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今回のSSはGReeeeNの「恋文」をイメージして書いてみました。

1月に凪子様からお話しをいただいたときにGReeeeNの曲を使われていたので、気に入ってしまいアルバムを購入。その中に入ってたこの曲を久しぶりに聴いて思いついたものです。
つい画面に夢中になりそうですがよかったら曲を聴きながらどうぞ・・・



***********



何て書こうかな・・・って悩んだんだ。一番初めの言葉。

だってさ、これから始めるんだから格好つけたいじゃない?でも、何も思いつかなかった。
だからすごく普通に一言だけ。

『あんたの事・・・好きになったみたい』

そう書いて、アンティークショップで見つけた洒落たガラスのキャニスターに入れたんだ。そして机の引き出しにそっと入れた。
まだ渡さないんだ。この瓶がこの紙で一杯になるまで書いて、もう入らなくなったらその時あんたに渡そうって思ってる。

毎日書かないからいつになるかな。それに小さな紙に日付と1行だけ・・・だから何年かかるかわからないね。


え?古くさいって?くすっ・・・だよね?

でもさ、ネットの文字やスマホのトークなんて誰が打っても同じでしょ?そういうのじゃなくて今の俺の気持ちで書くんだ。
荒っぽい日もあるかもね。ふざけた字の時もあるかもしれない。でも、真面目な日だってあると思う。

この一番初めのメッセージは・・・多分、すごく丁寧に書いたよ。だってさ、一番初めの気持ちだから。


**


『いつかさ、一緒に桜を見ようよ。あんたの膝枕で眠りたいな』


校庭の桜が綺麗に咲きそろった4月の初め、司と歩いてるあんたを見たよ。
たまに手を繋いでさ、嬉しそうにクルクル回ってるあんたを見たよ。その桜の花びらが俺には寂しいものに見えたけど。

心の奥の方に何かが刺さったみたいな気がした。そこに穴が開いて風と一緒に桜の花びらが吹き抜けるみたい。
・・・それでも見ていたかったんだけどね。

「道明寺、お花見しようよ!お弁当作るからさ!」
「ばーか!そんな貧乏人がするようなこと、この俺がするかよ。見たいならうちの庭にもあるだろうが!そこで見とけ」

「そうじゃなくて他の場所に見に行きたい!ねぇ、ダメなの?毎年家族でしてたんだよ?ねぇ、道明寺ってば!」

司が行かないって言ったお花見・・・結局行ったのかどうかは知らない。知りたくもない。

でも俺の頭の中ではさ、あんたと桜トンネルの中を歩いてるのは俺だったよ?
あんたの髪の毛についた花びらは俺のライバルみたいな気がしてさ、払い除けたらあんたは俺だけにその笑顔を見せてくれたよ。

家族でしていたお花見・・・俺がその中に入っちゃダメかな。


『一つの傘の中って二人だけの世界だよね。次の雨の日、迎えに行ってもいい?』


雨が続いてる。それでもあんたは嬉しそうだよね。だって司と傘の中で手を繋いでるんだから。
学校のみんなが見てる中、2人はいつもお構いなしに並んで歩いていた。

でもさ、知ってるよ?たまに喧嘩してその傘から飛び出してるの・・・決まってあんただよね?
それでずぶ濡れになって何処かのお店で雨宿りしてさ・・・俺、何回も偶然を装ってあんたの前に現われたでしょ?

