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14日の朝早く、アパートの前を爆音を響かせた西門さんのハーレーが到着した。
急いで支度をしてアメリカで買ってきたお揃いのジャケットを着て、もう一度鏡で全身チェック!うん・・・まぁ、こんなもんでいいか!ちょっと眉毛の高さが違うかもしれないけど!

アパートに鍵をかけて階段を降りたら自慢のハーレーに跨がった西門さんが私のヘルメットを持って待っていた。

もちろん着てるのは昨日渡した彼用のジャケット・・・やっぱり格好いいなぁ!って顔がニヤニヤしちゃう!
このためによく頑張ったもの。自分を褒めてあげたいとはこの事よ!小林くんからも涼太君の受験は問題なく終って、次の試験に向けてまた勉強始めたって連絡来たし!


「ほら、お前のメット・・・なにニヤニヤしてんだよ。今更見とれるんじゃねぇって!」
「あっ!なによ、その言い方!だって・・・嬉しいんだもん」

「なかなか着心地いいぜ?ありがとな!・・・じゃ、早いとこ行こうか、行き先は俺に任せてもらっていいんだよな?」
「うん!任せる。全然わかんないもん。でもバイクだから遠くまで行けないんでしょ?」

「京都ぐらいまでなら問題ないけど、後ろに乗ってるお前の方が耐えられないと思うけど?」
「はっ?京都?!」

いや、そんなことまで行かないわよ!車じゃないんだから・・・いや、車でも行かないわよ!
西門さんが「ヘルメット被れ」って合図するから急いで私も被って後ろに・・・あれ?どうやって乗ったらいいんだろ。

「何してんだよ。早く乗れよ」
「う、うん・・・あの、これって西門さんを持たなきゃいけないの?」

「俺の身体持っとかないで何処持つんだよ」
「・・・だよね」

後ろに跨がって西門さんのジャケットの背中部分をちょこっと掴んだら「振り落とされたいのか!」って怒鳴られた。

だってーっ!!乗った事なんてないんだもん!わかんないよーっ!って心の中で叫んでみたけど彼は全く無視!
持つっていうかしがみつくって感じ?恐る恐る西門さんの身体全体を掴もうとして手を伸ばしたら、逆にグイッと引っ張られた!

「だから!こうやって俺の腹んとこで自分の手を握ってろって!慣れてないんならそのぐらいしねぇと落っこちるぞ?俺はチンタラ走らねぇから落ちたら確実に死ぬ、そのつもりで持っとけよ?!」
「ひぇ~!!おとなしく運転するっていう選択肢はないわけ?」

「ハーレーがおとなしくてどうするよ!・・・行くぞ!」
「待って、待って!うわぁーーーっ!!」

私の手が西門さんの身体を一周したと同時にハーレーはもの凄いスピードで発進したわよっ!
もう、怖くて怖くて、すっごい怖くて西門さんの背中にピッタリくっついて、顔はヘルメットがあるから横向きにしてたけど、目なんか開けていられない!景色楽しむどころか爆音と暴風で息も出来ないーーーっ!!

それでもしばらく乗っていたら慣れてきて、少しだけ景色を見る余裕が出てきた。

西門さんの背中・・・ジャケットの上からだから温かさは伝わらないけどこうしていたら安心する。
今まで気が付かなかったけど時々私の手を彼の手が掴んでくれてたんだ・・・直線道路の安定してるとき、指を絡ませて掴んでる私の手の上を彼のグローブが押えてた。

もしかしたら私より西門さんの方が怖いのかも?


本当に良かった。頑張った甲斐があったわ・・・こうして二人っきりで出掛けられるだなんて。
私、この人を独り占めしてるんだよ?・・・なんだか夢みたい。半年前にはあれだけ必死で追いかけたのに。

あんまり嬉しくてギューッ!て掴んだら信号待ちで「殺す気か!」って怒られた。いや、喜びの表現だったのに!



・・・と、いうかそれよりも現実はとんでもなく寒かったっ!!

何回か休憩で止まったけど、その度に余りの寒さに熱いコーヒーばっかり飲んで、西門さんはスマホで何かを調べ始めた。
無理ないわ・・・今は2月、大体バイクで旅行する方がおかしいのよ!ジャケット買うまではあんまり深く考えなかったけど、こんなの凍死しちゃうわよ!
彼はハーレーにもたれ掛かって真剣な顔してたけど、スマホを閉じたら真面目な顔してまたヘルメットを持った。

「牧野、行き先変えるわ。山梨の方からダイヤモンド富士見ようかと思ったんだけどこの雪じゃ行けそうにねぇや。このままもう少し行ったところの宿、予約したからそこに行こうぜ?」

「えぇっ!山梨まで行く気だったの?」
「今年雪が多いからな。俺1人だといいけど後ろに宝物乗っけてるから無茶出来ねぇだろ?」

うわっ・・・今、ウィンクしながらさりげなくスゴい台詞言ったわね?た、宝物?・・・もうその一言で凍えていた身体に火がついたように熱くなってしまった!

