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Substitute・73
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Substitute・73

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7月になり梅雨が明けた。単位に問題のない類はもう卒業まで大学に行く必要もなく、日中の殆どをつくしが住むあきらのマンションで過ごしていた。つい先日も聖司に呼び出され、秋から始まる類専用のプログラムに従い新人研修を受けるように言われたばかりだ。それが鬱陶しくて余計に顔を合わせたくない。でも聖司にこのマンションを嗅ぎ付けられるのが嫌で、夜になると渋々自宅に戻っていた。つくしは以前に比べ少し元気がなくなっ...
いろはにほへと恋せよ乙女・157
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いろはにほへと恋せよ乙女・157

4
お茶会は順調に進んでいった。私も何度か運ぶと草履で歩くのも慣れてきて、総二郎が続けてお茶を点てるからそのお茶碗を出すタイミングも判ってきた。半東さんの仕事は多いし、お客様達も心得てるみたいで私に話し掛ける人はそんなに居ない。動きを見られてる感はあるけど、今のところ粗相はしてないし何とか上手くやってる気分だった。総二郎もたまに小さな声で「サンキュ!」なんて言うし、私はお客様に見えないように袖の下でピ...
10年前のLOVE LETTER・3
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10年前のLOVE LETTER・3

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牧野に出会ったのは高等部の時だった。全然色気もねぇし胸もねぇし、寸胴で貧乏・・・どっから見ても俺達には似合わねぇ女だった。だから正直すげぇ意外だった。司と牧野が恋に落ちたなんて。あんなちんちくりんの何処がいいんだ?って理解出来ない。あんな野獣の何処がいいんだって不思議で仕方がない。嘘だろ、冗談だよな?って何度も揶揄ったけど、2人は真っ赤な顔して「何処が悪い!」と逆ギレしやがった。でも、気が付いたら俺...
Substitute・72
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Substitute・72

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「うわぁーーーっ!!」「お客様、お止めください!け、警察呼びますよ!」歌舞伎町の雑居ビルの地下・・・そこにある店で1人の男が気に入らない客を殴り、その客が倒れて店内に悲鳴があがった。従業員が必死に助け起こし、殴った男に目を向けるが、その男の方は罪悪感すら感じさせない冷酷な目で倒れている客を見下ろして笑っている。「・・・警察?呼べばいいだろ?その男が俺を睨んだから悪いんだよ」「睨んだって・・・目が合っただけじ...
いろはにほへと恋せよ乙女・156
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いろはにほへと恋せよ乙女・156

4
桜の茶会が始まった。俺達が出ていく前に招待客達は庭に通され、咲き始めた桜の下で開始を待っている状態だ。そこに親父を先頭にして宗家の俺達が登場する、それは毎年の事だった。親父のすぐ後ろにはお袋、その後ろに俺が続き孝三郎もこの時は出席する。ただ今回は俺の後ろにつくしが続き、それは30年前のお袋以来のことだった。瞬間ザワッと声があがる・・・この時俺はつくしを振り返ることが出来ない。だが堂々と顔をあげてるだ...
Say Yes (3)
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Say Yes (3)

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『あんた、毎年誰かに渡してたの?』その言葉が頭から離れない。渡す人なんて居るわけないじゃない・・・そう言いながら毎年作ってるけどさ。渡せるはずないじゃない?今や花沢物産の専務さんになってるのに。残業で遅くなって1人で歩くバス停までの道・・・同じ言葉を何度も繰り返しながらカメにも追い越されそうな速度で歩いてた。1人の部屋に帰るのなんて慣れてるし、淋しいとかって気持ちはないはずなのに、彼が会社に来た時にはい...
Substitute・71
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Substitute・71

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赤坂にあるあきらの馴染みの店、そこに総二郎も居合わせて3人で飲んでいた。勿論誰も入って来ないVIPルームで、完全隔離の部屋だ。そこでこれまでの事を話した類は椅子の上に丸くなって座っていた。膝を抱きかかえ、まるで子供のように・・・それをあきらと総二郎は表情も無く見ていた。もう1人では手に負えない・・・静岡から帰ってそう感じた類は幼馴染みに助けを求めた。話してしまえば友人を続けられるかどうかも判らない、その...
いろはにほへと恋せよ乙女・155
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いろはにほへと恋せよ乙女・155

2
桜の大寄せの前日、家元夫人に呼ばれてお部屋に向かった。そこには志乃さんが居て、衣桁には綺麗な着物が掛けてあった。薄い緑色からクリーム色にぼかしてあって、そこに桜の花が描かれてる上品なもの。「牧野さん、当ててみて?私の若い頃の着物なんだけど」「え?家元夫人の?そんなっ・・・いや、いいです!」「あら、この色はお嫌い?」「いや、そうじゃなくて・・・私には勿体なくて!」いやいやいや、アメリカに持って行った家元夫...
10年前のLOVE LETTER・2
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10年前のLOVE LETTER・2

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就職はあっさり決まった。花沢も美作も高卒なんて採らないから逆に安心だったのに、何故かあの人達の本社ビルが並んでるオフィス街の中にある会社に決まった。そして1月になったら殆どの授業が終わり、2月になったら学校も行かない・・・後は卒業式に行くだけになった。そんな2月のある日。出勤の為には少しぐらい新しい服がいるって事で、貯めていたバイト代を持って買い物に出掛けた。バス通勤だからジーンズって訳にはいかない...
Substitute・70
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Substitute・70

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「社長、こちらが大学からの報告書です」「・・・あぁ、すまんな」この頃、聖司は類の行動がこれまでと違う事に疑念を抱き、密かに調査させていた。昔はほぼなかった外泊が増えたこと、帰宅時間が遅いこと・・・それは息子に女性の存在を感じさせるには充分だった。でも類は恋愛に興味が無さそうに見えて逆に心配していたぐらいだ。1人の女性に熱を上げるほど情熱的な男には思えなかった。どちらかと言うと周りが相手を用意し、それに黙...