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車の中はそりゃ空気が悪かったさ。

なんたってルイが俺の彼女とキスしたんだ。ツクシも見てるし。
思いっきり隣で隠れもせず浮気したくせにまだその子を抱いてる・・・いい加減膝の上に降ろせばいいのに!

「ヒドい・・・類ったら私以外の人とキスしてっ!ね、そういちろうさん!」
「ルイ、バイバイ!!」

ほら!ツクシだって怒ってるじゃん!
当たり前だ!人間の女に旦那を盗られたんならまだしもインコに盗られたんだ!もしかしたらこんな捨てられ方、ツクシだけじゃね?マジ、罪な男だ!可愛く「バイバイ!」って言ったけど、本当は車から突き落とそうかと思ったぜ!

いや、しないけどさ。


「なっ、なんて事言ってるの!これはこの子が勝手に寄ってきたんだって!ホントだよ、見てたでしょ?」
「それでもそういちろうさんの彼女とだなんて最低だわ!類ったらちょっと自分が格好いいからってインコにまで手を出さなくてもいいんじゃないの?呆れちゃう!」

そうだそうだ!言ってやれっ!ツクシ・・・あれ?ツクシ?

今度はツクシの方がクスクス笑ってる。
なんだよ・・・ツクシは浮気されても平気な女だったのかっ!怒ってるのが俺だけだったら俺のココロが狭いみたいじゃんっ!

「・・・クワッ、クワッ!」
「・・・うん、あのね、気持ちは嬉しいんだけど俺には奥さんがいるからさ、応えてあげられないんだよ。ね?君にはここにそういちろうがいるよ?仲良くしてやってよ。君の事待ってたんだよ?」

「ソウイチロウ・・・マッテタヨ!マッテタヨ!」
「・・・クワ」


なんで俺ん時は声が小さくてしかも反対向くんだよっ!!
それってめっちゃキライだって意思表示じゃねぇかっ!
よーーく見てみろっ!あんたと同じ種類はこっちだってーーーっ!!



行きはよいよい帰りは怖い・・・洒落になんねぇっ!


俺の気分なんかは無視してカヨサンの運転する車は花沢邸に戻った。
やっぱりこの子が離れないからルイが持って、俺はさっきと同じくツクシの腹の上に乗ってサンルームに向かったさ。よく見たらこの子、ぐりぐりルイに顔くっつけてるし。

イケメンなのは認めるけどさ・・・ルイに恋=失恋だぞ?こいつはツクシに夢中なんだから。


「類、そろそろその子をそういちろうさんに返してあげたら?ほら、ヤキモチ焼いてるよ?」
「いや、俺が離さないんじゃなくて、この子が離れないんだって!つくし、どうにかしてくれない?」

「もう、仕方ないなぁ!おいで・・・えっと、まだ名前つけてなかったね。なんて名前にする?」

あっ!そう言えばそうだよな!
名前を考えてなかった!

そうだな・・・可愛い名前がいいな。俺が古風な名前だから今時風なのか外国に通用するような名前ってよくね?
たとえば甘えんぼみたいだからシュガーちゃんとか、外人風にエミリーナとか!間違ってもツクシみたいに草っぽい名前はやめて欲しいな。俺、今でもツクシって言ったらあのマッチ棒みたいな形が浮かんで来るからな。

そうだな・・・えーと、えーと・・・

「名前?・・・そっか。名前・・・よもぎでよくない?」

「・・・よもぎ?」
「うん!つくしとよもぎ・・・ほら、何となく似てない?雰囲気がさ!」


だからそうじゃないってーーっ!!
その子を呼ぶのは俺なんだからっ!!
俺が呼びやすい名前にしてくれよっ💢!!
インコに草の名前つけんなっーーっ!しかも赤いしっ!



「雑草コンビって言いたいの?ま、いいか!・・・じゃあ宜しくね、よもぎちゃん!こっちにおいで?そういちろうさんがずっとあなたを待ってたんだよ?」
「・・・クワッ!」


よもぎも喜ぶなっ💢!!


あれ?既によもぎって呼んでる・・・・・・ま、いいか。

そしてツクシが名前を呼んでルイから離そうとしたけど、やっぱり降りてこようとしないんだ。とうとうルイの頭の上にまでよじ登って抵抗してる。そんな事したらルイの髪は柔らかいんだから部分的に禿げるぞ?
それにルイの髪にくちばし突っ込んでるけど人間には毛繕い、必要ないらしいぜ?

