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司が帰国してきて4人で会うことになった土曜日。

牧野の予定が気になったけど無理に誘うわけにもいかず和真に西麻布まで送らせた。その店は暗証番号が必要な会員制のバーでたまに俺達が使う店だった。
奥の方に個室があり他の客と顔を合わせずに騒げるって事で、仲間内だけの飲み会の時には便利だった。

俺が店に着いたと同時に現われたのはあきら。
美作の車から降りてきて、いつもと変わらず片手をあげて気障に挨拶してきた。そこで何故か舞い上がる和真をさっさと追い返して俺もあきらの方に歩いて行った。

「よっ!あれ・・・今日は1人か?つくしちゃん、来ないって?」
「あぁ、予定あるってさ。誰となんの予定か知らねぇけど」

「へぇ・・・まさか男?ってことはないだろうな。あれからそんなに経ってないし、すぐに切り替えが出来そうな子じゃないし」
「振ったヤツが言う台詞か?あれだけ泣かしておいて!」

「・・・まぁ、お前がいるんだからいいと思ってさ」
「どういう意味だ、そりゃ!」


店内に入ると既に桜子も入れて3人は部屋にいると言われて奥の方に進んだ。いつものVIPルームのドアを開けて中に入ると懐かしい顔が2つ並んでいた。
相変わらず派手な桜子が司と類の間に座り、今にもキレそうな司と滅茶苦茶嫌そうな顔の類。桜子のお喋りに付き合いきれないって顔で遅れてきた俺とあきらを睨んだ。

「遅ぇぞ!誰を待たせてると思ってんだ!」
「そう怒るな!久しぶりだってのに。企業人になっても短気だな、司」

こんな時間からすでに強めの酒を前にして、相変わらず怒ったような顔で怒鳴ってる。
今では道明寺のトップなのにここに来ると途端に学生の時のように素の顔を見せる。普段のストレスも半端ないだろうから大目に見てやるけど今日も開口一番は「俺様発言」だった。

「・・・あきら、席変わって?俺、端っこがいい・・・」
「はいはい、んじゃ、変われ。桜子の相手をすればいいんだろ?」

「まぁ!なんて事を言いますの?花沢さんったら!まるで私が五月蠅いみたいじゃありませんか!」
「十分五月蠅い・・・耳が痛い・・・」

正反対に今でも年中寝てるかと思うような類は今日も半分目が開いてない。すでに眉根に皺寄せて不機嫌そうだ。このまま最後までこの席にいるかどうかさえわかんねぇマイペース。
それでも花沢物産のブレーンとして親父さんを助け、昼間は別の顔を見せてる・・・何考えてるか昔からよくわかんない男だ。
たまにすごいスピードで動くことがあるから驚かされることもあって油断ならない、静と動のギャップが激しいヤツ。


これで全員が揃ったってことで、もう一度酒をオーダーしようとした時に桜子が俺に話しかけてきた。

「あら・・・西門さん、今日はお一人ですの?彼女は?あとで来るの?」
「彼女?牧野の事か?・・・いや、あいつは今日は来ないけど。別のヤツと飯に行くんだってさ」

「え?うそ・・・ホントに?だって・・・」
「何がだってだ?お前、なんで牧野の事を聞くんだよ・・・俺に黙って会ってないよな?」

そう言うと眉間に皺なんか寄せて変な顔をしやがった。あきらといい、桜子といい、そんなに牧野の事が気になるのか?
こう言っちゃなんだがお前達以上に俺の方が気になってるっての!それを出さないように我慢してるのにイチイチ聞いて来んな!露骨に嫌な顔を見せると類がサラッとまた余計な事を・・・。

「総二郎、その子の事、好きなの?」
「はぁっ?そ・・・んなことはねぇよ。誰があんなちんちくりんを相手にするかっての!」

「西門はいいって言ってるの?」
「お袋は大賛成・・・って、だから牧野の事はいいだろう!ほら、酒飲めよ、酒!」

・・・その超真面目な顔して俺を見るのは止めろって、類!


**


「へぇ!それじゃ日本には5日しかいねぇの?そのあとはアメリカに戻ってすぐにインド?お前・・・大丈夫なのか?」

あきらや類とは会おうと思えば会える環境だったから自然と話題は久しぶりの司の事になって、それこそ大声で騒いでいた。
個室だから遠慮なしで、親の悪口さえ言いたい放題。

「知るか!ババァがなんでもかんでも俺に押しつけるんだよ!どんなところだか知らねぇがそこに1ヶ月ぐらい滞在すんだよ」

「インドって国が広いから言語も気候も文化も様々なんでしょ?俺はまだ観光しかした事ないけど。どこなの?滞在都市は」
「ガンバロール・・・だったような?」

「それ、バンガロールでしょ?いまだに弱いんだね、頭・・・」
「喧しい!類・・・てめぇこそいつからフランスだよ!」

「さぁ?言われたら行く。まだ言われてないだけ」
「花沢はのんびりでいいな!ってかお前のこと信用できねぇんじゃねぇか?何処行っても枕持ってそうだし」

「失礼な・・・昼間は起きてるし。司は今でも通訳必要なんでしょ?日本でも通訳つけたらいいのに。漢字読めないから」
「何だとっ!てめぇ!」

そして久しぶりに顔を出した類もいつものように無表情なんだけど、実はこれで結構楽しんでるんだ。昔っからわざと司を怒らせては揚げ足を取って喜ぶ・・・水と油みたいな二人なのに何となく息がぴったりの変わったヤツらだ。


