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花沢さん以外が全員微妙な顔をしてる時に戻ってきた桜子さん。
少しお酒が入ってるのか会場に来た時よりもほんのり顔が赤くて色っぽい。

「あら!お友達でもいらっしゃったの?・・・あれ?西門さん、どうしたの?怖い顔して」
「桜子さん、お帰りなさい。えーと、こちらは京都からいらっしゃった四王司聡さんって方と、総二郎さんの許嫁の天澤穂華さん、ですって!」

「あら~!そうなのぉ・・・・・・えっ?許嫁っ?」
「だから!つくしもそこで余計な紹介すんな!これはガキの時のふざけた口約束だろう!俺は覚えてねぇんだから!」

そうはいってもこの状況で私が笑えるはずがない。
そりゃそんな子供時代の口約束が18年経っても有効かどうかって言われたら怪しいし、それを本気で今まで信じてる穂華さんの方がどうかしてると思うけど?
だけどやっぱり面白くないじゃない!目の前の彼女がこれだけ綺麗なら尚更でしょ!

しかも何故か自信に満ち溢れてて、何となくだけど自分が正式な婚約者で私がすでに愛人っぽい言われ方してない?
確かに総二郎の話も聞かずに自分中心に話を進めてる感も否めないけど。


そんな空気の中で急に桜子さんが四王司さんの真横に行って、少し身体を預けるようにしてウインクした!
ひえ~!これがさっき言ってた世の中の男は自分のものってヤツ?悩殺的な眼差しとその首の傾け方!思わず参考にしようかと思ってスマホで撮ろうかと思ったら総二郎に「やめろ!」って怒鳴られた。

「四王司さんって素敵なお名前ですのね。お仕事は京都でしかされませんの?東京に来ることは?」
「あっ!え、あの・・・そうですね。京都の観光事業に携わっておりますので、東京にはそんなに・・・あの、近いんですけど」

「あら・・・近すぎるのはお嫌い?」
「あ、あの、あなたのパ、パートナーの方に申し訳ないので・・・」

「あら、いいんですのよ?今日の桜子のパートナーは西門さんですもの。もう誰が相手でも他人のものですから何の興味もございませんわ」
「え?西門さんがパートナー?どうなってるんですか?花沢さん!」

「俺にもさっぱりです」
「何言ってんだ!類のせいで訳わかんなくなってるんだろうが!」


もう・・・頭が痛い。

でも、今度は穂華さんが私じゃなくて桜子さんに凄く冷たい視線を送っていた。
それに振袖の中の手が震えてる。それは私が総二郎の彼女だって話したときにはしなかった仕草だ。なんで桜子さんを見てそうなってるの?

私がそれをじっと見ていたら穂華さんがハッとして2人を見るのをやめた。
そしてまた冷静な顔に戻って私の振袖について質問をしてきた。

「その振袖・・・西門のおば様のものでしょう?古いお写真で見たことがございます」
「え?あぁ、そうなんです。少し前に足を痛めたのでハイヒールが履けなくなっちゃって、それでドレスが着られないからって貸してくださったの」

「穂華。お前には悪いがそんな昔のことだったら覚えてねぇや。この着物見てもわかるだろうけど、つくしは両親公認の俺の婚約者・・・ってまだ正式に発表してないから口には出せないけど、そういう女だからさ。いつまでもガキの頃の話にしがみついてねぇでお前もちゃんと恋人作れ。いいな?」

総二郎がそう言ってくれたけど穂華さんがそれに答えることはなかった。
彼をチラッと1度見ただけですぐに私の目を見て、今度は口調が強いものに変わってきた。

「私は幼い頃より総二郎様の妻となることだけ考えて暮らしてきましたの。貴女がどういう理由で西門のおば様の振袖をお召しになっても自由ですけど、この私がおりますからどうぞ西門からお立ち去りくださいませね。今日のことは忘れて差し上げます。そのぐらいの度量がないと総二郎様の妻にはなれないと両親からも言われておりますし」

「・・・は?立ち去る?」
「穂華!いい加減にしろって!」

どうして急にこんなに強気になったの?
今まではそんなことなかったじゃないのっ!

「総二郎様はこのように仰ってますけど一乗寺のお爺さまが私の味方である以上、貴女に勝ち目はございませんよ?西門のおじ様もおば様もお忘れかもしれませんけど天澤家は本気ですわ。それに子供の時の話と言われますけど、今までに何度かおば様にもお話ししてますわ。その度に『大きくなったらねぇ~』ってお答えでしたけど。もう十分大きくなりましたでしょ?」

「家元夫人がご存知なの?でも、私はその家元夫人に頼まれて西門に入ったんだけど?」

「おば様の気紛れでしょ?よくご覧になって?どちらが総二郎様に似合うか・・・一目瞭然じゃございませんこと?」

そ、それを言われたら完全に負けてる・・・!生粋のお嬢様に勝とうったってそりゃ無理でしょうよ!
でも私はそんなんじゃなくて、総二郎に「心」で選んでもらったって思ってるんだもん。そんな勝負、初めからする気なんてないわよ!
そうだよね?総二郎!って彼の顔を見上げた。そしたら軽く頷いて私の前に出てくれて、当然援護をしてくれると思ったのに!


「穂華、確かにつくしはお前と比べたら気品も見た目もプロポーションも負けてるかもしれねぇけど俺はそれでもいいんだよ!俺はこいつの・・・」

「はぁっ!何ですって!ちょっと、それどういう意味よ!」
「総二郎・・・それはないんじゃ・・・」
「西門さん、言葉が違いますわ!」

私たちの叫び声に総二郎が「は?」って顔して振り向いた。
それでもいいってどういうことよ!その言い方ってなんだか我慢してるみたいじゃないの!

