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plumeria

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朝、目が覚めたのは6時半・・・つくしはまだ寝息を立てていた。
初めてだったからすぐには起きられないか・・・無理はさせないでおこうと思って自分だけそっとベッドを抜け出した。

そして何気に例の窓に行って双眼鏡で覗いてみたら・・・自分の書いた張り紙がしっかり読めた。・・・なかなかいい字だな!
もちろん俺の部屋もバッチリ。こいつ、何回これで覗いたんだ?って思って見ていたらレンズの端からお袋が現れた!

「あれ?お袋・・・げ!見られた!」

俺の書いた張り紙を身体を乗り出して読んでる!そして、このマンションの方に顔を向けたから慌てて双眼鏡を引っ込めた。
・・・なんとなくつくしが途中で双眼鏡を外す気持ちがわかる気がする。

自分で自分の家を覗くだなんて思いもしなかった・・・。


軽くシャワーを浴びたあと、キッチンに行って珈琲を煎れた。
つくしは相変わらず使ってなかったんだろう、横には楽に作れるインスタントが置いてある。

「やっぱり珈琲はちゃんと煎れなきゃ美味くねぇだろうに。これだけは今からも俺の仕事なんだろうな・・・」

その香りで目が覚めたのか寝室の方でゴソゴソと音が聞こえた。
覗いてみたら素っ裸のつくしが自分の服を探してる。しかも身体が痛いのかあちこち押さえながら。
それが可笑しくて噴き出したら俺に見られていることに気がついてシーツをバサッと巻き付けやがった。

「やだっ!もう・・・見ないでよ!総二郎のエッチ!」
「エッチ?!今時そんな言葉使うのお前ぐらいじゃねぇの?いいから早く起きてシャワー浴びてこい。今日は月曜なんだから休みじゃねぇぞ。俺も仕事なんだから」

「えっ!今何時?」
「まだ7時。でも西門に戻らないといけないだろ?それに親父とお袋に話もしなきゃいけねぇから。今、珈琲煎れてるから急げよ」

西門に戻るって言うと途端に真っ赤になる。
お前の住む場所はあそこだって言ったも同然だから照れてるのか?

早く慣れろって思うが、その初々しい部分が可愛いってのも事実。1人でニヤけてカップに注いでいたらシャワーを浴びて着替えてきたつくしが言った言葉・・・。

「私、ミルクたっぷりでカフェオレにしないと飲めないの。マグカップに移してもいい?」
「はぁ?!せっかく薫り高いヤツにしたのにミルク入れるだと?」

「うん!本当はお抹茶にもミルク入れて抹茶ミルクにしたいぐらいだもん」
「・・・抹茶ミルク?」

首にタオルを掛けたまま、ガサガサと食パンを出してトースターで焼いてる。
今、言われた言葉に俺がドン引きしてるのを気にもしないで嬉しそうに焼き上がったパンにバターを塗ってた。

抹茶ミルクは類ぐらいしか言わないと思ってたけど、こんな所にもう1人いたとは・・・しかも、俺の嫁になろうかって女が!

「はい!総二郎、トーストどうぞ!」
「・・・サンキュ。ってか、お前には驚かされるな!」

「何が?」ってケラケラ笑ってる。トーストにパクッとかぶりついてカフェオレ飲んで。
でも、ひとつ階段を上がったつくしはやっぱりすげぇ綺麗だった。


************


8時になるって頃に2人でマンションを出て本邸に戻った。
別に黙ってりゃバレないのにつくしの顔には昨日の夜のことが書いてあるみたいだ。眉間に入ったデカい縦皺に茹でたタコみたいなほっぺた。おまけに下唇噛んですげぇ困った顔。

「普通に出来ないのかよ・・・別に悪いことしたわけじゃないんだから」
「えっ!何処かに出てる?見ただけでわかる?」

「堂々としとけよ。顔赤くして腰曲げるのやめろ。俺がすげぇ無茶したみたいじゃねぇか!」
「腰が曲がってる?マジで?・・・いやね、あちこちが痛くて・・・」

「くくっ!普段使わない筋肉使ったからだろ?」
「うわっ!なんて言い方すんのっ!もうーっ!」

擦れ違う使用人達は普通に挨拶するのにつくしは俺の陰に隠れるようにして自分たちの部屋に向かった。そして親父達に話さないといけないから着物に着替えて、つくしも着物に着替えさせた。

「ありゃ・・・やべぇな」
「え?何が?着物が汚れてる?」

「違う・・・悪ぃ。跡が残ってる。首の後ろのとこ・・・バレるかな」
「ええっ!うそっ・・・まさか、噂に聞く・・・」

夢中になってたから手加減しなかったしな・・・ちょうど髪と同じ長さの辺りにくっきりと紅い跡がついていた。他には?ってつくしの首回りをぐるっと見たけどそこだけ。
あとは見えない所だし・・・でも、今言うと怒られそうだったから言葉にはしなかった。
まぁ、いいか・・・明日には薄くなってるだろうし、気がついたとしても親父とお袋だし。仲がいいって事で何も言わないだろう。

