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家に戻ったらそういちろうをつくしが抱っこして、新しい子を俺の右腕に乗せてひとまずサンルームに向かった。
下から睨み付けるそういちろうの視線が怖い。逆に身体を擦り寄せるようにグイグイ来るこの子も怖い・・・。

「類、そろそろその子をそういちろうさんに返してあげたら?ほら、ヤキモチ焼いてるよ?」
「いや、俺が離さないんじゃなくて、この子が離れないんだって!つくし、どうにかしてくれない?」

「もう、仕方ないなぁ!おいで・・・えっと、まだ名前つけてなかったね。なんて名前にする?」
「名前?・・・そっか。名前・・・よもぎでよくない?」

「・・・よもぎ?」
「うん!つくしとよもぎ・・・ほら、何となく似てない?雰囲気がさ!」

「雑草コンビって言いたいの?ま、いいか!・・・じゃあ宜しくね、よもぎちゃん!こっちにおいで?そういちろうさんがずっとあなたを待ってたんだよ?」
「・・・クワッ!」

・・・うそ!よもぎはつくしが差し出した手を無視して俺の肩によじ登った!まさか、本当に俺の事が好きなわけ?
つくしの向こうには真っ青な顔した・・・元々真っ青だけどそういちろうが震えてるように見えるのは気のせい?でも、違うからね?
俺が誘惑したわけでも、告白したわけでもないから!俺にはつくしがいるし、もうすぐ子供も産まれるし!

「よもぎ、だめだよ?言うこと聞かなきゃ・・・ほら、降りておいで?」
「・・・クワ」

俺が差し出した腕には素直に乗ってきた・・・でも、そういちろうには背中向けてるのはわざとなの?よもぎ・・・。

「えっ!類が言ったら降りてくるってどういう事?!」
「・・・・・・ルイ・・・ソウイチロウ、マッテタ・・・」

「えっと・・・ほら、よもぎ。ここが今日からそういちろうとよもぎの部屋だよ?緑が沢山あって素敵でしょ?毎日ここでそういちろうと遊んでやってくれる?」

「クワッ!クワッ!」
「イラッシャイマセ!」

止まり木に一緒に止まらせたら、しばらく2人・・・2羽はお互いを見つめてた。もっと話しかけるか近寄るかすればいいのに全く動かない。そういちろうまで固まってしまって、まるでそうじろうみたいになってしまった。
俺達が近くで見てるのが気になるのかと思って、サンルームの隅にあるベンチに座って知らん顔してみた。

くすっ・・・そういちろうが少しずつ近寄ってる。2羽の距離が少し縮まったんじゃない?それじゃ俺達ももう少し近づこうか?なんて言ってつくしの肩を抱き寄せた。


「類、どう思う?あの子達、相性悪いのかしら」
「どうだろ。まだ出会って2時間だからね、決めつけちゃ可哀想じゃない?それよりお腹痛くない?大丈夫?」

「うん、全然平気!今日は朝からいいことあったからかな?気分もいいし体調もいいみたい。ありがと・・・類は?火傷大丈夫?」
「あ!もう忘れてた。でも、少しまだヒリヒリするかも・・・」

「痕が残らなければいいけど・・・」
「手当てしてるから大丈夫だよ。俺の方が心配かけちゃったね」


なんだろ・・・すごく視線を感じる。

つくしが俺の左手を持って包帯の上を摩ってくれてる時、何処かから刺すような視線が・・・って思って横を見たら、よもぎがすごい顔でこっちを見てる!鳥でも「女の顔」ってあるの?超怖いんだけどっ!
そういちろう!切なそうな顔してないで、お前がどうにかして彼女の気を惹いて俺から遠ざけてよ!