「え?何処が変だった?間違ってねぇよな?ってか話が途中・・・」

「そうじゃないでしょうよ!それでもって何よ!負けててもいいってフォローになってないじゃん!」
「総二郎・・・どうしていつもそうなの?」
「西門さん、比べちゃダメじゃないですか!」

このとき穂華さんがくすっ・・・って笑って私の方に哀れんだような目を向けた。

私はやっと西門に入る決心を固めて勉強しようって、総二郎の手伝いが出来たらって思い始めて、この先も総二郎と一緒に西門を変えていこうってテンションあげて来たとこなのに!



「もういいわ・・・花沢さん、帰るわよ!」

「えっ!もう?」
「はぁっ?!つくし、なんで類と帰るんだよ!」
「西門さん、ちょっと落ち着いてっ!私を置いて帰るとかナシですわよ!私はまだ挨拶する人が残ってるんだから!」

「離せ、桜子!・・・あっ!待てって、つくしっ!こらっ!」
「じゃあね、お先にっ!」
「待って、牧野!それでは四王司さん、またいつかっ!」

「あっ、花沢さん、お元気でーっ!」


待てって言われても待つもんですか!
許嫁と仲良くやりゃいいじゃないの!ってブツブツ言いながらホテルのロビーに向かってズンズン歩いて行った。
振袖の裾がバンバン開いてる気もするけどお構いなし!この姿が完全にお嬢様じゃないってバレるんだろうけど関係ないもん!花沢類がクスクス笑いながら真後ろからついてきて、この人はむしろ楽しそうだし、あぁっ、それもムカつく!


「牧野、足は大丈夫なの?あれだけ腫れてたのに元気だねぇ!」
「あんなもの3日あれば治ったわ!そうよ、あの時はあれだけベタベタしたクセになんなのよ!許嫁だなんて!」

「そんなにベタベタしてたの?くすっ・・・でもさ、さっきも総二郎の話、途中だったよ?大事なとこ聞き逃がしたんじゃない?」
「・・・え?そ、そうだったかしら!いいのよ、あんな人!」


まだそんな関係にもなってなくて、ホント言えば自信もなかった。
そんな時に現れた美人の自称許嫁に圧倒されて自分から逃げちゃった・・・そんなことはわかってたけど言葉の方が止まらなかった。

花沢さんに無理言って先に会場を出て、待ってた花沢家の車に乗ったら途端に大粒の涙。
ハンカチで顔を覆ってわんわん泣いたけど花沢さんの腕は背中止まり・・・前みたいに慰めてはくれなかった。


「バカだね・・・また心が余所見しちゃったの?もう牧野が泣く場所はあいつの所だから俺はここまで。よく話し合いしな。そうじゃないと本当にあの子に盗られちゃうよ?」
「・・・・・・」

「それに何処かおかしかったじゃん、あの子の態度も話もさ。よくわかんないけどみんな素直じゃないよね」


結局総二郎を会場に置いたまま本邸まで送ってもらった。でも、今日はここの部屋には戻れない・・・。
「じゃあね」って花沢さんと別れた後、玄関から入って自分の部屋に行ってマンションのキーを持って来た。

そして振袖のまま、またトボトボと玄関まで向かっていたら家元夫人に出会ってしまった。

「あら!つくしちゃん、早かったのねぇ。総二郎さんは?お部屋にいるの?」

「・・・ごめんなさい。私だけ先に帰ったんです」
「え?どうかしたの?・・・つくしちゃん、泣いてるの?」


「家元夫人・・・私、マンションに帰らせていただきます!ごめんなさいっ!」
「ええっ!どうしたの?何があったの?!

驚いてる家元夫人をその場に残したまま廊下を猛ダッシュして玄関に向かい、草履じゃなくて自分のスニーカーでマンションまで走った!
どうしようーーっ!こんなんで次にどうやって総二郎に会えばいいのかわかんない!

何に腹が立っているのかわかんなくなって泣きながらエレベーターに乗り込み久しぶりの部屋に帰った。




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2018/05/24 (Thu) 13:11 | EDIT | REPLY |   
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2018/05/24 (Thu) 14:01 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんばんは!

もう(多分)殴らないと思いますって!
今から京都編書くんですけど、そこでも一応書く予定ないですよ。今のところは・・・(笑)

事件はどうしようかなぁ?って思ってますが予定通り進めば・・・6月には絶対に終わります!
どっちかって言うと次の話に頭を切り替えようかなぁって思ってます。

すぐそこのマンションに帰る(笑)
そう言って帰っちゃ何の意味もなさそうですけどね・・・。

総ちゃん、さて・・・どうしましょうか?(笑)
仲直りしなくちゃ、ですよね!

2018/05/24 (Thu) 22:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

はははっ!総ちゃんの言い方が悪いって言うか、私が遊びすぎてるって言うか!
桜子まで遊んで、もう大変ですね。

類なんて何しにこのパーティーに行ったんだか!

てか、捻挫って本当はこのぐらいじゃ治らないんですけど、つくしちゃん元気ですよね。
抱きかかえられてたの1週間前ですけど。もうダッシュしてますし(笑)治るの早っ!

え?

え?

え?

ははは・・・どうなる?この後!

2018/05/24 (Thu) 22:30 | EDIT | REPLY |   

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