10月の向日葵 (118)
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翌日、随分早くに眼が覚めた。まだ外が薄暗く、朝日なんて昇ってもいない頃だった。正確に言えばほとんど寝ることが出来なかった。茶会への緊張というよりも昨日話したつくしの声が忘れられなくて・・・その声が耳の奥で何度も繰り返し俺の名前を呼ぶからだ。気持ちを切り替えるために少し冷めたいシャワーを浴びて身体を冷ました。今日・・・集中するのは茶会の方だからな。祥兄からもメールは来ていた。<すべて自分にかかっていると思...