「よもぎ、だめだよ?言うこと聞かなきゃ・・・ほら、降りておいで?」
「・・・クワ」

さすがにルイもこの爪で頭皮マッサージは痛かったんだろうな。降りておいでって言ったら素直に降りてきたが、チラッと俺を見て・・・そのまま背中を向けやがった!
おい!よもぎ・・・いい根性してんじゃねぇか!

この俺にそんな態度とって、後でどうなるか思い知らせてやろうか・・・!あんまり好きじゃねぇけどこうなったら力尽くでも・・・!


「えっと・・・ほら、よもぎ。ここが今日からそういちろうとよもぎの部屋だよ?緑が沢山あって素敵でしょ?毎日ここでそういちろうと遊んでやってくれる?」

「クワッ!クワッ!」
「イラッシャイマセ!」

しまった・・・。
営業部長の時のくせが出て、思ってることと言ってることが反対だ。ツクシのこと言えねぇな・・・。

俺達はサンルームにある止まり木に連れて行かれて、初めて隣に並んだ。ルイ達も気を効かせたのか俺達から少し離れてベンチに座ってるけど、そうじゃなくてここから出ていくべきだろう!二人っきりってそういうことじゃね?
ルイは俺に見られてても気にしないみたいだけど、俺はこう見えて超シャイだからこういうとこ、人に見られたくねぇんだよな!

でも、少し近寄ってみようか・・・

女はこういう時、男から言ってきてくれるの待つんだよな?
気のない素振り・・・だけど実はココロの中でって・・・人間の見るドラマってみんなそうじゃん?

だけどルイの火傷を気にするツクシが、あいつの手を取って摩ってるの見るその目・・・マジ、女の目じゃね?

それを感じ取ったのかルイが慌ててつくしの手を引っ張ってここから出て行きやがった。ちっ!気を効かせるのが遅いんだって!



※注  ここからは お話しの都合上そういちろうとよもぎが日本語で会話いたします💦


誰もいなくなったサンルーム。何故か気まずいこの50㎝の距離。

俺はチラッと隣を見た。
よもぎ・・・ルイがいなくなったらしょんぼりしてすっげぇ下向いてんだけど。

「あのさ・・・改めて言うんだけど、俺、そういちろうってんだ。ここの居候・・・宜しくな」
「・・・何回も名前は聞いたわよ。私にはわかんないんだけど言葉、喋るんだね・・・」

「あぁ、まぁな。この屋敷に来る前は喫茶店で営業部長してたから。喋らねぇと仕事にならねぇんだよ」
「そうなんだ・・・エリートなんだね」

エリート?!この俺が?
まさかそんな風に言われるとは思っていなくて驚いた!コンゴウインコは喋る奴が多いからそこまで出来がいいわけじゃねぇけど?ま、違いって言えば普通は意味もわからず喋るインコがほとんどだけど、俺の場合状況判断して喋ってはいるけどな。

そういう意味ではエリートか?


「でさ・・・お前、ルイのことが好きになったのかよ・・・無駄だぜ?あいつ、ツクシのことが好きなんだから」
「そんなこと、あんたに言われなくても見たらわかるわよ!でも・・・名古屋にはあんな格好いい人いなかったんだもん」

「そりゃ、俺の知る限り東京でもルイほど格好いい男は見たことないぜ?だけどよ・・・所詮、あいつは人間だぜ?インコにはなってくれねぇし」
「バカじゃないの?人間がインコになってくれるだなんて思ってないわよ!」

よもぎはそう言うとポロッと涙を流した!うわぁっ!俺が泣かしたのかよっ!おいおいっ!
しかもさっきはエリートだったのにいきなりのバカ呼ばわり・・・女の気持ちはコロコロ変わるってホントだな!

