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1度花沢さんの車は彼の会社に戻り、そこに停めてあった彼の自家用車に私たちは移動した。
花沢さんは急ぎの要件だけ電話で済ませて運転席に座り、クスクス笑いながら私に何が起きたかを聞いてきた。

「それで、何があったの?話してみて?」
「・・・総二郎、私に隠し事してたみたいなの」

「隠し事?どんな?でもさ、昔の事なら仕方ないんじゃないの?」
「・・・そうだけど、これは許せないっていうか、確かに私と出会う前のことだけどさ」

「言ってごらん?」

「・・・総二郎に子供がいたの」


「・・・・・・えっ!」
「ねっ!驚くでしょう!誰だって驚くよね!そりゃさ、今もう産まれてるんだから1年以上前の出来事だけど、それでも酷くない?男の人ってそういうコトしたら記憶にあるんじゃないの?!花沢さんはどうなの?!」

「えっ!俺の事まで聞くの?」

花沢さんの顔がこれまで1番面白い・・・じゃなかった驚いてる。
親友でさえ知らなかったのかしら。総二郎、確かに夜遊びが酷かったって言うけど・・・考えもナシに子供が出来るようなことをしていただなんて。

確かにね・・・わかる気もする。アノ時の総二郎はスゴいもん・・・止められなかったって言われればそれまでかもしれないけど。


家元夫人が初孫を抱いてたのかしら・・・怒ってはいないようだったわ。むしろ嬉しそうな声だった。「つくしさんに何て話すの?」なんて申し訳なさそうに・・・。
つまりはもう跡取りが出来たからそっちを優先ってことなのよね?どんな人なのかは知らないけど。


「あのさ・・・それ、誰からの情報?総二郎?」
「・・・総二郎と家元夫人と隼人さんが話してたの。総二郎にそっくりでいい男だって・・・産まれたもんは仕方ないって・・・」

「隼人さんがいたの?で・・・誰が母親なの?それ、聞いた?」
「知らないわよ!そこにいたかどうかも知らないわ。部屋の外で聞いたんだもん」

「は?直接聞いたんじゃないの?誰が何をどう言ってたの?」

花沢さんが詳しく話せって言うから和真さんとの会話から総二郎の言葉までを全部話した。
そしたら腕組みして考え始めて首を傾げてる。暫くしたら顔を上げてハンドルを握った。


「記者会見の会場ってMホテルだよね?そこに行こうか」
「えっ!!わざわざ見つかりに行くの?私、もうあそこにいたくないから西門から出てきたんだけど!」

「見つかりに行くんじゃなくて話し合いに行っておいで?多分、このままだと総二郎1人で記者会見すると思うから。そんなのあいつが可哀想じゃん」
「可哀想って・・・私のことは可哀想じゃないの?」

「だって牧野、総二郎とは話してないじゃん。こう言っちゃなんだけど最後まで話、聞いてないでしょ?」
「・・・えっ?!最後まで・・・続きがあったって言うの?」

「だからそれを確かめておいで。くすっ・・・何回も同じことするんだね」


花沢さんは車をMホテルに向けた。
うそ・・・だって私、スニーカーなんだよ?バッグも何も持ってなくて髪も崩れたよ?

もしかして・・・最後に思いっきりケジメをつけてこいってこと?
私は暢気な顔で運転する花沢さんの横で何故か両方の指を鳴らしてた。


総二郎・・・これが最後だからね!


**********


あきらが大阪でこっちにいないのならつくしが乗るリムジンは1台しかない。
そしてあの時と同じようにつくしは途中までしか聞いてない話をして、自分が騙されたと説明してるはず・・・問題はアイツがそれを聞いてどうするかだ。

またこの前みたいに遊ぶのか・・・それとも友人としての仕事をしてくれるのか!

「総二郎様、美作様にご連絡されたのですか?まさか牧野さんは美作さんと?」
「いや、あきらは関係なかった。志乃さん、そんなに心配しなくていいよ」

「総二郎さん、ホテル側から記者会見の時間の変更はもう無理だって言われたわ。すぐに行かないと間に合わないわよ?」
「・・・そうか、わかった。会見は俺1人でもいい、すぐに支度をしてくれ」

「総二郎、大丈夫なのか?つくしさん抜きで会見する気か?」
「親父は元々会見に同席だったよな。喋るのは俺が引き受けるから黙って座っててくれ。多分、つくしは捕まえられると思うから間に合えば同席させる。最悪1人でするって意味だ」


心配する親父とお袋は不安そうな顔をしながらも俺とは別のリムジンでホテルに向かった。
隼人は子供を連れて帰るって言ったクセに、廊下で出会った使用人に子供を褒められてまた有頂天・・・結局帰りもせずに別の部屋で遊んでやがる!マジ、ムカつく・・・こいつのせいなのに!

