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私の帰る場所・76
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私の帰る場所・76

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<sideあきら>お袋と話合いをした後に病室に戻ったら牧野の姿がなかった。それに慌てて看護師に聞いたら新生児室に向かったと・・・今はちゃんと看護師に付き添われて行ったから大丈夫だと言われ、俺達もそこに向かった。少し離れた所から看護師が見守る中、牧野はそこの廊下に立っていた。母親なのに中に入らずに硝子窓から自分の子供を見ている。泣いてはいないが今にもその目から涙が落ちそうな気がしてお袋と目を合わせた。そし...
私の帰る場所・75
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私の帰る場所・75

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<sideあきら>「ほぎゃあぁっ!ほぎゃぁーっ!」「牧野さん、ほら、赤ちゃんが泣いてるわよ?抱っこしてあげて?」「・・・・・・」「つくしちゃん、紫音君抱っこしてみる?私が花音ちゃんを抱っこするわよ?」「牧野、抱いてみないか?」「・・・・・・」本当ならもう退院して鎌倉に戻れるはずだった7月の終わり、また医者から呼び出されてお袋と一緒に病院に来ていた。牧野の症状はあれからも変わらず、と言うかむしろ酷くなり赤ん坊を世話...
私の帰る場所・74
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私の帰る場所・74

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あす、東京を離れて長野の寺に向かうという日。自分の茶室で寺に持って行く道具の整理と、置いていく道具の手入れをしていた。修行として行くのだから持ち物は最低限で、稽古は毎日寺でも行われ、修行僧にも茶道を教えることになっていた。スマホなどは入った時に寺に預け常時持つことは出来ない。緊急の連絡は総て寺を通す事になっているし、来客は受け付けない・・・手紙は月に1度程度なら許されるがそんなものを送ってくる人間は...
私の帰る場所・73
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私の帰る場所・73

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<sideあきら>医者との話合いが終わってから牧野の部屋に行き、ノックしてみた。でも、返事はなかった。「牧野、入るぞ」ひと言声を掛けて静かにドアを開けると牧野はベッドの端に座ってぼーっと窓の外を見ていた。この特別室は窓を開けることは出来るが、防犯上の理由で身体を外に出せないようにある程度の間隔で格子が取り付けられている。だから万が一・・・って心配はなかった。その窓を開けて、入ってくる風に髪を靡かせていた...
私の帰る場所・72
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私の帰る場所・72

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こいつにまで怒鳴られるのかと、もしそうであっても仕方ないと思っていたが落ち着いて話を聞いてくれたあきらに感謝した。すげぇホッとした・・・張り詰めてたものが緩んだような気がして逆に震えた。崩れ落ちる情けない姿もこいつになら曝け出せる・・・暫く項垂れたまま、それまで緊張していた自分を落ち着かせようと必死だった。だけどあきらには頼んでおかないといけない事が有る・・・そう思って顔を上げた。「あきら・・・これから俺が行...