「つ、つくし・・・あのさ、ここは2人っきりにさせてあげない?俺達がいたらそういちろうも告白できないかも。ね?俺達も2人っきりになろうよ!ほら、今日はホワイトデーだし!部屋に戻ろう!」
「は?どうしたの?類・・・もう少しあの子達の様子を・・・」

「大丈夫!鳥は鳥同士の方が会話が弾んでいいと思う!俺達が邪魔しちゃダメでしょ!」
「え、え?・・・類、ちょっと、あの・・・!」


鳥に好かれる理由はよくわかんないけど、なんだかそういちろうに恨まれそうな気がしたからつくしを引っ張って急いでサンルームから出た!よもぎ・・・一目惚れは嬉しいけど、ごめんね、応えてあげられなくて。
そういちろうが大事にしてくれるから、そっちと仲良くしてよね!

「何言ってるの?誰と誰が仲良くするの?」
「・・・え?あっはは!聞こえちゃった?俺とつくし、そういちろうとよもぎだよ?それ以外にあるの?」


部屋に戻ったらすぐにつくしを後ろから抱き締めて「愛してる・・・」って耳元で呟く。
つくしは俺の腕を掴んで嬉しそうに笑いながら「私も・・・大好き!」って答えてくれる。これが2人っきりで過ごす最後のホワイトデーだね。来年は俺、生まれてくる子供にもしなきゃいけないからさ。

待ち遠しいね・・・って言うと、まだ産まれなくていい・・・だって。


「まだ私だけの類でいてね」
「何言ってんの?一生つくしだけの俺だよ?子供は・・・ちょっと違うかも」

つくしにキスしながらも頭の中ではサンルームの光景を想像してた。そういちろう・・・上手くやってるかな。


**


15日の朝、目が覚めたらつくしが隣にいなかった。
今日はちゃんと朝ご飯作りに行ったんだ・・・俺、頑張って手を繋ぐだけにしてたからちゃんと休めたのかな?

いつもなら起こしに来てくれるのを待ってるんだけど、今度からは自分で起きてダイニングに行こうって決めた。少しでもつくしに楽させてあげなきゃ・・・って加代に言ったら「今からですか?遅すぎます!」って昨日、小言を言われたんだよね。


ガウンを羽織ってダイニングまで行ったら、いつものように美味しそうな匂いがする。
その奥でパタパタとスリッパの音が聞こえて、つくしが朝食の準備をしてくれてる・・・やっぱり素敵な朝だよね。

「おはよ、つくし。朝からありがと・・・いい匂いだね」
「あ!類、おはよう!今日はね、久しぶりにプレーンオムレツのバゲットサンドにしたの。今からカフェオレ入れるけど、類はコーヒーがいい?」

「うん、つくしが楽な方でいいよ。ね、いつかまた”木の年輪”作ってよ。思い出しちゃったんだ。初めて作ってもらった時のこと」
「あはは!じゃあ明日ね。お昼に練習しなきゃ!」


こんな会話で朝が始まる。
向い合って同じものを食べて、今日の予定を話し合う。

テーブルに飾られた花に朝日が当たって輝いて、少し開けた窓から春の風が入ってくる。
つくしが手を止めてサンルームの方に耳を傾けた。


「・・・ね、類、そういちろうさんの声・・・聞こえない?」
「ん?・・・あ、ホントだ。でも、よもぎの声も入ってない?ほら・・・声が違うよ?」

朝食を食べ終えたらサンルームに行ってみた。
少しだけドアを開けてそーっと覗いてみたら止まり木の上に2羽が止まってて、そういちろうがよもぎの身体の毛繕いをしていた。よもぎも嫌がってないみたい・・・そのうち今度はよもぎの方がそういちろうの背中の羽にくちばしを入れて毛繕いし始めた。

そういちろうは珍しく「日本語」じゃなくて鳥の言葉を喋ってる。それに俺達はクスクス笑ってしまった。


そういちろう・・・上手く口説けたんだね!良かった・・・!


