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10月の向日葵 (最終話)
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10月の向日葵 (最終話)

25
家元となった祥兄が次期家元に指名された蒼を伴って記者会見をすることになり、俺はそれを見るために東京に呼ばれた。 会見場の横に待機しろと言われたが断わって、私服のまま会場の一番後ろに立っていた。 思い出されるのは自分たちの茶番劇・・・今更ながらよくやったと苦笑いが出る。 今でもあれが間違っていたとは思っていない。後悔はしていない・・・あれがなければ自分は今でも闇の中で茶を点て続けただろうと思うから。 時間にな...
雪の結晶 (47)
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雪の結晶 (47)

8
「つくし先生、さようならーっ!」「はーい、涼君、さようなら!」「つくし先生、またあしたねーっ!」「うん、美香ちゃん、またあしたね!風邪、早く治してね?」親のお迎えが早い子供達が帰っていく午後4時。自分のクラスの子供が何人か帰ったあと、退社時間になって私も帰る支度をしていた。今日こそちゃんと晩ご飯、作らなきゃ・・・最近少しサボり気味だから類の身体のことも心配だし・・・。頭の中で買い物するものを思い出しなが...
10月の向日葵 (159)
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10月の向日葵 (159)

6
桜の茶会が終わったその夜、大広間に家元夫妻、祥兄と千春、俺とつくし・・・そして蒼が呼ばれた。蒼の気持ちを確認する、それを本人の言葉で聞くためだった。本人は中央に座らされて少し戸惑っているようだ。無理はない・・・今から聞かれることは何も知らないのだから。家元が静かに口を開いた。「蒼、本日の茶会はどうじゃったな?心に残るものがあったか?」「はい。とても素晴らしい経験が出来ました」「そうか。お前は北海道で父か...
雪の結晶 (46)
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雪の結晶 (46)

2
昼の休憩時間、屋上に繋がってる階段を登っていた。扉を開けたらここら一帯が見渡せる屋上、しかも花沢では屋上緑化計画により樹木が植えられている。その為に少しばかり複雑な造りになっていて、その人目につかない場所で会ったのは藤本だった。「専務、お疲れ様です」「あぁ、ご苦労様。どう?経理課には少し慣れた?」「・・・慣れませんよ。アウェイ感で一杯です。それより、先日からの調査ですが、やはり巧みに裏工作ししている...
10月の向日葵 (158)
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10月の向日葵 (158)

2
数年前の蒼と同じく、花衣と蓮も本邸の前で茫然と立っていた。自分の住んでる家でもあの土地では大きな方だったのにここ本邸とは比べものにならない。ここが俺の実家だと言ってもピンとこないのだろう。個人宅ではなく、何かの会場だと思っているのかもしれない、そんな顔をしていて笑えた。「ほら、こっちだよ。花衣、ついておいで」「お兄ちゃん、来たことあるの?いつ?」「小学校に上がる前。2人は留守番してたからね」蒼は兄...
雪の結晶 (45)
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雪の結晶 (45)

4
朝になって目を開けたら牧野が隣にいなかった。すっかり冷たくなってるその場所にドキッとして、慌てて起き上がったら・・・キッチンから優しい匂いがしてきた。なんだ・・・朝食の準備してたんだ。ホッとしてまたドサッとベッドに倒れ込んだ。真莉愛のことで牧野がまた変な方向に行くんじゃないかって・・・司の時の事があるから少し不安だった。それにしても彼女の行動には驚いた。山城と前田の不正の証拠を早く見つけないと次にどんな手...
10月の向日葵 (157)
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10月の向日葵 (157)

4
その日の夜、祥兄に電話を入れた。蒼のことを伝えなくてはいけないからだ。祥兄には女の子が1人、男はまだ産まれてはいない。もし、蒼が茶道をしないと言えば考えなくてはならないだろうから。そういう理由からも俺達からの連絡を待っているだろう。数回コールしたら祥兄は電話に出た。『・・・どうした?総二郎。何かあったのか?』「あぁ、まぁな。祥兄にはラッキーな話かもしれないけど、蒼のことだ」『話をしたのか?』「・・・あい...
雪の結晶 (44)
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雪の結晶 (44)

8
結局何も食べずに牧野は泣き疲れて寝てしまった。こんな寒いところでいつから泣いてたんだろう。部屋の様子を見ても多分なにも片付けが進んでない。クローゼットの床に出されたままの服がその証拠。これを片付けている最中に牧野に凄くショックなことがあったとしか思えない。何があったんだろう・・・今日は休みで日頃出来ない事をするんだって朝はあんなに元気だったのに。牧野を抱きかかえてベッドまで運んで、そのまま布団を掛け...
10月の向日葵 (156)
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10月の向日葵 (156)

4
4月、蒼は地元の小学校に入学した。西門からは祝いが届き、その中には子供用の少し小さな茶碗が入っていた。「こんなものを・・・まだ、わかんねぇのにな」「・・・深い意味はないって祥兄ちゃんのメールにはあったけど、家元夫人がどうしてもって入れたたらしいわ」それ以外にも西門の紋付きの着物が数枚、子供なのに上質なものを送ってきた。つくしは東京で家元夫人と話して打ち解けたからなのか、今回の礼は自分で電話をかけていた。...
雪の結晶 (43)
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雪の結晶 (43)

2
久しぶりに平日にお休みをもらえた。だからこの日は普段出来ないことをしようと思って、キッチンまわりのお掃除や洋服の整理をしていた。アメリカから帰った時は何もなかったのにここに住んでからは毎週何枚もの服が増えていって、今ではクローゼットの中が私のドレスで溢れかえっている。もうしまうところがないって言っても類のお買い物は止まるどころかエスカレートしてる。こんなにバッグがあっても使えないから勿体ないのに。...