...
Petrichor(13)
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Petrichor(13)

4
『・・・・・・じて待ってろ。約束だからな』『・・・・・・だよ!あんたこそ忘れないでよ?』『バーカ!俺を誰だと思ってんだ?道明寺司だぞ!裏切る訳ねぇだろ』『なーんか怪しいのよね~!でも・・・待ってるから』『・・・心配すんな。4年後、必ず迎えに来る』『絶対だよ?』・・・あぁ・・・これは4年前の空港での会話だ。道明寺を見送った時の・・・あいつが沢山の人に囲まれてゲートを潜る前の・・・・・・恋人だった私達の「別れ」のシーンだ。側には西門さ...