「仲良くしてるじゃない!ふふっ・・・お昼も様子を教えてあげるね」
「いいよ、そっとしといてやろうよ。新婚さんだよ?」

「・・・そういちろうさん、パパになれるかな。マスターに報告しなきゃ!お嫁さんもらったって!」
「そうだね。教えてあげなよ。それにきっとすぐにパパになるよ。楽しみだね」

イチャイチャしてる2羽に声をかけないようにして静かにドアを閉めた。そういちろうの頭を掻いてやる役目・・・これで卒業だね。



今日はちょっとした事情で午後からの出勤にしていた。
だからつくしとのんびりお茶を飲んで、窓から少し見えるサンルームの2羽を眺めてる。もうそろそろかな?って時計を見たら加代がリビングに入ってきた。


「類様、藤本さんがすごいお顔でお迎えにいらっしゃいましたけど・・・。車の横で大騒ぎですが、また何か頼んだんですか?」

「あっ!藤本が来たの?じゃあ連れてきてくれたのかな・・・つくしも来る?驚くと思うよ?」
「え?なあに?藤本さんが何か持ってきてくれたの?」

急いで玄関に向かったら、また恐怖に怯えた顔で藤本が車の真横に立っていた。黒縁メガネ、半分落ちてるよ?そんなに怖がらなくてもいいのに。

「藤本、おはよう!どうだった?無事に連れてきてくれた?」
「何がおはようですかっ!空港からここまでどれだけあると思ってるんです!こんなもの後ろに乗せて、睨まれ続けてもう怖いのなんのって・・・2回も運ぶだなんて聞いてませんからっ!!」

その割には事故もせずにここまで運転出来るんだから根性あるよね!って言いかけたけど、拗ねて仕事してくれなくなるから黙っとこ!


「類・・・何なの?車に何かいるの?」
「見てみる?もう明るいから大人しいとは思うけど・・・」

後部座席のドアを開けて俺が手を出すと・・・ヌッ顔を出してきたのは今朝アフリカから来たばっかりのハシビロコウのオス!
ちゃんとオスを指定して送ってもらったんだから大丈夫だと思うけど。

「きゃあぁーっ!もしかしてそうじろうさんのお婿さん?!うわぁっ・・・迫力あるわねぇっ!」
「ほんと!そうじろうより一回り大きいんじゃない?すごい顔・・・ホント、怖いよね!」

車から降ろしたいけど火傷のせいで左手、包帯巻いてるし。藤本に頼んだらブンブン首を振って加代の後ろに回って隠れた。
「情けないんだから!」って言うと「わたくしが出しましょう!」と名乗り出たのは加代。
さすがそうじろうが懐いてるだけのことはある・・・加代はこの大きなオスも抱きかかえて車から出した。

そして地面に降ろしたら、軽く背中を押してそうじろうが入ってる柵の方に歩かせてる。
もしかして昔、動物園勤務?って思うほど慣れた行動に俺とつくしは笑いながらついていった。


「そうじろう!お友達が来たわよ?ほらほら!強面のイケメンさんだよ~♥」
「つくし、ダメだよ、そうじろうだって怖い顔してるんだもん。この2人は仲良くなるかな?こっちも楽しみだね!」

そうじろうのいる場所に加代が連れて来たオスをいれて、俺達は柵の外からそれを見ていた。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」


「会話、ないんじゃないの?よく考えたら夜行性だし」
「・・・そうだね」

「でもさ、名前は必要だよね?なんにする?」
「名前?・・・・・・つかさでよくない?」

「つかさ?そ、それはどこから来た名前?」
「あ!幼馴染みの1人。総二郎とも仲良いし、ちょうど顔も似てる気がするし」

「ふーん・・・じゃあ、つかさで決まりね!つかさーっ!そうじろうと仲良くしてねーーっ!」


ぷっ!何だか変な事想像しちゃった!そのうちそうじろうがつかさの子供、産んだりして!



こうして15日の朝、また花沢家には仲間が増えた。

いつの日かよもぎがそういちろうの子供を産んで、そうじろうがつかさの子供を産んで・・・
もっと増えたら・・・どうするんだろう。

ま、いいか・・・その頃は人間ももっと増えてるかもしれないしね!


