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plumeria

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夏休み・・・大学も大学院も休みだが俺の仕事だけ山のように増える。
そして、もの凄く暑い時なのに茶会はある。この頃は朝早くか、夕方に行われることが多い。
これだけ暑いと日中行うのは招かれる方も辛いからな。

しかも着物。・・・小さい頃から慣れてはいるんだが、やっぱり暑い!!
確かに夏物は涼しい素材なんだけど、下まで布に覆われると暑いっての!

頭の中では愚痴ってても決して表には出さない俺の特技・・・今日も涼しい顔して茶会に臨む。
精神修行と思えばなんて事はない。


ただ、これが女性になるともっと大変だ。今時着物慣れしてる女性なんていないんだから。
普段Tシャツに短パンでウロウロしている牧野には地獄のユニフォームとなっている。
その苦しそうな顔には笑いが出る。


「笑わないでよ・・・本当に死んじゃうよ?」

「つくしちゃん、ご苦労だな。今日は家元夫人のお供だって?そりゃ、気も抜けないよなー!外はスゲー暑いぞ?」

「言わないでよ!なんかねー、どっかのエロ息子のために秋物の反物見に行くらしいのよ?まいっちゃうわ」

「・・・・・・誰のことだ?そりゃ」

「知らない。天下一品のエロ息子らしいよ。あー、やだなぁ・・・」

俺に背中を向けた牧野を後ろからホールドするとグエッとすっげー声が出て笑ってしまった。
がっちり掴まえてるから、ジタバタしたって逃げられないってんだ!

「もう一回聞こうか?誰のことだ?それ」

そう聞くと俺の方を無言で指さしてる。
目に涙なんか溜めちゃって、こんな風にふざけてじゃれ合うのも久しぶりだ。

「ほー・・・天下一品のエロ息子ね。じゃあっ!遠慮なく!」

そう言って牧野の身体の向きを変えてキスをした。
びっくりした牧野が思いっきり突き飛ばそうとしたが、お前の力ぐらいで吹っ飛ぶかっての!

「なっ・・・何すんのよっ!ここ廊下じゃないの!」

ものすごく真っ赤な顔をして口を押さえてやがる。

「エロ息子だからな。どこかなんて気にしないの。おまえがそう言ったんじゃん」

「バカ言ってんじゃないわよ!家元夫人が見てたらっ・・・」
「見てたら・・・何なのかしらねぇ?」

廊下の角からヌッと現れた家元夫人。
そんなとこで隠れて見てんじゃねーよっ!息子のキスシーンなんか。

「おや、家元夫人。そこにいらっしゃいましたか。申し訳ありませんでした」

今度は真っ青になって固まった牧野の代わりに謝ってやるよ。

「総二郎さん?あなた、ご自分の立場ってものをわかっていらっしゃいますの?困った若宗匠ねぇ!
ここはプライベートエリアではありませんでしょう?それに牧野さんがお気の毒だわ」

「はぁ・・・ごもっともですが」

「全くもう・・・少し甘すぎたかしらねぇ・・・さぁ、牧野さん、出かけますわよ?」

俺には怖い顔で睨み付けておきながら、牧野には笑顔を向けて出かけていった。
まぁ、家元よりも怖いと言われる家元夫人。好かれるって事はいいことだな。


「総二郎様、そんなにふざけていらしたら今度の計画が潰れてしまいますわよ?いいんですか?」

「そうなったら志乃さん、私の味方になって下さいね?」

「ふふっ・・・わかりましたわ。でも私は牧野さんの味方ですから。総二郎様はきちんとお仕事してくださいね?」

「では、私の仕事ぶりを家元夫人には良いようにお伝え下さい」


もう少ししたら俺は京都での仕事に入る。この期間は3週間・・・
家元達にも許可をもらって、今年は牧野を連れて行くことにしている。


****


夜になって、俺の部屋で2人でビールを飲んでいた。

「ねぇ・・・京都ってすごく暑いんでしょ?どのあたりに行くの?市内?」

京都の市内地図を見ながら聞いてくる牧野。

「結構中心からは離れてるな。この一乗ってあたりに別邸があるからそこに行くけど、茶会が行われるのは
ここ以外にもあるから日替わりで色んな所に行くと思う。京都の支部にも顔出すしな」

ふんふんって地図で確認してうなずいてる。

「総二郎は毎日お仕事なの?少しは観光できる?」

「3日くらい休みもらう予定。車があるから行きたいとこ連れてってやるよ。何処に行くか決めとけよ?」

わかったって嬉しそうに地図にチェックいれてる。
これ聞いたことあるお寺だーなんて小さく呟いて・・・

京都なんて毎年行くんだから、毎回少しずつ回ればいいんだって。
俺にとっちゃ行き先なんてどうでもいい。2人で行くってのが重要。
古狸の相手くらい、そのためならいくらでも我慢してやるよ。で、とっとと終わらせてやるからな!

横を見るとビール片手にウトウトしてる。
毎日疲れるよな。仕事に稽古に勉強も欠かさないから・・・暑い日が続いてるからキツいだろうな。
でも、愚痴の一つも言わない。

「おい!そんなとこで寝るな!ベッドで寝ろって」

手からグラスを離して、こいつの部屋に運んでやろうと抱き上げた・・・その薄いTシャツに柄にもなくドキッとしてしまう。
相変わらず華奢な身体・・・あれから随分たつのに痩せたままだ。

「少しは肉付けねーと女らしくねーよ・・・お前」

しまった。またエロ門になるとこだったか?今起きたら間違いなく殴られてるな・・・。
牧野をベッドに寝かせて、軽く触れるだけのキスをする。


「おやすみ、京都までお預けな・・・」

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2017/03/29 (Wed) 23:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

S様、こんばんわ~!

だから言ったじゃないですか!してたら困るって♥
いやいや、期待はしてはいけません。すでにおわかりでしょうが
私はコメディ専門店ですから。
襖スパーン!みたいなことを書く人間ですよ?

ドキドキして待ってたら、なんだこれ?ってなりますよ?
ふふふ・・・。

どうなりますかしら?お楽しみに~!

2017/03/30 (Thu) 00:11 | EDIT | REPLY |   

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