10月の向日葵 (81)
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10月の向日葵 (81)

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<side祥一郎>何年ぶりにこの人に電話をするんだろう。総二郎にもそうだったが、志乃さんは家元夫人の一番弟子だが、俺たちのことを本当に良く面倒みてくれた母親よりも親らしく接してくれた人だった。だから、俺も総二郎もこの人にだけは色んな話をしてきたと思う。今も俺が頼れるのはこの人しかいなかった。総二郎のことを知っているのなら話が早い・・・情報源を志乃さんと言うことにしてもらおう。そして、おそらく心配をかけて...
amore sfortunato~片思い~・4
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amore sfortunato~片思い~・4

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ルシアンで牧野を怒鳴って以来、大学で会っても顔を背けられて話さなくなった。総二郎や類がいればそっちとは話すくせに俺が身を乗り出すと途端に逃げる。類は全然わかんないみたいだけど、総二郎はニヤッと笑って口を塞いでた。「優しいお兄ちゃんが牙をむいたから拗ねてんだよ!お子ちゃまな妹がな!」「誰が兄貴で誰が妹だよ!・・・俺は別に兄貴の役目なんてしてねぇよ!」「うん・・・普通にしててお兄ちゃんやってるもんね」そんな...
カフェラテに浮かべたメッセージ・21
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カフェラテに浮かべたメッセージ・21

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類が会社に向かってから店内はそういちろうさんと2人になって、シーンと静まりかえった。はぁ・・・って溜息とつくと、そういちろうさんがチラッと私を見る。本当にすごく怖い顔で。でも今日の私はそれに怒る気さえしなかった。ごめんね・・・やっぱり私はあなたの所にはいけない。今日でここを辞めることは仕方ないけど、類の所にも行けないの。だからこの街から出て行くしかなさそうね。類が来る前にここを出て、アパートに帰ったら荷...
10月の向日葵 (80)
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10月の向日葵 (80)

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正月が過ぎてからこの辺りの雪は想像以上になり、俺たちは世間から隔離されたかのような空間で過ごしていた。窓から見える風景は白一色で庭の木々でさえ遠くの風景と区別が出来なかった。これは類の別荘が少し丘の上にあるからで、街に出れば問題はなかった。だけど、大事を取ってつくしは病院以外は家の中での生活になり、買い物も俺が全部引き受けるようになった。まぁ、そのぐらいこの生活に慣れたっていうことだ。雪掻きもつく...
カフェラテに浮かべたメッセージ・20
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カフェラテに浮かべたメッセージ・20

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藤本が明日の資料を自宅に届けてくれたから、それを夜遅くに自室で目を通していた。牧野は俺の隣に部屋を作らせたけど今日も俺の部屋にいて、昨日と同じように俺のベッドに潜り込んでた。シャワーも済ませて部屋着に着替えて、スッピンの牧野がすぐ側にいる。それだけですごく安心できた。あのアパートに残さなくて良かった・・・もし、残してきたらどうなっていただろう。それを考え始めると資料なんて眼で追うだけでちっとも頭には...
10月の向日葵 (79)
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10月の向日葵 (79)

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遠くで除夜の鐘が鳴り響いた瞬間、俺はつくしをベッドの中で抱き締めていた。本当は身体を繋げたいけど優しくしてやれる自信もないし、何よりこいつの中の宝物は守りたいし。だから、つくしの身体を撫でてその少し柔らかく、豊かになった部分だけを愛してやる・・・まぁ、これは新年だからってわけでもなく、疲れていない夜には欠かさなかった俺たちの儀式みたいなもんだけど。「つくし・・・年が明けちゃったな。今年は大変だ!親になる...
amore sfortunato~片思い~・3
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amore sfortunato~片思い~・3

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「牧野!ちょっと来いっ!」「きゃあぁーっ!いや、ちょっと美作さんっ!」総二郎がいきなり噴き出したと思ったら、こんな店のボックス席で似合いもしないドレスを着た牧野を見るとは思いもしなかった!しかも桜子のだろう?そのドレス・・・もう少しでヤバいもん、晒すところだったのに立ち上がったまま固まりやがって!そんな大人っぽいもの、まだお前には早すぎるんだよ・・・ってそれよりも他の男が見るじゃないか!まぁ、総二郎はい...
カフェラテに浮かべたメッセージ・19
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カフェラテに浮かべたメッセージ・19

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亮という男とは関係をもっていないと牧野は答えた。女性を抱けない男・・・中にはいるよね、大抵が過去に起きたことのトラウマみたいなもので。見た感じ”あっち”じゃなかったし。そのことが恥ずかしいのか牧野は俺と眼を合わせようとしなくなった。もしかしたら自分には魅力がなかったんだって思ってんのかな・・・。そんなわけないのにね。あんまりにも長い時間、何も喋らなくなったから逆にどうしていいのかわからなくなって赤くなって...
10月の向日葵 (78)
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10月の向日葵 (78)

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次の日の朝は雪が止んでいて、この時期にしては晴れていた。まぁ、そうは言っても銀世界には変わりなく、慣れない桜子は布団からでられずに震え上がっていた。「そんなにゆっくりしてたら飛行機に間に合わないわよ?総二郎が行けるのは旭川までなんだから・・・起きなさい、桜子!」「イヤですッ!先輩、こんな所によく住めますわね!人間の住める場所じゃありませんわっ!」「何言ってんのよっ!ここより北にも人は住んでるのよ!さ...
カフェラテに浮かべたメッセージ・18
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カフェラテに浮かべたメッセージ・18

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「亮は私の前の彼なの。1年間だけ付き合った・・・彼なの」類の顔が一気に変わった。驚いたでしょうね・・・あんな人が私の元カレだなんて思いもしなかったでしょう?ううん・・・思って欲しくなんかなかった。出来れば知られたくなかった。けれど、多分いつかはこれがバレて、類とは終わってしまう運命だったの。だから、少しでも傷が浅い今の方が良かったのかもしれない。そう思わないとこの話をすることが出来なかった。「本当に?でも・...