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牧野が必死になって類にスマホの画面の説明を求めてるが、両隣の説教が五月蠅い上に僅かとはいえ音楽も流れてて会話は全くわからなかった。
たまに俺を見てニヤリとする司・・・そのうち時計に目をやると残念そうに眉を顰めた。

「悪ぃ・・・タイムアップだ。ヨーロッパとのテレビ会議の時間になった。店の外に迎えが来てると思うから帰るな」
「司、今から仕事なのか?酒飲んでるだろ?大丈夫なのか?」
「道明寺さん、お姉様にもよろしくお伝えくださいね!今度新作お持ちしますから!」

あきらが心配して声をかけたが顔色一つ変わってねぇし。俺達の中で酒に弱いやつなんていないから席を立ってもふらつきもしない。それに比べて何を飲んでるんだか、すでに真っ赤になってる牧野の方が気になった。

「たいして飲んでねぇよ。4~5杯飲んだからって差し支えねぇし。じゃあな!」
「おぉ・・・また帰ってきたら集まろうぜ」

司にはそう声をかけたけど、類に至っては何一つ動かない。
ずっと頬杖なんてついて牧野を独占してやがった。


司が出て行ったすぐ後、急に類が牧野の手を引いてカウンターに移動するって言い出した。

「ごめんね、向こうで話してくるから。3人でワイワイやっててね」

「類!・・・全く自由な奴だな!少しは協調性を持てっていつも言ってんのに!」
「無駄ですわ。あれが花沢さんですもの。牧野さんのこと、随分と気に入ったんじゃありませんか?」

「は?気に入ったって・・・類が?あいつを?」

確かにあの人付き合いの苦手な類がわざわざ自分から進んでカウンターに女を連れて行くなんて珍しい・・・牧野のことが気に入ったって?おかしくねぇか?・・・出会って数分後、この俺を殴った女を気に入るのか!

類は俺のことを気にしたのか個室のドアを開けたままにして、ここから見えるところに牧野を座らせて自分も当然その横に座った。
俺から見えるのは類の表情で牧野は背中を向けている。
なんとなく類がわざとそうしてるように感じた・・・理由なんてわかんねぇけど。


**


「あの、花沢さん・・・急にどうしたんですか?・・・いいの?勝手にこっちに来て」
「ん?いいと思うよ。このぐらいしないとわかんないし、もしかしたらもうちょっと手を加えないと認めないかもしれないからね」

「なんの話ですか?」
「見てたらわかるよ」

そう言って花沢さんは私にすごく近寄って話してくる。その距離が近すぎてドキドキするんだけど!それにあんまりにも綺麗すぎて怖いぐらい。
この距離は前に美作さんとカウンターで飲んだ時よりも近いよね?隣を見ることもできずに出されたカクテルを飲んでいたら、アルコールのせいかもしれないけど心臓がバクバクしてる。

「牧野って綺麗な手、してるんだね。ね・・・指輪なんてつけないの?」

いきなりの”牧野”呼び捨てにも驚いたけど、指輪の指摘には焦った!気になるよね・・・指輪だけないってのも。
でも、西門さんが買ってくれたのがピアスとネックレスなんだもん・・・さすがに指輪は?って言えないし。

「え?そんなもの持ってないし手が綺麗なんて言われたことないですよ?西門さんの手の方が綺麗ですって!花沢さんも・・・綺麗ですねぇ」

「そお?ね、手相見てあげようか?出して?」
「え?わかるんですか?」

「いいから・・・出して?」

言われるがまま手を出したら私の手をそっと持って、自分の顔に近づけてる。もう少しで美作さんみたいにキスされるんじゃないかってドキドキする・・・でも、なんだかやけに楽しそうに見えるんだけど?
手相見てるっていうより、私の掌に悪戯書きしてるみたい・・・この人何考えてるんだろう?多分、私・・・変な顔してるよね?

少し顔を覗き込んだら目が合って、私の眉間の縦皺にぷっ!と吹き出された!

「ねぇ、花沢さん!手相なんて見てないでしょ?ちょっと遊んでますよね?」
「あはは!そんなことないよ?えっとね・・・長生きするみたい。心臓に毛が生えてるってさ!」

「えっ!長生きはわかるけど心臓に毛が生えてるって占いとかありましたっけ?」
「なかった?うそ・・・じゃ、違うのかな?でも、楽しい人生が送れますって出てるよ?」

「どこ?どこの線がどうなってたらそれがわかるの?」
「ここ・・・ほら、ここの線」

「・・・ここって頭脳線じゃないの?」
「そうだっけ?」

私の手を持ったままクスクス笑ってる・・・その無邪気な笑顔につられて私も笑ったら後ろの方からすごい視線を感じた。何だろ?って振り向いたら、西門さんが席を立ってすごい顔で睨んでた!
だから驚いて反対側を向いて知らん顔して、花沢さんもそれを見ていたのか私の手を離して顔の向きを正面に戻した。

「ね・・・総二郎が本邸で抱き合ってたって言ったでしょ?どうしてそんなことになったのか確かめたの?」
「え?そ、そんなの確かめませんよ。だって抱き合うって言ったらその・・・そういう気持ちがないと抱き合わないでしょ?」

「そうかなぁ・・・牧野は総二郎にぶつかったり、何かで助けてもらったことはないの?」
「足が痺れて立てなくなったときに蹌踉けて倒れかかったことはありま・・・え?」

「くすっ・・・そうなんだ。へぇ・・・そういうこともあるよね?」


・・・・・・あれ?

