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西門家の秘宝・67
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西門家の秘宝・67

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総二郎様が薄茶点前を始めた。私の作業場は総二郎様の後ろ側に作られた、丈の低い竹垣で囲った小さなテーブルの上だ。景観を損なわないように、でも色々お道具があるからそこには沢山のお盆や茶碗、予備の小物がズラリ。私はそこで数人分のお菓子をお盆に入れ、それを持って1番目のお客様達が座っている長椅子に向かおうとした。その時、太田さんに呼び止められ、耳元でコソッと・・・「牧野さん、本当ならお客様の真正面でしゃがん...
片恋の行方(36)
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片恋の行方(36)

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「え?パスポート・・・持ってますけど」「あぁ、良かった!それなら丁度いい」「・・・?」9月の中頃、マンションの持ち主が戻ってきた・・・いや、立ち寄ったと言った方がいい表現だろうけど。そして私にパスポートがあるかどうかを聞き、あると言えば安心したようにソファーにドカッと座った。ご飯を食べますか?なんて事は聞かないけど、こう言う場合、珈琲でも淹れないと不味いのだろう。ネクタイを緩める素振りは見せてもこのマンシ...
西門家の秘宝・66
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西門家の秘宝・66

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正門から野点会場に続く露地をお客様達が通っていく、それを見ると流石にドキドキしてきた。こうなると本邸の中は逆にシーンとしてる。「牧野さん、私達は庭園に行きますよ」万里子さんにそう言われたのは開始20分前で、先輩2人の後にくっついて別の通路からお庭に向かった。途中新しい草履で躓いたり滑ったり・・・万里子さんにも「大丈夫なの?」と不安な目を向けられ、「少し痛い」と言えば近藤さんが植木の影で私の草履の鼻緒...
片恋の行方(35)
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片恋の行方(35)

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次の日、出社しても殆ど仕事にならなかった。一晩中起きていたってのもあるけど飲み過ぎ・・・二日酔いなんて始めてで、気分は最悪だった。吐き気もするし頭も痛い・・・ずっと片手で額を押さえ込んでいる俺を見て、流石に藤本が「早退しろ」と言いだした。「そのような状態で重要書類なんて頭に入らないでしょう?見落としたり判断を間違えられても困りますから」「・・・・・・図星とは言えキツいことを言うな」「失礼なのは承知しています。...
西門家の秘宝・65
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西門家の秘宝・65

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菊の間から戻ったら食堂ではもう万里子さん達がお昼ご飯を食べ始めてた。その横に座って私も大急ぎで食べて、熱いお茶をゴクッと飲んで・・・勢いよく噎せた!近藤さんに背中を叩いてもらって漸く落ち着き、はぁ!とひとつ溜息・・・万里子さんはそれを見てクスクス笑っていた。「じゃあもう少ししたら会場を見にいきましょうか。水屋まで行ったり来たりするから転ばないように確認しましょう」「はい!」「うふふ、その元気よすぎる返事...
片恋の行方(34)
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片恋の行方(34)

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「9月末退社だそうだ。理由は・・・結婚だってさ」総二郎の言葉の意味が一瞬判らなかった。牧野が見つかった・・・勤務先も判った、それまでは呑み込めた。それで、誰が結婚するって?俺が返事もせずに黙ったままだったからなのか、もう1度あきらが言葉を出した。「城戸建設に電話したら牧野って名前ですぐに営業課だと教えてくれた。だから電話を繋いで欲しいと頼んだけど答えは退職だったんだ。このご時世だから理由は教えてくれなく...
西門家の秘宝・64
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西門家の秘宝・64

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紅葉の茶会当日。この日は総二郎様も考三郎様も起こしに行かず、朝から使用人達の打ち合わせがあった。私は万里子さんと、考三郎様の渡役の近藤さんと並んで隅っこに座った。それを見て何人かはヒソヒソと小声で何か言ってる・・・そんな中、今年は参加出来たサッちゃんがニコニコして手を振ってくれた。「おはようございます。それでは始めますよ」志乃さんの説明で1日の流れを再確認。お客様が多いから、中には座敷で休まれる人も...
indecisive・11
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indecisive・11

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本文中に軽微ですがR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。******************************西門さんとの事があった翌週から大学は夏休みに入った。私はバイトと特待の課題で時間は幾らあっても足りない・・・それなのに西門さんの連絡があればあのマンションに行くようになっていた。カードキーは毎日私の鞄の中にある。...
片恋の行方(33)
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片恋の行方(33)

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9月に入って1番初めの日曜日。今日は初めて社員ではなく婚約者として社長夫妻・・・雅紀さんのお父様とお母様に会う日だった。アパートまで迎えに来てくれて、車の中では最終確認ばかり。雅紀さんは前しか見ないし、私は窓の外しか見ない・・・横断歩道を渡る人が見れば、私達は喧嘩中にしか見えないだろうな、と薄く笑った。「恐ろしい人達じゃないけど子供の事はやたら言うと思うんだ。それには適当に返事しておいて」「・・・・・・はい」...
西門家の秘宝・63
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西門家の秘宝・63

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お客様が多くなるから客間全部の生け花を新しくするように言われて、それを指示してくれてる万里子さんを探していた。そうしたら玄関にその後ろ姿発見!良かったぁって花を抱えて近寄ったら・・・総二郎様も居た。それに知らないおじさんが1人。大声出したから不味い!って思ったけど、それよりも万里子さんの様子がおかしくて続きの言葉が掛けられず、私まで立ち止まった。総二郎様は私を見て眉をひん曲げるし、おじさんは困ってる...