くすっ・・・偶然なわけないじゃん。

いつもあんたの事、見てたからだよ?司も気にして探しに来るかもしれないからさ、早く見つけたフリして送って行ったんだ。
「花沢類はいつもピンチの時に来てくれるんだね」・・・いつだって駆け付けるよ。あんたのためなら。

だって俺の一部なんだから。

そして俺はあんたの事をこんな冷たい雨の中に出したりはしない。傘の中で肩を抱き締めてるよ。
喧嘩したって、意見が合わなくったって、行きたい方向が違ったって、歩く速さが違ったって・・・ずっとその手は外さない。

だから今度の雨の日は俺と過ごそうよって・・・今はまだ心の中でしか言えないけどね。


『水着姿にドキドキしたよ。太陽よりもあんたの方が眩しかった・・・今度の海は2人で行こうよ』


夏休みなんてなかったらいいのに。あんたのこと、毎日見られないなんて拷問だよ。

そう思っていたらあいつらから海への誘いが来た。もちろん断わったよ、初めはね?だってあんたがいるって言わないからさ。
だけどよく聞いたらメンバーにいたからさ、俺、慌てて「行く!」って総二郎に答えたんだ。
「なんだよ、変なヤツ!」って笑われたけどね。あんたの水着姿、本当は誰にも見せたくないんだけど、あいつらが見て俺が見ないなんて絶対に許せないだろ?

そしたらあんた、白いビキニなんて披露するんだから焦ったよ。ホント・・・心臓に悪かったんだよ?
波の中をバシャバシャ走って、子供みたいに浮き輪なんて持って。でも、その浮き輪を引っ張る司なんて見なかったけどね。
俺の目にはあんたが人魚みたいに波の間から顔を出すのが見えるだけ。

でも、あんた・・・俺の方見てるでしょ?時々振り向いて少し大人っぽい顔してる。
それって何を意味してるの?


「花沢類、日焼け止め塗ってあげようか?背中に手が届かないでしょ?」
「うん、頼んでもいい?」

司が睨んでるけどいいの?俺は・・・このままでもいいよ。あんたの手が俺の背中から離れないなら。
でもさ、あんたの背中にはまだ塗ってあげられそうにないね。

くすっ・・・だから、それはまたいつかの海でのお楽しみだね。


『秋桜の花言葉は調和なんだって。あんたと俺・・・すごく素敵なハーモニーを奏でられそう。隣にいたらね・・・』


夏が終った頃、早咲きの秋桜畑に行ったよね。あんた、また司と喧嘩したからさ。
約束を守れなかったのは司だけど、それって仕方がなかったんだよ?そういう立場だから。決してあんたの事をキライになったんじゃないよ?

でも、少し多くなってきたね。あんたとの時間よりも仕事の時間を優先することの方がさ。

「花沢類・・・少し、あいつの心が見えなくなったよ。どうしよう・・・あいつ、何処を見てるんだろうね」
「・・・見えなくなっても信じられるんならいいと思う。でも、見えてるのに信じられなくなったら・・・その時が終りじゃない?」

「私は何を信じればいいの?目の前が暗くなっちゃった・・・花沢類、どうしてかな・・・すごく寒いの」
「あんたは自分の心に素直になりなよ。でさ・・・寒いなら抱き締めてあげる。少しは暖かくなるよ。そしたら世界に色が戻るよ?」

初めてあんたを両手で抱き締めた。
少し震えてる身体を抱き締めた。

ね、いつかはその心ごと抱き締めさせてよ・・・俺、あんたを温める自信ならあるんだ。だって・・・大好きだから。

この時、すごく気持ちいい風が吹いて秋桜とあんたの髪と俺の髪と・・・みんな同時に揺れたんだ。
何故だろう・・・優しい曲が聞こえた気がしたよ。


『もしかして泣いてた?いつでも呼んで?俺の胸で乾かしたらいいよ・・・あんただけのものだから』


教室の窓から何を見てたの?

あんたが見ている方向に俺の目も自然と向かった。見えたのは司の車が走り去るところ。あぁ、今日・・・行っちゃったんだね。
何も聞いてないの?ね・・・あんた達、どうなってるの?話し合いが出来ないの?心を通わせてないの?