つくしと並んで廊下に出て、親父達がいるだろうリビングに向かう。時間はもうすぐ9時になる。西門もボチボチ活動時間で彼方此方で使用人が動き回ってるのが見えた。

「こんなもの気にすんな。さ、行こうか」
「気にするわよーっ!どうしてくれるのよっ!・・・もう、誰のせいなの!」

「誰のせい?お前だろう。お前が煽るから俺のテンションが上がるってもんだ。ま、勲章みたいなもんだな!」
「煽ってないわよ!バカみたいに襲ってきたのは総二郎でしょう!やめてっていってもやめなかったじゃないの!」

その時目の前に現れた若い使用人が真っ赤な顔してどっかにすっ飛んでいった。こりゃ30分後、全員に伝わるな・・・。


「バカだな、お前。自分で噂になるようなこと言ってんじゃねぇよ」
「・・・・・・!!」


今度は怒って茹でタコみたいになってる。それも可笑しくてクスクス笑いながらリビングのドアを開けた。
そこには親父とお袋がいてのんびり茶なんか飲んでたけど、これも連絡済みのこと。これから昨日穂華が言ってたことを聞かなきゃいけないから。

「おはよう、総二郎さん、つくしちゃん。よく眠れたかしら?」
「えっ!あの、えぇ!よく・・・よく眠れました!疲れて・・・ぐっすりと」

「・・・そ、そうなの?それは良かったわ。パーティーって何が起こるかわからないし、気疲れする場所ですものねぇ」
「パーティー?・・・あっ、そうですね、そうそう!パーティーで疲れました」

「・・・コホン!」

親父の乾いた咳払いで今度はシーンとなってしまった。
お袋も瞬きが異常に多いし、つくしは自分の失敗がイマイチわかっていない。こんな雰囲気で真面目な話が出来るのか?って思うけど、親父達と向かい合って座ったあとに早速穂華の話をした。

「昨日も言ったけど、天澤家の穂華が俺の許嫁って話は一体何処からきた話だ?親父達はなにか心当たりがあるのかよ!あいつの話じゃガキん時の戯言としか思えないんだけど、天澤家と一乗寺の爺さんが乗り気ってのはどういうわけだ?」

「・・・そう言えばあったわねぇ、そんな話が。ねぇ、お家元」
「あったのかよっ!」

「いや、もちろん正式な話なんて何もないぞ?ただ穂華ちゃんが真面目な話だって何回か言いに来てたのは事実だ。でもご両親からの話じゃないのだから笑って誤魔化したんだが・・・」
「笑って誤魔化すような内容じゃねぇだろうが!そのときちゃんと断れよ!」

「だってすぐに泣くんだもん・・・」
「嘘泣きに決まってるだろう!」


なんなんだ、この脳天気な2人は!

つくしもさっきまでの真っ赤な顔が今度は真っ青になってる。
俺は穂華のニヤリとした顔が浮かんできてゾッとしたが、どう考えても穂華の好きなヤツって四王司だろ?あいつの考えることはイマイチよくわかんねぇ!
自分が他の男にアプローチしてるところを見せて慌てさせようとしてるんだろうけど、それなら相手が俺だと不味いに決まってる。
俺みたいなイイ男に張り合おうってヤツはそんなにいねぇぞ?


「1ヶ月後に爺さんに自分とつくしのどっちが俺に相応しいか決めてもらおうじゃないかって、そこまで言ってやがったぞ?」
「あらっ!じゃあもっと頑張らなきゃ!ねぇ、つくしちゃん!」

「えっ?は、はい、頑張ります!」
「またエステに行きましょ?更に最終兵器ってものが入ったらしいわよ?」

「そうじゃねぇだろう!茶の腕を磨け!何回最終兵器が入って来るんだ、そのエステ!」
「総二郎、落ち着きなさい・・・」


そして部屋を出ようとした時、やっぱりお袋に言われた。

「総二郎さん・・・もう少し考えなさい。やり過ぎはよくありませんよ」
「・・・悪ぃ。止まんなかった」

「エステに行きにくいじゃないの」
「そこかよ!」



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2018/05/28 (Mon) 13:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは!

総ちゃんが自分の家を覗くとこみたかった?私も~!!
これは絶対に書こうと思っていました。

で、その時は家元夫人が出てくるって決めていたの。
最初は家元夫人が転けるところとかを見て総ちゃんが噴き出す、とか色々考えたんだけどね!

この張り紙を考えたときに「これだー!」って思って(笑)

ホント、この家元夫人で遊んでるわ~、私。


ふふふ、後はもうLastに向けて頑張りますね!
5月に終わるとか言いながら全然終わらなかったけど。

そうねぇ・・・この次はド暗い総ちゃんでも書こうかしら・・・って、考えてます。
この私がギャグ要素0で・・・(ホントか?)

2018/05/28 (Mon) 23:38 | EDIT | REPLY |   

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