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鏡の中の私(最終話)
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鏡の中の私(最終話)

10
目を覚ましたのはその日の夜遅くだった。総二郎が心配そうに私の顔を覗き込んでいるのがぼんやりと見える・・・その向こうにはお義父様とお義母様もいた。「つくし・・・気が付いたか?・・・気分はどうだ?」「総二郎?私・・・どうしたの?ここは・・・」「ここは母屋の中だ。お前が倒れたから医者に行って看てもらって、さっき帰ったんだ。全然目を覚まさねぇから焦った・・・何か飲むか?」「倒れた・・・?」「・・・余程怖かったんだろ。仕方ねぇな・・...
鏡の中の私(10)
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鏡の中の私(10)

8
姿を変えた女の人はもう私なんか見ずに総二郎だけを見つめていた。私を自分の後ろ側に回して彼女から守ってくれてる・・・彼は頭上の恐ろしい”鬼の目”を睨んでいた。私は総二郎の服を握りしめて肩越しに彼女を見ていて、その赤い爪が総二郎に伸びた時、咄嗟に前に出て振り払おうとした。それに触れてしまうと総二郎を連れて行かれる、そう思ったから。「つくし!お前は動くな!・・・いいか、隙をみてこの部屋から出ろ!」「え?!嫌だ、...
鏡の中の私(9)
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鏡の中の私(9)

4
その女の人は私を見てニヤリと笑った。そして右手を私の方に差し出して手招きするように指を動かした・・・それはすごくゆっくりとした動きで、まるで催眠術でもかけられてるかのように意識がぼーっとしてくる。何度も頭を振ってこの人の手を見ないようにしたけど、今度は少ずつ私の方に向かって歩いてきた。『・・・その身体、私にくれない?私ね・・・ずっと身体を交換してくれる人を待っていたの・・・冷たい世界で・・・』「なに訳わかんない...
鏡の中の私(8)
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鏡の中の私(8)

2
総二郎が私の身体を心配して料理場へ向かった。私の存在が彼を苦しめてる・・・そう思ったら胸が張り裂けそうだった。何故こんな事が起きるんだろう。頑張ってるつもりなのに・・・。この家に馴染もうと必死だったのに。この家の隅々まで覚えて・・・隅々まで・・・・・・?・・・よく考えたらこんな事が始まったのはいつ・・・?あの知らないお手伝いさんに言われて離れの部屋に鏡の掃除をしに行った日から・・・そうじゃないかしら。お屋敷の全部を知らな...
鏡の中の私(7)
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鏡の中の私(7)

4
「・・・つくし、お前・・・なんで」「総二郎こそ何処に行っていたの?私はお屋敷にいたわよ」「いや、俺はつくしが新しいケーキ屋があるって言うからそこに・・・」総二郎は後ろを振り返ったけど、その時そこには誰もいなかった。私も見たはずの長い黒髪の人は一瞬で消えてしまっていた。私も確かに黒髪が揺れたのを見たけど・・・誰もいなかった。総二郎の顔が真っ青になる・・・そして額からは汗が・・・。「でも、お前・・・部屋に踞ってたよな?誰...