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****フランス****

「類!いい加減彼女を認めてあげなさい!結婚してからもう2ヶ月になるのよ?そこまで避けるなんて・・・
相手の家からも何て言われてるかわかってるの?随分と力になっていただいてるのよ?」

「そんなもの俺には何の関係もありませんよ。彼女を認めない理由もそんなに聞きたいですか?
答えなんて一つしかありません・・・俺が彼女を愛してないからですよ」

言っただろう・・・牧野以外の誰も愛せないって。

「それを知った上で結婚させたのはそっちでしょう。言うとおりに書面上は夫婦になってしまいましたけど、
無理に身体の関係なんてもつ必要があるんですか?お断りします。彼女にもそう伝えてあるはずだ」

「・・・花沢の家がどうなってもいいの?類!」

どうなったって関係ないよ・・・いっそのこと潰れてしまえばいい・・・!

「用件がそれだけならもう失礼します。仕事以外であなたと話しをする気はありませんから」


すべて会社のためにと結婚まで無理矢理させたくせに。でも、絶対にあんな女、抱いたりなんかしない。
牧野を迎えに行くんだ・・・いつか必ず!


あれからずっと総二郎と暮らしてるって聞いた。
12月だったから・・・もう5ヶ月も西門に住んでるの?西門の家が許してるの?そんな事・・・

でも、牧野は総二郎の事なんて愛してないんだから絶対に有り得ない。
総二郎が離さないんだよね?牧野はただあの家を出られないんだろ?


俺はちゃんと知ってるよ。
本当はずっと総二郎が牧野の事を好きだったことぐらい。
意外とわかりやすいからね・・・短気だからすぐに顔に出すんだ、ちょっとしたことでもね。


「牧野・・・いつか迎えに行くから。絶対に総二郎には渡さないよ・・・」


この手にあるもの・・・

牧野も持っているはず。
絶対に捨てたりしないはずだから。これが俺たちを必ず結びつけてくれるんだ・・・

ねぇ、総二郎・・・
俺、あの時、あきらにしとけば良かったって思ってるよ。
何となくお前の方が何か起きたときに行動が早いって思ったんだけど・・・失敗だったな。

あの時は自分が冷静になれなかったけど、早くこんなバカバカしい生活をやめて牧野と暮らすんだ。
前みたいに自分の気持ちに蓋をして、人形のような生き方はしたくない。


************

<西門邸>

「総二郎、今日のお花は何にするの?」

「今は5月だろ?そうだな・・・今日は都忘れにしようか。俺はこの花結構好きなんだ。後はこの辺も5月に使える花だな」

「何て言う名前?」

「これはちご百合、向こうは苧環。菖蒲もいいけど」

そう教えながら都忘れを摘む。今日生ける花だけを摘む。
決して明日使うものは摘まない。

「これを生ける花器にも格ってもんがあるんだ。この都忘れならこれを使う。茶道ではこの花器を『草』って呼ぶんだ」


牧野に少しずつ家の仕事を教えていく。
道具について、茶碗について少しずつ教えていく。
俺の点てた茶を飲ませて、その所作の説明をして、その意味を教える。

一般家庭の人間には理解しがたい内容だから焦らずゆっくりと西門の事を伝えてやる。

牧野はもともと頭が良くて、こういう日本的なことが好きだったらしく覚えは早かった。


6月になって、7月になって牧野はすっかり茶にはまっていった。


****


もうすぐ梅雨が明けるという頃、その日は日差しが強かった。
それでも楽しそうに花の世話をしていた。親子ほど年の離れた田村さんと2人で長い時間を裏の畑で過している。
田村さんも家元達が可愛がる牧野に何かあったら大変だと思ってるんだろう、すごく気を遣っている。

「牧野さん!日焼けしたら私が怒られますから・・・もうそろそろ母屋に戻ってください」

って田村さんが日傘を差し出す。
そんなもん持ってたら作業が出来ないんだけどって笑いながら俺はそれを眺める。


「牧野、そろそろ夕方の稽古をするぞ?戻ってこい」

「はーい!お師匠様!」

「俺の稽古が終わったら志乃さんが着付けしてくれるってさ。」

「げっ!志乃さん厳しいんだよね・・・今日も怒られるかなぁ、嫌だなぁ!」

「なに?お前怒られんの?大丈夫か?そんなんで!」

こんな会話をするようになって、もうすぐ半年になる。
ちょっとずつ牧野が俺の世界に入ってくるのが嬉しくてたまらない。
美しく着物を着れるようになってきた、立ち居振る舞いが上品になったと家元達も眼を細める。

まだまだ教えることは多いけど必死についてくる牧野が愛おしかった。

「そう!志乃さんね、怒ると結構すごいんだから!この前もね、もう一度同じ失敗をしたら母屋の
廊下を拭き掃除10往復してもらいますって言ったのよ?あの一番長い廊下をよ?怖いでしょ!」

「俺も昔はさせられたな、それ!稽古をサボった時だったっけな。親じゃない人に怒られんのはあの人
くらいだったよ。でも、俺は志乃さんが大好きだったよ。お前は?」

「ふふっ!そうだね。私も大好き!ほら、私は親と離れてからが長いから・・・お母さんみたいな気がする。
・・・じゃあ、今日も怒られてこようかな!」

まずは怒られないように頑張ってこいよ・・・
仕方がないから俺の稽古はほどほどにしといてやるよ、今日だけは。



「総二郎、夕方のお稽古と着付けが終わったら散歩に行こうよ。新しいケーキ屋さんまで」

「ぷっ!そりゃ、散歩って言わねーよ。普通に買い物じゃん」


こんな会話をしながら裏庭を後にした。
その奥には桜の木を従えたあの離れがある。牧野の思いを残した場所がある。

20170327121154b3c.jpg

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2017/03/28 (Tue) 15:55 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

S様、こんにちは🎵

Sですか?
マジですか?そんなつもりはなかったかも。
いや、Sかも。どっちかなぁ。

じれったいのは好きです‼あ~❗もぉっ!ってな感じ?

合体❔そうですね。してないですね。してたら困る❗

(*/□\*)そこは聞かないでください。
私の部屋の類君にはそんは場面はないかと。
書けない‼あ、書いたかどうかじゃなかったですね。

さて、類の最後はどうなりますか!

次はいつ来るかなぁ⁉
まっててくださいね。

2017/03/28 (Tue) 19:01 | EDIT | REPLY |   
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2017/03/28 (Tue) 21:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

M様、こんばんわ~!はじめまして。
そしてコメントありがとうございます。

そう!これは間違いなく総つくですよ?
幸せの花束は、あきつくではなく、類つくですよ?
どうも、話しをややこしくする傾向があるようで、誰と誰がどうなってんのか
わからなくなるようです。
そこを狙ってるんですけどね。

新しいお話しがプロローグのせいで切ないラブストーリーと思われる方が
いるようですが、どうだろう・・・。
これも、もしかしたらスリルとサスペンスかもしれませんよ?
さらりと読んでくださいって書いたけど、余計に煽ってしまった感じの
プロローグですよね。本編でずっこけたらごめんなさい!

RoyalBlueは着々と皆様を私の罠にはめております。
多分最後の方でお叱りを受けるとは思いますが、出来ましたら
最後までお付き合いくださいませ。

今日は本当にありがとうございました。


2017/03/28 (Tue) 22:13 | EDIT | REPLY |   

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