10月の向日葵 (154)
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10月の向日葵 (154)

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「お帰りなさいませ、総二郎様・・・つくしちゃん、久しぶりねぇ!」「志乃さん・・・!ご無沙汰しております。あの時は色々とありがとうございました」もう一度この正面玄関から本邸に入ることが出来るだなんて思いもしなかった。思えば考ちゃんとの婚約解消を頼もうと思って出ていった日以来だ。ここに色んなものも置いたまま逃げるように東京を離れたんだから・・・。出迎えてくれた志乃さんは少し白髪が増えたかしら?でも、その顔は昔...
10月の向日葵 (153)
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10月の向日葵 (153)

2
蒼は来年から小学生になる。そろそろお茶を本格的に教えるなら始めた方がいいと思う歳になった。それでも総二郎は特に蒼に稽古をつけることはなく、地元の人達の茶道教室と札幌に新しく出来た支部での講演会やお茶会に忙しかった。少しずつ地元紙のエッセイのようなものも書き始めて、こっちでも名前が知られてきた。ここでは本格的な茶道は余り行われてなくて、初めのうち生徒もそんなには集まらなかった。だけど、人の噂とは怖い...
10月の向日葵 (152)
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10月の向日葵 (152)

2
「お式の準備が整いました」係の人の声がしたら総二郎が「向こうで待ってるな!」って私を置いて何処に行ってしまった。私はこれからどうしたらいいんだろうって思っていたら、部屋に1人の男性が入ってきた。その人の顔を見てもすぐにはわからなかった・・・でも、ニコッと笑った顔を見て私は涙が溢れた!「やだ・・・!進?進なの?」「あぁ、何年ぶりだろう!姉ちゃん、元気そうで・・・!それに凄く綺麗になったね、違う人かと思った!...
10月の向日葵 (151)
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10月の向日葵 (151)

10
1年ぶりに訪れた旭川の病院。当時の担当医はまだそこに勤務していてさっそく検査が行われた。つくしはほんの少し緊張していたようだけど顔見知りの看護師に俺との事を聞かれる度に笑顔になってきて、最後の検査では手を振って検査室に行くほどだった。俺と2人で診察室に呼ばれたのは検査が終って程なくだった。「お久しぶりです。お名前が変わられたのですね、おめでとうございます。お子様も無事にお生まれになって何よりです。...
10月の向日葵 (150)
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10月の向日葵 (150)

2
次の日の朝、祥兄ちゃん達はもう東京に帰る支度を始めた。総二郎は昨日の夜、家に帰ってからも祥兄ちゃんには会わずに自分の部屋に入ったままで、今朝も起きてはこなかった。仕方がないから2人にだけご飯を用意して食べてもらった。「つくしさん、本当にお料理が得意なのね。とっても美味しいわ。西門ももちろん美味しいけど、やっぱり料亭にいるような気分になるでしょう?こんな家庭料理出ないから」「はは!そうですよね。私も...