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今回のSSはGReeeeNの「恋文」をイメージして書いてみました。
つい画面に夢中になりそうですがよかったら曲を聴きながらどうぞ・・・




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司が完全にアメリカに移って牧野との距離が開いた。
司は牧野の事を諦めたわけじゃないって言うけど・・・牧野の方がゆっくりと手を離し始めた。
しっかり繋がれていた2人の間の糸はどんどん細くなっていったから。

北風が冷たくて、雪が降って・・・街が凍えてしまいそうな季節には、とうとうプツンと切れてしまいそうなところまで来ていた。
もう、それを必死に手繰り寄せようって・・・あんたはしなくなっていたよね。


『今日、少し俺のこと見てたよね?知ってるよ・・・あんたの事、俺は見逃さないから』


冬が過ぎて俺達は1つ、学年を上げた。司は退学届けを出したらしい。
司がいなくなってから、あんたはもう他の生徒からは何も言われなくなって、むしろ始めの状態に戻っていた。友だちもいなかったあの頃と同じ。目立たないように息を殺して教室の隅っこで1人、教科書と睨めっこしてる。

今日、もう終わりかけの桜の花びらが舞い落ちる中、あんた大勢でメディアホールまで歩いてたよね。
みんなが誰かと話しながら歩いてるのにたった1人で教科書抱えてさ。

俺が少し離れた通路を歩いてるの・・・チラッと見たでしょ?くすっ・・・だって一瞬足の動きが止まったのを確認したよ?
3秒間立ち止まって、また動き出したんだよ。その時俺は桜の花びらを目で追うフリをしてあんたの方に顔を向けた。

そしたら・・・また見てくれた。ほら、全員が行ってしまったよ?
フワッと風が吹いて桜の花びらを一気に舞い上がらせたら、慌てて走って行ってしまった。

「授業なんて行かずにこの花びらの中を駆け抜けてこっちにおいでよ」・・・なんて、桜が伝えてくれたらいいのにね。


桜が伝えてくれないから放課後あんたを待っていた。

「牧野、一緒に帰らない?まだ少し桜が咲いてるとこ知ってるんだ。今から行ってみない?お花見しようよ」
「・・・うん!行く。どうして知ってるの?私がお花見好きなこと」

どうしてかって?・・・あんたの事を誰よりも見てるから、だよ。


『好きだって言ってよ。もうずっと待ってるよ?俺の心はあんたで一杯なんだから。早くしないと溢れ出すよ?』


「夏休み・・・どうしようかなぁ!バイト以外なんにも予定がないの。つまんない!」
「そうなの?じゃあ俺と何処か旅行に行く?」

「・・・え?いや、それは無理でしょ?もう!花沢類ったら!」

どうして無理なの?そんなに慌ててジュースを飲まなきゃいけないほど驚いたの?
司とのこと、終ってしまったって聞いてるよ?


学年が上がってからあんたの横は毎日俺だったのに、実はまだ50㎝隣しか歩いてくれないんだよね。その距離、短くする気はないのかな・・・。
気が付いたらいつも一緒に帰るようになったのに。
俺の車に初めて乗ってくれたのもあんただったんだよ?

大学のランチ、俺以外の人と食べたことないでしょ?今度は花沢かって悪口言われてるみたいだけど、あんた、迷わず俺の指定席に来てくれてるよね。カフェテリアの一番端の窓際の席。

今日も嬉しそうに笑顔で走って来る。どうしよう・・・もう限界かも。

「お待たせ!花沢類」
「うん、すごく待ってる」

「え?・・・そんなに待ってたの?ごめんね?」
「待ちすぎて我慢出来ない。もう待てないかも」

「うそっ!待っててくれないの?そんなに怒ってるの?」

「ね・・・俺の事、好きって言って?」


ぷっ!あんたのその顔反則!
そんなに大きな目で、ポカンと口開けて、全身が止まって・・・でも、心臓だけは爆発しそうだったでしょ?・・・俺もだよ。


『キスしていい?明日もあんたが俺の横にいたら絶対にすると思うんだけど、怒らないよね?』


俺に急かされてやっと「好きだよ」って言ってくれた。ね・・・どれだけ嬉しかったかわかる?
並ぶ距離が一気に縮まって手を繋げるようになった。あんたの肩が俺の腕に当たるぐらい近づいて、あんたの足で俺が躓くぐらい隣を歩いてる。