「でさ、いま平塚だからもう少し走るな。海沿いだから風が強いと思う。しっかり掴まっとけよ?」
「うん!もう結構慣れてきたよ?ホントに初めは怖かったんだから!」

「そうだろうな!でも、1回やってみたかったんだ。会話できねぇけどダイレクトに相手を感じられるからさ!」
「・・・イチイチ言葉がエロいよね」

「あっはは!胸がねぇから男連れてるみたいだけどな!」


ムカつく・・・!でも、この人にしがみつかなきゃホントに振り落とされそうだから胸なんて気にしていられないのよ!
幸いにも邪魔にならない程度しかないからね。


もう一度、「行くぞ!」っていう彼の声と共にハーレーは西に向かって走って行った。


********


本当はお袋から預かった例の指輪を牧野に渡したくて、この時期に見られるダイヤモンド富士を期待したんだけど、行き先に選んでいた山中湖まで行くのには少し気温が低すぎた。
俺はいいけど牧野はこの前のアメリカ行きから復活したばっかりだし、初めてのバイクでまた身体が緊張してるだろうし。

仕方なくこの先にある箱根湯本の馴染みの温泉宿に電話して予約を入れた。

ここの高級旅館を家元が気に入って、わざわざうち専用の離れを作ってるからいつ行っても泊まれるってわけで。
しかも本館からかなり離れてるから誰にも声も聞かれず遠慮なく・・・。そんな意味合いで利用したことは今まで1回もないけど、今から変更するんじゃそこしかなかった。

牧野に合わせて頻繁に休憩をとってたから、その宿に着いたのは夕方近くになってからだった。


「いらっしゃいませ、西門様。お久しぶりでございますねぇ。総二郎様は何年ぶりでしょう」
「あぁ、しばらく来てないのに急で悪いね。行こうと思っていたところが雪が多いみたいでさ」

「ほほ・・・この時期にバイクで旅行だなんて少し無茶でしたわね。そちらがお連れ様ですか?お可愛らしい方ですこと!」


温泉宿とはいえ高級ホテル並の仕様で、牧野はロビーでポカンとしていた。
回廊はすべて畳敷きで建物は天然木の香りがする。純和風に見えて所々モダンな部分のある洒落た旅館。庭園も西門のような石庭ではなく、どの窓から見てもその部屋独自の美しい自然の景観を楽しめるように工夫された粋なもの。
暖かな光を放つ千本格子のシャンデリアがいくつもあって幻想的な雰囲気だ。

「に、西門さん。ここに泊まるの?」
「だから来てんじゃねぇの?中々いいところだろ。この奥に俺んちの専用離れがあるんだよ」

「せ、専用の離れ?」


「そう!誰も来ないし、温泉は沢山あるし・・・景色は最高だぜ?楽しそうだろ?」
「誰も来ないの?旅館の人も?」

「呼んだら来るさ。呼ばないけど」
「・・・・・・」


すでに察したな?


俺に隠れてバイトして、違う男とアメリカまで行って浮気した罰はここで受けてもらうからな!



1valentines-day-3131986__340.jpg
↑一日過ぎててすみません💦
それとこの土地の気象情報は実際とは違います。
あくまでもこのお話の中の設定です。
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2018/02/15 (Thu) 11:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 感覚が……

キャン様 こんにちは~!

あら!素敵!いいなぁ~!
私、大好きですけど原付も乗れません(笑)
怖くて怖くて・・・!でも、後ろに乗ったことはあるんです。だから書いちゃうけど(笑)
運転する人の怖さはわかんないんですよね。

昔、上司が奥さんとハーレーで良く出掛けるって行ってました。
女性ライダーは人気あるそうですね!

格好いいとは思うんですけどねぇ(笑)
そりゃ、総ちゃんの後ろに乗れるんなら頑張りたいけど、旦那じゃね・・・。
それこそ服の端っこしか持たないかも。

総ちゃんなら休憩なしでしがみつきますっ!キリッ!

2018/02/15 (Thu) 13:42 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/20 (Tue) 11:48 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

あっはは!股間押えてるかなぁ・・・前のめりだから?
やっぱさぁ、花男二次にトイレネタはやめましょうよ。私の中では全員おっきいの出してるイメージないもん。
この前の類の「トイレ・・・」も書くの勇気いったし(笑)

この時期に東京からバイクでしょ?北に行くわけには行かないし、Rには持って行かないといけないから悩んだんですよ。
ほら・・・全然関東知らないから。
取り敢えず西に行くか!ってなったけど箱根駅伝しかみたことないから調べましたわ~!

そうそう(笑)

持って行ったのよ!数億円!
多分スゴく無造作にどっかに入れてるんですよ。ポイッとね。

2018/02/20 (Tue) 19:20 | EDIT | REPLY |   

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