星に願いを (前編)
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「あら、綺麗な笹が準備できたのね」「だって初めてやるんだからさ。雰囲気出さなきゃ!」そう言って類が庭先に運んできたのは、まだ綺麗な緑色をしてる5メートルぐらいの大きな笹竹だった。すぐに枯れてしまうから庭師さんが今朝早くに取ってきてくれて今まで水に浸していたとか。「へぇ…笹って水を吸い上げるんじゃなくて浸しておくの?長持ちの秘訣?」「そうらしいよ。でも今日の夜までのことだから大丈夫だよ、きっと」まだ...
星に願いを (後編)
飾り付けも終わって食事も終わって、双子ちゃん達が寝てしまうとリビングには7人だけが残った。少しだけお酒も飲んで今までのこと、最近のこと、これからのことを話していたけど花沢類はソファーに膝を立てて踞るような格好で何も話さなかった。ただ、時々私と目が合う…その時、私の心臓は喧しいほど鳴ってしまう。それがみんなに聞かれたらどうしようって思うから、いつも私の方が目をそらしてしまうの。「そろそろ帰ろうか。牧野...
PRESENT~月に1度の贈り物~
今年の1月・・・私は「お互いに毎月1回プレゼントをしない?」って類に話をしたの。類は何も要らないのにって言うの。だからね、物じゃなくてもいいんだよ?気持ちでも行動でもいいの。何か1つ、贈り物をしましょう?お互いがいつまでも想い合ってるって確かめるために。そうしたら笑って頷いてくれた。だから、1年間、私達は毎月1回贈り物をすることにしたの。**1月新しい年の初めに私がこの提案をしたら、類はその日のうちに私...
TAKARAMONO
今日の牧野はご機嫌が悪い。何があったかって?原因は多分俺。一緒にご飯食べに来ているのに顔が怒ってるんだ。眉毛が上に向かってて、口は下に向かってる。行儀も悪くて片肘ついて顎を手に乗ってける。そしてご飯が来るまでに頼んだジャスミンティーをストローでカラカラ乱暴に混ぜながら音をたてて飲んでる。「ねぇ・・・なんで何も聞かないの?私が怒ってるってわかってるよね?」「うん、わかってる。理由、聞いて欲しいの?聞い...