インコは泣いたってハンカチとか出せねぇから貸してやるって言ったら肩・・・まぁ羽の付け根だけど、ここぐらいしかないんだよな。それでも自分の涙で自分の身体を濡らすよりはいいかもしれねぇしな・・・。


「ほら・・・そんなに可愛い顔して泣いてんじゃねぇよ。涙、ここで拭けばいいさ。遠慮すんな」
「・・・そういちろうさん・・・」

俺はグイッと身体を捻って羽の付け根んとこをよもぎの方に突きだした。

「仕方ねぇよ。ルイは変わった奴だけどいい男だし。あんたが一目惚れしても不思議じゃねぇ。でもな・・・完全な片思いで終るのは確実だぞ?それでも想い続けんのか?」

「・・・そう言われても、さっき燃え上がった気持ちは簡単には忘れられないわ!」


だよな・・・。
マスターだってそれで何年間も泣いたしな。

俺は「はぁ・・・」って大きな溜息をついた。
どうすることも出来ねぇよな・・・それが、恋ってもんだし。


「よもぎ・・・俺はルイのように格好良くねぇし、気も効かねぇけど泣いたお前の羽を乾かしてやることは出来るぜ?俺の背中で良かったらいつでも貸してやるからそこで泣けよ・・・。まぁ、背中で泣かれたら抱き締めてやれねぇけどな・・・」
「そういちろうさんっ!・・・うっ!」

「いいって・・・俺、こういうの慣れてるからさ。我慢強いって良く言われるし。ほら、気がすむまで泣けよ」
「うわぁーーーんっ!」

そうやってよもぎはずっと俺の背中で泣いてたさ。
その可愛い顔をぐちゃぐちゃにしてさ・・・わんわん泣いて、俺の羽がびしょびしょになって、地肌まで濡れて寒くなったけどさ。
それでよもぎの気が少しでも晴れたらいいって思ったんだ。


俺の恋はゆっくり始まってもいいんじゃね?
急に始まって冷めるよりは、その方が強い絆が出来そうじゃん。

そう思って、よもぎの気持ちが落ち着くのを持とうって決めたんだ。


きっと、よもぎもそのうち気が付く。自分がコンゴウインコだって・・・ルイにはその気持ち、伝わらないんだって。
そうしてまた傷ついたときは俺の背中を貸してやるよ。

その日はよもぎとの距離は50㎝から5㎝に変わったけど、くっつくことはなかった。



次の日の朝、寝ていた俺を起こしたのはよもぎの声だった。

「そういちろうさん、おはよう・・・」
「あぁ、よもぎか・・・おはよ。よく眠れたか?目、腫れてないか?」

「うん、大丈夫・・・あのさ、昨日背中を借りたから少し毛並みが乱れてるわ。ごねんね・・・あの、毛繕い、してもいいかな・・・」
「え?!あぁ・・・も、もちろん!頼むよ。自分でやったら首が痛くなるからさ」

「うん・・・じゃあ、ちょっと失礼・・・」

よもぎはそう言うと俺の背中にくちばしを入れて毛繕いしてくれた。
女のくちばしが背中に当たるってこんなにゾクゾクするもんかな・・・ルイやツクシがあんな声出すのも無理ないか!なんて思ったよ。すっげぇ・・・ザワザワして堪んなかった!

あんまりやられると理性がぶっ飛ぶと思って、今度は俺からもお返しに毛繕いしてやった。
そうしたら時々「あっ・・・」って色っぽい声出すからホント、心臓が痛いのなんのって!このまま押し倒しそうになるのを必死に堪えたさ!


そんな場面をまたあいつらは面白そうに覗いてやがる!

ま、いいさ!
俺だってそのうちよもぎのココロを手に入れて、ルイとツクシよりもアッツアツのカップルになるんだから!


「よもぎ、ありがと・・・・今日はいい朝になったぜ」
「そう?ふふ・・・私も素敵な朝になったわ。初めて隣に誰かがいてくれたんだもの・・・嬉しかった」

「よもぎ・・・?」
「もう少し待っててね・・・ルイさんを忘れるまで・・・」



あぁ、待つぜ・・・いつまでも。

でも、もうお前は俺に墜ちてるだろ?そう思うのは・・・この朝日のせいかな?




fin.



yjimage7.jpg

こんな話書いたの、私ぐらいじゃないだろうか・・・。
書きながらすごく悲しくなりました(笑)




souitirou5.jpg

つかさです(笑)
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Comments 10

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2018/03/22 (Thu) 12:07 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/22 (Thu) 13:29 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/22 (Thu) 15:11 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/22 (Thu) 17:08 | EDIT | REPLY |   
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2018/03/22 (Thu) 18:11 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