もしかして、私・・・なにか勘違いしてる?抱き合ったんじゃないってこと?

「花沢さん・・・何か知ってるんですか?西門さんからお見合いのこと聞いてるの?」
「ううん。さっき中で話してたんだけど俺、電話が鳴ったから途中で席立ってるしね。総二郎の見合いの結末は知らない」

もう一回個室の方を見る勇気が出ない。
どうしよう・・・私、何かすごい間違いをして変な態度取り続けたんだろうか・・・。
振り向きたいけど振り向けなくて、ウズウズしてたら、また花沢さんが顔を寄せた。


「ね、牧野。この店から2人で出ない?」
「・・・はい?」


************


あきらと桜子の話なんて全く耳に入らない・・・俺の視線はカウンターの2人に向かっていた。
何でかって・・・あの類が牧野の真横にぴったりくっついて話しかけてるからだ。
あいつがそんなことするのも確かにレアなことだけど、あの顔を至近距離で見たらあきらの時と同じことが起きるんじゃないかと思うと気が気じゃなかった。

類の方が顔立ちは日本人離れしてるし、ただの寝太郎のクセにそれがミステリアスだと勘違いされて”王子様”扱いされてやがる。今まで何人もあの目にヤられてるけど、あきらと違って女に興味がないから彼女が出来たことはない。
こいつが俺達4人の中では1番結婚に縁遠いんじゃないかって俺は思ってる。

花沢物産唯一の跡取りだからそうも言ってられないだろうけど、こいつが誰かと恋をするなんて・・・犬なら考えられるって思うぐらいだ!


「総二郎・・・だから、気になるならお前も行けよ。はっきり言って鬱陶しいんだけど」
「そうですわ。なんで私たちがそんな顔してる西門さんを挟んでお話ししなきゃいけないんですの?」

「気にするな・・・俺のことはいないものと思って話しとけ・・・あ!」

ちょうどあきらと桜子が俺に文句を言ったとき、類が牧野の手を取った!
そして自分の手を重ねて・・・牧野もその手に近寄ってく?

なんで類は笑ってんだ?牧野の掌に何書いてんだ!・・・ってかあいつはどんな顔してんだよ!まさかニヤニヤしてねぇだろうな?俺だってそこまでやったことないのに・・・そんなに長いこと持った事なんて記憶にない!
そしたらもっと2人が近づいて、類が牧野を引き寄せたように見えた!

何やってんだーーっ!!
まさか類まであきらと同じことを?牧野の手にキスでもする気か!

思わずガタンと席を立ったら、牧野もこっちを見たけどすぐに知らん顔して類の方を見た!


「もう放っとこうぜ。だめだ・・・こいつ、自分のことだけは全くわかってないんだな」
「プレイボーイ形無しですわ。もう早めに夜の街から引退した方がいいですわね」




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2018/04/30 (Mon) 13:41 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/30 (Mon) 15:05 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/30 (Mon) 18:00 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは

類君なかなかやるでしょ?面白がっております。ぷぷぷ!
まだまだ類君が遊ぶのでそこの総ちゃんも笑っていただけるといいんですが。
いや~!こんなに総ちゃんを情けなくしていいんでしょうか(笑)

でも、一番書きやすいのはこういう総ちゃんです。
なのでもう少し苛めます。

総ちゃんとつくしが仲良くなるのはまだ先ですかねぇ・・・。
急にはくっつけませんよ?ふふふ!

2018/04/30 (Mon) 21:44 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、こんばんは。

いえいえ、コメントの件は大丈夫です。私が一件削除しなければ良かったんですが本当にごめんなさいね。

総ちゃんとつくしがお互いに自分に素直じゃないんでドタバタしております。
そろそろどうにかしないといけないので全員集合です(笑)
誰かの手を借りなきゃいけないだなんて総ちゃんにしては情けないですが。

前作がシリアスだったので思いっきり元気よく書きたかったのでこんな風になりましたが
そろそろラブ度も上げていこうかと思っています。

このままループだと確かに私が疲れますので(笑)
エンドに向けて動いていきます。
どうぞ宜しくお願いいたします。

今日もコメントありがとうございました。

2018/04/30 (Mon) 22:27 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは!

あっはは!バレてる?司の登場時間(笑)
だってねぇ・・・ほら、私だから。
書いてもいいけど司君にならないのよ(笑)誰?これ?ってなるから早々にお引き取りを・・・。

類のその話はこの前のチャット会を思い出したんで書いてみました(笑)
犬は参加するのよ・・・一緒に交ざろうとするのよ(笑)

いやだーーっ!想像しちゃう!ごめんね、類君っ!

さてさて、この後何処に行くか?総ちゃんがどうするか?
まだこの日の夜は長いぞーーっ!

って事で待っててくださいね!

2018/04/30 (Mon) 22:32 | EDIT | REPLY |   

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