「素敵な朝だね!類。今日も頑張れそう!」
「うん、じゃあ仕事に行ってきます!」



つくしのおでこにキス1つ・・・それは3月の天気のいい朝の出来事。



fin.


hashi.jpg
どこがホワイトデーだ!ってクレームは受け付けません(笑)
さて、どうしましょ。そういちろう目線・・・いるのかな?(笑)
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Comments 8

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2018/03/17 (Sat) 11:58 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/17 (Sat) 13:13 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/17 (Sat) 14:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

あらら!それは悲劇・・・。
私なんてもしパソコンが死んだらブログも出来ない(笑)

スマホって好きじゃなくて苦手なんですよね。
何度かスマホで修正したことあるけど、使いにくくて・・・。

こればっかりは仕方ないですよね!うーん・・・直ればいいですけどねぇ。


よもぎちゃん・・・さとぴょん様が確かコメント下さったんですよね?
よもぎかすぎなってどう?って・・・。その時からそういちろうの嫁はよもぎにしようと思っていました。

そうじろうにはもう(笑)これしかないですよね!
そうじろうとつかさの・・・激しい○○により元気な雛がそのうち・・・。

そこは間違っても書きませんけどね。

こんな風に鳥に嫁やら婿やら迎えて、この話、次はどうすんの?(笑)
どんな事件起こして類つくに持っていくの?私!!

超難しい宿題出ました・・・って感じです。

頑張ろう!!

2018/03/17 (Sat) 17:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

あやた様、今晩は♥

あはは!わかっていましたよ!そうじろう→そういちろう。
平仮名表記してるのでわかりにくいですもんね。こちらこそ申し訳なかったです。

そもそも”そういちろう”と付けた私が悪いのよ(笑)
この”そういちろう”って実はちゃんと私の仕事関係にいた人なんです。

秋のイベントの頃出会ったんですけど、私の担当したお客様が「宗一郎」さんだったのをどうしても「総二郎」に思えて、間違えて「西門さん」って呼んでしまったんです(笑)ホントの名字はもちろん違いますよ?

すごい間違いしてしまって恥ずかしくて!西門ってどこから来たんだ!みたいな・・・。花男知ってたら一発でバレるじゃん!って焦りました。

もう、それで「そういちろう」にハマってしまって・・・それで付けた名前なんです。


でね、実はあきらは既に出ております。マスターが福江島で飼ってるレトリバーがあきら君です。
これは「カフェラテに浮かべたメッセージ」の終りの方に出てるんです(笑)あれ?番外編だったかな?(笑)

ふざけたお話しで申し訳ありませんね。
読みにくくなったけど、リクエストに応えていたらこんなになってしまいました。

そういちろう目線・・・頑張ってみますね!

2018/03/17 (Sat) 18:22 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ミキッp様 今晩は!

安心していただけて良かったです(笑)
あっちがね・・・とんでもない事になってるから。もう、ホントにごめんなさいね!
(もう少し続くから・・・先に謝っておきます)

ふふっ!インコに迫られる類君可愛いでしょ?
私の中では類君は動物に好かれる人だと思うんですよね。

動物ってホントに残酷なほど人間の感情無視して自分の好き嫌いで行動しますもん。
嫌いな人には懐かないし、だからって媚びないし。

動物に好かれる人は「いい人」って勝手に思っていまして、それがF4の中では類君なんです。
いや、よもぎちゃんはただイケメンが好きだったんだと思いますけどね。

この設定でどんなお話しが出来るのか今、検討中です・・・しばらく待ってて下さいね。

今日もありがとうございました。

2018/03/17 (Sat) 18:32 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/17 (Sat) 18:45 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

え!忘れてたの?爆笑っ!!
よもぎかぁ・・・可愛いかもってずっと思ってたのに、この前急にSちゃんがでたからあれ?って思ったのよ。
でも、「つくしとよもぎって似てない?雰囲気が」って入れてたからもう変えられなくて(笑)

何となくごめんね?って思っていました。

ドキドキさせてごめんなさいね(笑)

ソウイチロウ目線・・・今、書き上がりました(笑)1話分だけ。
花男二次じゃないって!これ(笑)

2018/03/17 (Sat) 23:35 | EDIT | REPLY |   

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