そう・・・何故か昭和な感じになるんですよ。
ただね、インコだからいいかなぁって思って。

もう一つ言わせてもらうと、私・・・2つ書いてるじゃないですか。
暗ーいヤツとハイテンションなヤツと。

で、ハイテンションなヤツはいいんですけど、この暗ーいヤツは今、ラスト辺りを書いてるとこなんです。
それなのに「そういちろう」を途中で書かなきゃいけないでしょ?
同じ類つくでしょ?・・・頭がおかしくなるんですよ(笑)


「ここで、山本がこう出るからつくしが泣いて・・・で、類は急いでこうしてああして・・・あっ!そういちろうも書かなきゃ!」

って感じなんですよね。それなのに・・・

「よもぎ・・・俺の背中で泣けよ」
「そういちろうさんっ!」

とか、急に書くわけですよ(笑)
で、最後の方はもうどうでもよくなってきて、「えーいっ!もう知らんっ!」って感じで終らせました。

そしたら・・・昭和になったの。

難しいわ~💦インコの恋愛物語!もう無理かも!!

それに空しさを感じて涙が・・・(笑)

2018/03/22 (Thu) 20:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

凪さん、今晩は♥

コメントありがとうございます♥

あはは~!!そうでしょうね!

もう書いてて悲しくなるのよ。本当はこんなインコの恋物語とか書く予定なかったのに!
お正月に思いついたのがいけなかった・・・。

いや、そもそもコンゴウインコに「そういちろう」って付けたのがいけなかったのよね(笑)
どうしてもあの話が忘れなれなくて、何か自分の話で「そういちろう」を残そうって思っただけなのに(笑)

空さんも喜んでくれたかなぁ・・・。

続編?あはは・・・みんなそればっかり言うわ~💦

2018/03/22 (Thu) 21:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

Charon 様 今晩は♥

初めまして!ご訪問&コメントありがとうございます!

えーと・・・(笑)数ある花男二次の中で・・・(笑)
このお話を花男二次の中に入れて下さってありがとうございます!!
類つくと認めて頂けるんでしょうか?あはは~!!嬉しいですっ!

自分で言うのもなんですけど、他には誰も書かないでしょうからねぇ・・・こんなの。
ホントに申し訳ないぐらいですよ・・・。
そして何故か人気者になってしまって(笑)

で、つかさ・・・ですかっ!

まだ登場回数1回ですからねぇ(笑)
私自身もこの番外編だけで精一杯で、まずは「カフェラテ」の本編の続編から考えないといけないので少々お待ち下さいね!
今回はよもぎを出すことだけを考えておりましたので。

意外とハシビロコウも人気者に・・・。

なんとか頑張ってみますね~!
今日はありがとうございました。今後とも宜しくお願いします!

2018/03/22 (Thu) 21:39 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、今晩は!

大丈夫です!もう増えませんっ!
あっ・・・子供が産まれたら増えるかもしれませんが、種類は増えませんよ!
私の方が混乱しますから(笑)

ホントはよもぎも出す気なかったんですが、前回の番外編の最後にあまりにも希望が多かったので
書いてみたんですが・・・ホントにどうなるんだろう(笑)

そういちろうにももっと言葉を覚えてもらわないと話せる言葉が少ないので苦労します💦

って言うか、そういちろう書く前に連載を大事にしなきゃっ!!
毎日が大慌てな私・・・1日3話は地獄ですわ(笑)

2018/03/22 (Thu) 21:44 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、今晩は!

あっはは!昭和っぽかったでしょ?
書きながら自分でも笑いが出ました。
こんな感じで何も悩まず書けるものは楽しいですねぇ!すごく早く書けますもん!

ただ、よもぎとの会話だけどうしようかな・・・って思って仕方なくあんな風にしましたけど。
これもこの話が最初で最後です!とてもインコの○○シーンなんて書けませんからね?

で、・・・雪?

これはもう謝るしかないですね(笑)
結構夜が辛いって言われるので朝起きてから読んでみてはどうでしょう?
素敵な1日にはなりそうにないですが・・・(笑)

もう少しの辛抱で、事態が変わってくるんですけどねぇ・・・。
向日葵より辛いんだろうか・・・?ってか、私が暗い話を書きすぎ?(笑)

でも・・・ごめんなさい(笑)
エンドは4月です。3がつは我慢して下さい!!・・・(逃げる)💦

2018/03/22 (Thu) 22:37 | EDIT | REPLY |   

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