「道明寺さんはご結婚は?急かされませんの?おば様に」
「はぁ?そんなもん、まだするかよ!冗談じゃねぇ・・・いつか自分で決めるまではしねぇよ」

「そう、じゃ花沢さんは?お見合いとかしないんですか?」
「しないかも・・・何回か言われたけどすっぽかして逃げたから」

「逃げたんですの?うふふっ!花沢さんらしいですわねぇ!西門さんは?この前またお見合いしたんでしょ?」
「・・・なんで知ってんだ?」

「・・・あ!あら・・・それは風の便り?・・・あっ!美作さん、お酒頼みましょ!」
「こら!桜子、誤魔化すな!なんで知ってるんだよ!・・・なんか隠してんな?」
「総二郎!デカい声出さなくてもいいだろう!座れって!」

その時に類の電話が鳴ったらしい。
俺達が五月蠅いから類はスマホを手に持って部屋を出ていった。


「どうして知ってるんだよ!あきらにも言ってねぇし、自宅でしたから誰にもバレてないのに!」
「いいじゃありませんか、そんなの今更でしょ?もう何回もしてるくせに今回だけ怒らなくったって!」

「桜子の言うとおりだな。で?その見合い、どうだったんだ?いい女だったか?」
「相手はいい女だったぜ?あきらには物足りねぇかな・・・2歳上だったな」

「しっかし西門もよくやるな!1回大暴れして打っ潰したらどうだ?力貸すぞ?」
「見合いのことか?司が言ったら西門を打っ潰しそうだな・・・」

「で?どうなんですの?そのお見合いの結果!」

答えないといつまで経っても五月蠅そうだから武田の見合いの事をこいつらに話した。小百合が好きな男と一緒になりたいから断わって欲しいと言いに来たこと、それを西門から武田に告げたら険悪になった事。つまりは纏まらなかったって結果だ。

「よかったじゃありませんか!でも・・・ぷっ!」
「総二郎と見合いしておきながら他の男を選ばれたのか・・・俺なら立ち直れないな。お前、平気だったのかよ」

「別に・・・元々纏める気なんかなかったんだからいいさ」

そう言ったとき類が戻ってきた。すごく変な顔して。


「総二郎、お前の従兄か来てる。すぐそこ・・・女の子と一緒に」

「は?俺の従兄?・・・誰だ?隼人?」

別にどうでもいいけど類がドアを開けたまま待ってたから仕方なく部屋を出てみた。
そこで見たものはボックス席で女の肩を抱いた隼人の姿・・・だけど、隼人が問題じゃなかった。


その抱かれてる女は・・・牧野?!


「よっ!総二郎。奇遇だな、同じ店で飲んでるなんて」

「隼人・・・と牧野?・・・牧野、なんでお前がここにいるんだよ!」

「なんで?なんでって・・・あの、その・・・」
「俺と飲みに行く約束したからに決まってるだろ?見てわからないか?邪魔すんなよ?」


隼人はそう言って牧野の髪にキスをした。
その瞬間、俺の全身の血が一気に熱くなって、気がついたら俺は隼人の方に向かって拳を作っていた!




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2018/04/27 (Fri) 12:51 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/27 (Fri) 15:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんにちは。

その歌誰だっけ(笑)歌は覚えてるけど歌ってる人忘れた・・。
(あきらの人は”阿部力さん”じゃなかったっけ?)

ここではおとぼけ類君で登場(笑)
しばらく類君がいろんなコトして遊びますのでお楽しみに~!
司君を上手く書けたらいいんですが、どうしてもわかんないから会話にならない。

修羅場・・・うん、ある意味修羅場(笑)
どんな修羅場かは・・・言えないけど。おいおいっ!って怒られるかも。

ゴールデンウイーク・・・旦那が8連休で私は更新がピンチです!
煩いからねぇ・・・毎日パソコンに向かってるから機嫌が悪いってもんじゃないです。

はぁ・・・溜息。

2018/04/27 (Fri) 17:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは。

そうそう、昨日から進んだのはそこだけ(笑)
どうするんですかねぇ!

1,総ちゃん、隼人に殴りかかる。
2,総ちゃん、逆に隼人に殴られる。
3,5人の男の大乱闘。
4,つくしの飛び膝蹴り。
5,桜子の瓶による頭殴打。
6,類は逃げる。

該当すると思われるものに○をつけましょう。(5点x2)

テストかっ(笑)


この日の夜が終わるのは64話辺りかな?長い夜が始まりました。はははっ!

類のパーティー(笑)
皆さん、よく読んでるのねぇ。まぁ・・・それもいずれ(笑)

2018/04/27 (Fri) 17:59 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/27 (Fri) 21:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは🎵

えーと……(笑)
ごめん!この中に正解がなかった‼️(笑)

ふざけて書いたけど、答えられないよー!(笑)
近いのは4と6……かな?

更新をお待ち下さい🎵

2018/04/28 (Sat) 00:11 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/28 (Sat) 15:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは。

あはは!やってしまいましたねぇ・・・何度殴ったら気が済むんでしょ。
前作は類も総ちゃんもおとなしめなつくしちゃんを書いていたので、なかなか気分がいいです(笑)
(茶と華と、は例外ですけどね)

怒鳴り合っての告白(笑)
いやいや、まだこの2人は意地張りますから長いですよ?ふふふ、楽しんでいただけたら嬉しいです。

で、わんこ様、同じコメントがもう一つあったので申し訳ございませんがそれは削除いたしました。
宜しくお願いいたします。
(もしかしたら55話の方を消したんでしょうか・・・?もう確認が出来ないのでごめんなさい。)

2018/04/28 (Sat) 16:31 | EDIT | REPLY |   

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