そんな顔しないでよ。「勿体ない」っていつも言ってるじゃん。あんたにはすごいパワーがあるんだから、それを消さないで?
それこそ勿体ないよ。俺はそのパワーをもらって生きてるんだから・・・。

「花沢類・・・あいつ、今日は何処に行くのかな」
「聞いてないの?司・・・今日からアメリカでしょ?来週までいないらしい」

「うん、話してくれないの。お前にはわかんないだろうって。黙って待っとけって・・・それだけ」
「そう・・・待ってること出来そう?辛くなった?」

「・・・辛いよね。どうやっても私は隣には立てないって感じるんだよね、最近・・・」
「今日は寒いの通り越して凍えてるみたいだね。鼻が赤いよ?泣いてたの?」

「わかんない・・・泣きたいような、気もしてる」
「じゃ、貸してあげる・・・おいで、牧野」

両手を広げたらもう泣きながら俺の胸に倒れかかったよね。
いくらでも泣いていいよ。そして泣き終ったらさ、あんたの好きなデザート食べに行こう?美味しいとこ、見つけておいたよ?

涙が乾いたら笑ってよ。俺のために・・・。


『寒そうだね。おいでよ・・・俺のコートの中はいつでも温かいんだよ?今なら指定席に出来るんだけど・・・』


本格的に司が仕事を始めたら、あんた・・・もう泣かなくなったよね。話はついたの?それとも我慢してるの?
今日も女子生徒から嫌味を言われる中、元気よく前を見て歩いてたね。ホント意地っ張り・・・なんだから。

そのくせ向かうのはいつも屋上の端っこって知ってるよ?非常階段に来ないでわざと行き先変えてるよね。
今日も1人で冷たい風が吹く中、その風に立ち向かうようにして屋上にいたね。

少し近づいたら、あんた、振り向きもしないのに俺だってわかったから声を出したんだ。


「花沢類でしょ?あたしは大丈夫だよ。そんなに心配しないで?寂しくなんてないから」
「・・・誰も何も言ってないよ。心配はする・・・あんたの得意技、空元気だから。寂しくないならいいけど心は寒そうだね」

「そんなに弱い女じゃないよ。寒いのには慣れてるの。平気・・・このくらい、何でもない」
「そう?でも、こうしたら温かいってわかると思うよ。あんた忘れてるんだよ。心の温度はね、少し高めがいいんだよ?」

後ろから俺のコートの中にあんたを閉じ込めた。


ほら、小さな声が聞こえる。

「花沢類・・・あったかいね・・・」




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2018/04/18 (Wed) 12:48 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、あっはは!爆笑‼️

流石パソコンが壊れただけのことはある!
チェックが出来なかったから‼️(笑)

ありがとうございました♥️

2018/04/18 (Wed) 13:00 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/18 (Wed) 18:23 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/18 (Wed) 22:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

凪さん・・・今晩は!

あはは!勝手にお名前を使ってしまった!ごめんなさいね!

バックに雪の結晶?それは1つ前の記事のことかな?
それなら問題はないと思うんだけど。

そうなのねぇ・・・雪が終ったと同時にパソコン・・・ってかキーボードが死亡しました。
本日電気屋さんに持って行ったら「使いすぎ」だって!
キーボードの下の部品が割れてるらしい(笑)

「すごい使い方ですねぇ!」って言われて恥ずかしかったよ。
Mが反応しないから「牧野」が打てなくてねぇ(笑)
持って行ったら他の文字の下も割れててダメだった。

スマホでも大丈夫でしょう!と、思うけど。
私はパソコンしか使わないけど他の方はしてるよね?だから大丈夫だと思います。

キーボード死亡により足を洗おうかと思いましたが「お母さん」に怒られました(笑)
とにかく頑張ります!外付けキーボードで!

2018/04/18 (Wed) 23:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

すごいハートマークでしたね(笑)
もしかしてキュンキュンした?この私の類君で?
一週間前には方向音痴だった類君がこんなになって戻って来るとは(笑)

そうなのです・・・実はこんな類君も本気を出せば書けるんです。
え?いつも本気出せ?ははは!・・・無理!

こんなの恥ずかしくてあんまり書けないんですよね~💦

ほんわかした3話、楽しんで下さいませ。

2018/04/18 (Wed) 23:09 | EDIT | REPLY |   

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