和真に至っては俺の支度やつくしの捜索に協力もせず、隼人のことで落ち込んで何処かに消えたし!


「総二郎様のお車の準備が出来ました!正門前で待機しております!」
「わかった。すぐに行く」

俺は和真を置いて1人でもう1台のリムジンに乗り込んでホテルに向かった。
そしてアイツに電話を入れた。


***********

<side類>
ホントにどうしてこんな子がいるんだろう・・・早とちりって言うか、面白いって言うか、落ち着きがないって言うか。
まぁ、それもこれも総二郎のことに関してだから余程好きなんだろうね。ドキドキして最後まで聞けないのかな・・・女の子ってわかんないよね。

大好きなくせにちょっとしたことで疑ったり傷ついたり、そういうの繰り返して絆って深まるのかな。
でも、何故か拳作ってる手が気になるんだけど。


♪~♪~
ちょうどいいタイミングで総二郎からの電話・・・くすっ、流石!俺が一緒だってわかってるんだね?

「もしもし、俺。よくわかったね」
『やっぱりお前か!で、今どうしてるんだ?』

「ん~、心配しなくてもいいよ。計画通りに進めていってくれる?完成までに間に合わせるから」
『・・・お前、つくしにわかんないように話してんのか?ホテルに向かってんだな?』

「そういうこと。途中で事務員がミスっちゃうってことよくあるからさ。でも、現場なんて最後の仕上げがきちんと出来てれば誰も文句言わないでしょ?監督が怒鳴らなきゃ丸く収まるって。事務員も反省してると思うけど、素直じゃないからさ」
『・・・内容聞いたのか?』

「想像だけど設計者と現場監督を勘違いしたんだよ。2人ともよく似てるから。確認作業をしないのはいつものことでしょ?そこをよく教えてやりなよ」
『・・・何回も言ってるって!ホントに反省してるのか?マジ、今回は許せねぇけど』

「現場が好き過ぎて堪んないからミスったときのショックが大きいんだよ。そこに辿り着くまでが大変だっただろうからさ。あとは監督次第じゃない?運転中だから切るよ」

『・・・・・・寄り道すんなよ!』


最後の一言、総二郎ったら照れてるよね?
まぁ、このぐらい言っておけば喧嘩せずに会見に向かえるでしょ。

面白い2人だね・・・喧嘩ばっかりして。


「花沢さん、お仕事忙しいのにごめんなさい。今の電話、会社からでしょ?現場・・・揉めてるの?」
「そうなんだよね。事務員と現場監督が仲いいくせに喧嘩が多くて。見てる方は面白いけどね」

「ふーん・・・大変なんだね」


うん、大変だよ。あんた達の周りはね・・・くすっ、だから今日はきちんと会見を済ませてきてね。

俺がすごく笑ってるから牧野は不思議な顔してる。


総二郎が羨ましいな・・・退屈しない毎日で。




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Comments 4

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2018/07/14 (Sat) 13:11 | EDIT | REPLY |   
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2018/07/14 (Sat) 14:24 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんにちは。

あっはは!役に立ってる類(笑)
役立たずが他に現れたんで、この度は役に立ってもらいました!

うんうん、問題はこのつくしちゃんの拳の行方ですね?どうなるんでしょうか・・・総ちゃん、もしやピンチ?
無事に会見が終わることを願っててくださいね♥


暑いですよね・・・こんな時に実は仕事が忙しくて、自宅でやってるので流石にエアコンが活動しております。
会社はこういう時はいいんですよね(笑)

電気代、気にしなくていいし!
私は今年からは電気代と睨めっこです。でも熱中症で倒れたら病院代が電気代を上回るので仕方ないか・・・。
あと2ヶ月間・・・今年は倒れませんように・・・。
(去年は2回点滴した記憶がある・・・)

2018/07/14 (Sat) 19:42 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

なかなかいいでしょ?思いついたとき、自分でも笑ってしまった!
現場監督・・・めっちゃ格好いい監督じゃないですか?
何の現場かにもよりますけどね。

確か「若宗匠総二郎」では類が青いツナギを着たような記憶もあるが・・・。

確か「桜狩り」では伝言ミスして大変なことになったのは類のせいのような気もするが・・・。

今回の類君は頑張りましたっ!!褒めてやってっ!


さぁ、最後のゴールテープを切りますよ~!

2018/07/14 (Sat) 19:49 | EDIT | REPLY |   

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