でも、まだ近づけてないものがあるんだけど・・・あんた、すごく照れるから。


「ね、買い物に行こうよ。俺、欲しいものあるんだよね」
「どこに?何を買いに行くの?」

「牧野とお揃いのもの・・・ダメ?前から憧れてたんだけど。恋人が出来たら同じものつけたいって・・・我儘かな?」
「ふふっ!我儘じゃないよ。でも、高いものはダメだよ?私が困るから」

俺が選んだのはお揃いのネックレスとピアス。
ネックレスはリングを通したもので表面にお互いの名前が彫られたもの。そこに誕生石を2人分並べるんだ。
アクアマリンとタンザナイト・・・アクアマリンは愛と幸福のお守りと言われるし、タンザナイトは気分を前向きにして人生を良い方向に導く石だから。ピアスは牧野には揺れるタイプで俺のはリングタイプ。

ネックレスは特注だったけどピアスは持って帰った。
だから車の中で「つけてあげるね」って言うと恥ずかしそうに髪を耳にかけた。

つけてあげるためにすごく近くに顔を寄せたら・・・20㎝ぐらいのところで目が合った!

「あ!ごめん・・・目、閉じとくね!」
「・・・閉じとくの?じゃあ・・・そのままにしといてね?」


目を閉じてる牧野の顔を手でそっと持って・・・初めてのキスをした。


『今日・・・離れたくないな。朝まで一緒にいて?平凡だけどそれしか思いつかない』


牧野のアパートに行くようになった。でも、まだその日のうちに帰ってる。
お互いに次の一言が出ないって・・・そんな日が続いてた。

その日はすごい雨だった。

晩ご飯を食べたあとの8時過ぎ。車を降りて部屋に飛び込むまでに2人ともずぶ濡れでさ、部屋に入ったらバスタオルで全身拭かなきゃいけないぐらいだったね。
牧野はバスルームで着替えてたけど、俺には着替えがなくて「これでいいよ」って、濡れたTシャツを脱いでバスタオルを肩からかけてた。

バスルームから出てきた牧野は上半身裸だった俺を見て真っ赤になってキッチンに逃げたけど・・・だって仕方ないじゃん?

その時、ピカッ!って真っ白に近い閃光が窓の外に見えたかと思うと、ドーン!って雷が鳴って同時に真っ暗になった!
この近くに雷が落ちて停電、窓の外の光も全部消えてしまったんだ!

「きゃあぁーっ!いやああーっ!怖いーっ!」
「牧野、大丈夫だって!ただの停電だから・・・」
「やだやだ!雷キライ!やだぁーっ!」

え?・・・雷がダメなの?
キッチンの隅で踞ってしまった牧野を抱き締めようとしたら、逆に夢中でしがみついてきた!

でもさ・・・俺、半裸なんだけど。
そしてあんたも髪が濡れてるし身体は冷たいし・・・。肩からかけていたバスタオルがスル・・・って下に落ちて、あんたの顔が俺の胸の上に乗っかっててさ。そんな中で理性なんて保っていられない・・・気が付いたら両手があんたの背中に回ってる。

「あ!ごめ・・・」
「ダメ・・・逃げないで?このまま・・・このままがいい」

その時また雷が落ちて、すごい悲鳴をあげたあんたの両手が俺の背中に回ってそこに爪を立ててる。


「牧野・・・今日はここにいてもいい?こんなあんたを置いて帰れない。俺が抱いてたら怖くないよ・・・ね?一緒にいよう」
「花沢類、それって・・・」

「うん・・・そういうこと」


初めて1つになったのはすごい雨と雷の日の・・・あんたのアパートだったね。





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Comments 4

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2018/04/19 (Thu) 08:09 | EDIT | REPLY |   
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2018/04/19 (Thu) 11:34 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様 こんにちは~!

おおっ!素敵、いただきましたーーっ!!
私の類君がーーっ!

いや、もしやPVの方?・・・まさかの?

えーと・・・私も頑張ったんですよ?たまには書けるキュンキュン類君です♥
明日もキュンキュンしていただけると・・・いいんだけどな!

2018/04/19 (Thu) 12:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・こんにちは!

あっはは!太文字効果、すごいでしょ(笑)

これを夜に類君が書いてるんですよ~♥
つくしに内緒で書きためてるの。ふふふ・・・この辺りは喜びで字が飛び跳ねてるんじゃないでしょうか?

雷の中で・・・時々光る中で・・・声もかき消されて・・・さぁ、頭の中で想像して下さい。ははは!

2018/04/19 (Thu) 12:11 | EDIT | REPLY |   

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