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plumeria

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あっ!という間に時間は過ぎた・・・今は12日の真夜中。花沢類にアパートまで送ってもらったところだ。

「ホントにありがとう、花沢類。このお礼はいつか必ずするわ・・・今日はもう取り敢えず寝る。お休み・・・」
「うん。大丈夫?そんなに疲れたの?明日大学行ける?」

「明日大学だっけ・・・ごめん、考えられない。行けたら行くわ」


日帰りアメリカ旅行・・・じゃないショッピングは無事に終った。
欲しかったハーレーのジャケットもお揃いで買えた・・・ただ、余りにもハードな移動ですでに頭がくらくらして立ってるのがやっと。
目の前の花沢類が肌艶も良く元気なのが信じられない。しかも、この人、自分へのお土産まで買う余裕があったし。

「じゃあ、ゆっくりお休み!」なんて手を振ってアパートの前から去って行く。その車に手を振ることすら出来なかったわ・・・。


「えっと、今が12日の真夜中?あれ?もう13日になった?いや、もうダメ、明日の事は明日考えるわ・・・」

アパートの部屋に入ってから玄関に鞄を落として、頑張って買ってきたジャケットはその辺に放りだして、ベッドに倒れ込んだ。
お化粧も落とさずに服も着替えずにお風呂にも入らずに・・・とにかく全身が鉛のように重くて死んだように寝てしまった。


********


13日、牧野は大学にいなかった。
学費を払っているんだから勿体ないってどんなことがあっても講義を休むことはなかったのに。しかも俺にも何の連絡もないし。昨日も俺には電話の1つもなかった・・・ってか電話繋がらなかったし!

ブツブツ言いながら廊下を歩いてたら正面から欠伸をしながら類がやってきた。相変わらず眠そうな・・・まともに目が開いてないんじゃないか?こいつ。


「おい、類。牧野が大学に来てねぇんだけどさ、お前が言ってた『騙されてやれ』って言った件、もう終ったんだろ?」
「え?牧野やっぱり来てないの?相当疲れてたから起き上がれないのかも。あれは慣れだからねぇ・・・」

「は?何をそんなに疲れることしたんだよ」
「あいつ、動きすぎるんだよ。焦るから俺の事急かすし、ゆっくりしてやれば早くしてって言うし。時間が限られてるからやることも限られるでしょ?初心者って感じで面白かったけど!」

「・・・なんの話だ?・・・類」
「ん?牧野とのデートの話だけど。あっ!ごめんね、総二郎がいない間に牧野の事借りちゃって!アパートに行ってみなよ、多分全身筋肉痛で寝てると思うから。じゃあね!」


「・・・・・・うそ!」

俺が京都で仕事してる間に、牧野と類がデート?しかも全身筋肉痛になるような過激な運動をだとっ?!
類にそんな事が出来んのかよ!絶対にこいつはスタンダードコースか、悪戯程度しか出来ないと思ってたんだが、あいつが立てなくなるほど・・・ってか、それをこの俺に言うのかっ!この前は否定したクセに!

急いで車を出して牧野の部屋まで飛ばした!
じゃあ、やっぱり病院ってのは産婦人科・・・そういうことなのか?2人で俺の事を裏切ってた?


ホントにこの俺が捨てられたのか!それも相手が親友で・・・しかもたったの1ヶ月半で?冗談じゃねぇぞ、牧野ーっ!


**


アパートについて力任せにドアを叩いたら、すっげぇ顔の牧野がぐちゃぐちゃな髪の毛で、目の下にクマなんて作って出てきた。

うそっ!こんなになるまで類にヤラれたのか!
余りに酷い牧野の顔に、一瞬言葉が出なくてその場に立ち竦んでしまった。

「あぁ・・・ごめん、西門さん。今日、大学に行けなくて・・・散らかってるけど入って?」
「お、おぉ!それはいいけど、お前その格好・・・そんな状態になるまでガンバったのか!」

「はい?うん、そうなのよ・・・もう、足腰立たないっていうか、グラグラするっていうか・・・吐きそうっていうか・・・」
「・・・・・・」


落ち着け、西門総二郎・・・そう唱えて取り敢えず部屋に入った。


ここからどんな話をすりゃいいんだ?
俺は今まで自慢じゃないが振られたことはない・・・というより、本気で付き合った女はこいつが初めて。遊びの女の方から「さようなら」なんて言葉を聞いても何とも思わないが、いまから牧野がその言葉を出したら初めての恋人から俺が振られたってことになるのか?

順調・・・じゃなかったっけ?俺、何もしくじってないよな・・・どこも間違ってねぇよな?無茶苦茶愛してやったよな?
この状況をどう考えたらいいか・・・目の前の女は欠伸なんてして色気もクソもねぇ状態だし。


「・・・お前、俺に何か言うことあるんじゃないのか?」
「ん?あぁ、あるよ!でも、どうしよう。本当は明日なんだけど今日のうちに済ませちゃおうかな。西門さん、来てくれたし」

「今日のうちに?1日でも早いほうがいいって言うのか?」
「うん、だってその方が心の準備が出来るじゃない?でも、どうしてここに来たの?誰かから聞いたの?」

「類が牧野は疲れすぎて寝てるんだろうって言うからだよ・・・・・・類が無理させたのか?」
「うわっ!花沢類、バラしたの?いや、もういいんだけどね。うん、そうなの。花沢類がとにかく元気でね~!私はもう初めに行った時だけで限界だったわ」

