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plumeria

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とある不動産屋さんの中で類と私の戦いが始まった。

「これは?」     「だめ!うちから遠すぎ!」
「これは?」    「だめ!セキュリティ甘すぎ!」
「これはっ?!」  「だめ!1階だなんて危なすぎ!!」
「これはっ!!」  「絶対ダメ!1kなんて狭すぎっ!!」

「もう!決まんないじゃん!!」

なんなのよー!探すの手伝ってとは言ったけどこれじゃあ決まんないよっ!
そんなに類が気に入るような物件なんてないんだから!どこかで妥協が必要なのよっ?

「これは?」    「だめ!高すぎる!」
「これは?」    「だめ!広すぎる。私1人暮らしなのよ?」
「じゃ、こっち」  「だから、高すぎるってば!」
「これにして?」  「分譲マンションじゃないのっ!」

類が選んだらもっと決まんないじゃないのー!
不動産屋さんのカウンターで類と腕組みしての睨み合いになってしまった。

『あの・・・お客様、いかがいたしましょうか・・・』

ほら、不動産屋さんも困ってるからっ。

****

戦いの場所をお昼ご飯のフレンチのお店に移した。
さすが類に選ぶところ・・・すごく美味しくて戦いを忘れて夢中になってた。

「すごーい!このお肉蕩けそう!幸せ~!!」

「ぷっ!そんなに?じゃ、これもあげるよ。牧野なら2人分くらい平気でしょ?」

「何言ってんの?お昼ご飯はしっかり食べなきゃダメだよ。類は昔っから食が細いから!」

「よく言うよ。鶏ガラみたいに痩せたのはそっちじゃん。ほら!いいから食べて。
総二郎に会ったら、もうちょっと肉がないと女らしくないって言われちゃうよ、絶対」

どうしてここで西門さんが出てくんのよ!
しかも鶏ガラって・・・好きで痩せたわけじゃないのに!類からそんな言葉が出るなんて・・・
ちょっとショックかも。やっぱり類もそれなりのボディーを持ってる方が好みなのかしら?


「この後はどうする?違うとこ探すの?やっぱりさ・・・諦めてマンションに住もうよ」

「ねぇ、類。払うのも住むもの私なのよ?私に合わせて欲しいんだけど?」

「何言ってんの?牧野は金額だけで考えてるけど女の子の1人暮らしだよ?一番大事なのは
セキュリティでしょ?そうじゃない?危ない物件選ぶくらいならマンションに閉じ込めるからね?」

だっ・・・だめだ!人選失敗。1人で決めたら良かった!
せっかく美味しくいただいてたのに・・・類がアパートのことになるとうるさいから怒った顔をしてみた。

「今までだってそんなに危ない事には出遭ってないもん」

「何言ってんのさ!そんなだから簡単に人が入ってきて物を盗まれちゃうんだって!牧野は持ってる物が
少ないって言っても、何でもかんでも盗られてちゃ残る物も残らないよ?」

「・・・結構ひどいこと言ってるよ?類・・・」

(物が盗られるのはどうでもいいけど・・・身体はマズいでしょ?万が一って事もあるんだから!それを言ったら
あんたが真面目に考えないから物に例えてんだよっ)


****


結局一日中、探したけど見つからず、再び類のマンションに帰った。久しぶりにクタクタになった・・・
類はソファーに顔から倒れ込んで、私はラグの上に座り込んでソファーに頭を落とした・・・


「ぷっ・・・くくっ・・・」

急に類が吹き出した。突然だったからびっくりして類の方を見たら・・・口を手で塞いで笑ってる?

「ど・・・どうしたの?類?」

「だって、俺、一年間すごく静かに暮らしてたんだな~って思ってさ。こんなに話して疲れたことなんて
なかったから、なんだかおかしくて!あ~!よく喋った!」

はぁ?そんなこと?でも、私もそうかも。

「ふふっ・・・私も一年間誰ともケンカなんかしなかったよ。そういえば」

「え?ケンカじゃないよね?今日のは」

そうだけど・・・何だか本当に久しぶりに一日中動いて一日中話をした気がする。しかも類とだよ?
アメリカでは一日がとんでもなく長かったけど、今日はあっという間だったから。


「明日は1人で行くよ。類も自分のことで忙しいでしょ?ごめんね、付き合わせて」

「嫌だ。絶対へんなとこに決めてくるから!俺が許可しないとここを出さないって言ったよね?」

いつそんな事言ったのよ!本当に子供みたいに駄々をこねるんだから!
こうなったらこの王子様は人の言うこと聞かなくなるのよね。怒りたいんだけど何故か笑っちゃう!

「じゃ、違う不動産屋に行ってみるから一緒に来る?それとやっぱり買い物もしたいから付き合ってね!」

「了解!」

こう言うとご機嫌になって最高の笑顔になるのよね。もしかしたら類って扱いやすいかも。

私はこういうのを道明寺としたかったのかなぁ・・・想像も出来ないんだけど。
なのになんで一年間もムキになって頑張ったんだろう。

******

類を見たら、何かの書類を見てる。大学の・・・かな?そうだよね。類だって4年だもん。
そういえば大学も休学してるままだった。戻るかどうかも決めないといけなかったっけ・・・。
お金のこともあるし、もうやめてもいいんだけどね。

「ねぇ、類・・・類は卒業したらどうするの?それ、大学の書類?もしかして日本から離れるの?」

「ん?これは花沢の・・・仕事の書類。少しずつ始めてるからね。卒業後のことはまだ決まってないよ。
日本なのか、外国なのか・・・一時的な研修って事もあるしね。」

「そうなんだ・・・まだ、わかんないんだね」

大学のじゃなかったんだ。そうか・・・よく考えたら花沢物産って言う企業に入る事なんて決まってるんだもんね。
他の進路なんてないんだし。当然、就活にも縁はないんだった。

私は・・・どうするつもりなんだろう。これから・・・。
問題が山積みで頭が痛い・・・ちょっと考えてたらコツンって頭を小突かれた。

「また、新しい悩み事でも作ってるの?そんな顔するくらいなら俺に話してよ。それと、夕食なんだけどさ
ここで準備出来ないから食べに行こう?あいつらも呼んだから。・・・久しぶりでしょ?」


まさか!!懐かしのF3?

「牧野の大好きな奴も呼んどいたから」

誰?それ?もしかして・・・あの悪魔?

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