10月の向日葵 (74)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

10月の向日葵 (74)

2
祥兄のこの部屋は殺風景でほとんど自分の持ち物なんて置いてなさそうだった。本棚には医学書が並び、机の上にも医学界の論文や作成途中のレポートのような物がある。もしかしたら、祥兄は開業医じゃなくて研究者の方に進みたかったのか・・・?そして、机の隅に一枚の写真がポツンと置かれているのが目に入った。俺がそこに視線を送っていることに気が付いた祥兄も、同じようにその写真を見た。そしてフッと笑った。「覚えてるだろ?...
10月の向日葵 (73)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

10月の向日葵 (73)

2
「祥兄ちゃん・・・どうして祥兄ちゃんがここにいるの?なんで白衣着てるの・・・祥兄ちゃん・・・まさか!」「あぁ!ここが今の俺の勤務先。臨時なんだけどね・・・ここの先生がボランティアで海外派遣の医療チームに入っちゃってね。誰もこんな北の町に臨時で入らなかったからさ。本当は大阪の方で救急医療センターに入ろうと思ってたんだけど、新人には中々厳しいんだよ。なんたって医師免許とってまだ1年目だからね」私の目の前にいたのは...
10月の向日葵 (72)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

10月の向日葵 (72)

2
「お前・・・相変わらずだな。総二郎」その声を聞いた瞬間、俺は両手を外してその医者を正面から見た。忘れもしないその声・・・!「祥・・・兄?・・・祥兄か!何で祥兄がここにいるんだよ!」「そりゃこっちのセリフだ!この大馬鹿野郎っ!どうしてつくしがこんなことになってるんだ・・・!話がある・・・来い!」4年以上前に西門を出た祥一郎が目の前にいる。俺は何が何だかわかんなくなって、来いと言われても足が動かなかった。さっきまでの恐...
10月の向日葵 (71)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

10月の向日葵 (71)

8
12月になって私は4ヶ月目に入った。検診結果も悪くない。これから後期に入るまで1ヶ月おきの検診でいいだろうと言われ、整形外科の方も機能回復は順調で特に問題はないとのことだった。問題はなくてもまだ完全には動かせない。ようやく苦労せずに肩の高さまではあげられるようになったけど、それ以上になるとビリッとした痛みが走った。まぁ、それを我慢すれば多少は高い所の物をとることも出来るけど、重たい物を持つことは全...
10月の向日葵 (70)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

10月の向日葵 (70)

2
旭川の大きなスーパーに買い物に来ていた。もう随分寒いからコートにマフラーまでして顔の半分ぐらいが隠れるような格好してるんだけど、そうでもしないと食品売り場なんて歩けないくらいだった。大きなカートに二つもカゴを乗せて、たった2人分なのに大量の食料品を入れていく。総二郎は珍しい物を色んな場所で発見してきてはカゴに入れていって、また何処かに消えていく。意外と子供っぽい所があるんだね・・・そんな彼の後ろ姿を...