「イった?!そ、そんなに?類が?俺よりも?」
「西門さんとはあんな事まだ経験してないもの。初めてだったのよ、あんなに急いだの・・・それに時間が」

「初めて?ど、どのくらい時間かけたんだ?」
「そうねぇ、最初が13時間、あとが14時間だったかしら。普段使わない筋肉が緊張するんだと思うの。肩とか腰とかが痛くって。ホント、しばらく乗りたくないわ!」

「の、乗る?乗ったまま13時間も?」
「だって降りられないじゃん。死んじゃうよ?」

「死ぬぐらいなら降りればいいだろう!いや、そんな話をしに来たんじゃねぇよ!」
「どうやって飛行機から降りるのよっ!馬鹿じゃないの?」


「・・・は?」


・・・・・・ん?飛行機?

牧野がすげぇ変な顔してる。


「なんか勘違いしてる?西門さん。私が何に乗ったと思ってるの?」

類の上・・・って言えねぇよな。あれ?こいつ、今までなんの話してたんだ?・・・俺は全然話の中身がわかんなくなった。
狭い部屋の真ん中で向い合って座って、しばらく2人とも黙ってた。


「まぁ、いいけど。あのね、これ、なんだけど。えへへ!お揃いで買ってみたの。明日のバレンタインのプレゼント!気に入ってもらえると嬉しいなぁ~なんて思って!」
「は?バレンタインのプレゼント?」

「うん!それを花沢類とアメリカまで買いに行ってたの。ごめんね、嘘ついちゃって。でもね、どうしても驚かせたかったの!」


そう言いながら部屋の隅から引っ張り出してきた大きな包み。無造作にリボンなんかつけられてるそれを牧野の手から受け取った。随分重たいんだけど何が入ってるんだ?お揃いって?アメリカって・・・?

赤い顔してニコニコしながら「早く開けて!」って催促してるけど、俺はまだ何が起きたかわかんなくてその包みを抱えていた。


「えーと・・・今日大学に来れないほどの筋肉痛って、長時間の飛行機で身体が固まったってことか?」
「そうだよ?13時間も14時間も乗ってみなさいよ!ホントに身体がおかしくなりそうだったよ!筋肉痛はアメリカの街を走りまくったからじゃない?緊張の後の運動だもん、辛かったわ~!」

「んーと・・・類が元気で急いでたってのは、アメリカについてからの行動のことか?」
「そうなの!着いてすぐにこれを買いに行ったんだけど、そのお店に行くのに結構時間がかかってね。それなのにギリシャ料理食べに行くとか言うし、帰りの飛行機の時間はあるし!でも、花沢類は慣れてるから疲れないんだって。自分のお買い物もしてたもん」

「で?わざわざアメリカに行かなきゃ買えないものだったのか?」
「日本で売り切れたんだって。花沢類が調べてくれたの。でもね、それを買おうって思って頑張ってたからもう他のものに変えられなくて・・・だって、西門さん、今度、バ・・・バイクで旅行行こうって言ってたじゃん?だからさ・・・」


なんだ!そういうことか・・・!すっげぇ勘違いってことか?
俺は牧野がくれた包みを開けてみた。

その中に入っていたのはハーレーの新作のライダースジャケット。しかも俺のと牧野のものが入っていた。自分のものまで包む意味もわかんねぇけど、相当嬉しかったってことか?

何だか可笑しくなって笑いが込み上げてきた!


「いいじゃん!これ、ペアなわけね?お前そのために最近変な行動してたのか?!」
「あ、やっぱりバレてた?えへへ・・・ダメだって言われてたけどバイトしちゃった!小林君ちで!」

この後、小林の弟に類と2人で家庭教師のバイトをしていたことを聞いて、また1人で笑ってしまった。
牧野は俺が産婦人科の誤解をしていたことなんて知らないから、何がそんなにおかしいのかって逆に怒り出したけど!


「すっげぇ嬉しい・・・サンキュ!明日は大学サボってさ、これ着てハーレーで出掛けようぜ!」
「えっ!・・・う、うん!でもさ、バレンタインのチョコはもう作る元気ないの・・・許してくれる?」


そんなもん、どうだっていいよ。
全然化粧もしてなくてボサボサでぐちゃぐちゃだけど、この時の牧野の笑顔は最高だった!


明日は朝早くから出掛けよう。
こんなバレンタインってのも最高じゃね?



1flower-3111821__340.jpg
HAPPY VALENTINE♥

はい、こちらも延びてます!
18日まで11:00に公開します。

ふふふ・・・罰ゲーム開始ですね!
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2018/02/14 (Wed) 14:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

もうねぇ!考えるのが大変だったの!
どう言えば総ちゃんが勘違いしてくれるのかって!

難しいですよね・・・1回やってみたかった勘違いコメディ!
思ったより大変だったのでもうやめます。

え?類のそのセリフが気に入ったの?実は私も好き(笑)
ここはすぐに浮かんだの(笑)
飛行機は無理矢理だったけどねー!


さてと・・・この後はもう何も言わない。
でも、明日はまだない(笑)
期待しちゃいけないから前もってお知らせしておきますねっ!

だって18日まであるのよ?
宜しくお願いします!

2018/02/14 (Wed) 21:05 | EDIT | REPLY |   

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