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plumeria

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Mホテルに着いたら支配人が飛んできて会見場の控え室に行くように言われた。
そこに向かうと親父とお袋がソワソワしてて、まだつくしはここには来ていないと言う。

類の話だともうこっちに向かってるはずだから間もなく着くだろう・・・そう考えたらここで待つよりロビーにいた方が確実に捕まえられる。両親にはこのままここで待つように言って1人でまたロビーに降りた。

会見場となる部屋にはもう記者達が入ってるんだろう、報道関係者と思われる人間がウロウロする中、紋付き袴で歩いてちゃ当然目立つが仕方ない。
そんな俺に話しかけるヤツを無視してロビーに降りた。

そしてあいつと初めて会った場所であの時と同じように入り口を睨んだまま待っていた。


もう何ヶ月前だ?

ここでいきなり俺にカサブランカをぶつけて水をぶっかけて、最終的にはこの俺を拳骨で殴り倒しやがって。
あの時はまさか女から殴られると思わなかったから油断したが、この俺がホテルの床に倒れただなんてみっともねぇ姿を晒して。
そして今はやっとここまで来たのに逃げられて・・・それなのにこうやって待ってるとは。

あの時は麗華がド派手な赤い振袖でこのホテルを出て行くのを見送ったが・・・そう思っていたら、ホテルのエントランスをすげぇ速さでこっちに向かってくるド派手な女を見つけた。

くくっ・・・あの時と同じじゃね?振袖の中身が違うだけでさ。


今度は油断しねぇからな!


**********


花沢さんの車は暫くしたらあのMホテルに到着した。

少しだけ正面から外れた場所に車を停めて、1度車を降りて助手席のドアを開けてくれた。そして手を差し出されたから仕方なく外に出て、楽しい気分で会見をする予定だったこのホテルを見上げた。


「くすっ、そんな顔しないで。総二郎が待ってるよ?行っておいで」

「でも・・・いや、総二郎さんに問題があったとしても逃げたのは私なんだから、もう会見なんてしないんじゃないかしら」

「そんなわけないでしょ?それに問題は総二郎じゃなくてあんたかもしれないじゃん。自分の悪いクセ、早く治さないと総二郎が許してくれるのも今回だけかもしれないよ?」

そんな爽やかにウインクして微笑まなくても・・・。
一瞬その総二郎とは違う色気にクラッとしてしまった。

「私の悪いクセ?・・・だって今度は本当に聞いたんだもん!あの子はどうなるの?男の子だったし西門は嬉しそうだったよ?」

「いいから。身内の子は誰だって可愛いんだって。はい!時間がないからもうここまで。俺は会議があるから帰るよ」
「あっ!花沢さん・・・せめて中まで・・・」

「ダメだよ、総二郎が怒るから。じゃあね」

振袖にスニーカーの私を1人残して花沢さんの車はホテルの前を出て行った。
身内の子は可愛い?それって・・・それって西門の血を引く子はって意味でしょう?そりゃわかるわよ・・・誰だって、何処の家だって自分の身内は可愛いよ。

だから困ってるんじゃん!総二郎は今は私だけかもしれないけど、産まれてしまった子供を大事にしたいかもしれないじゃん。
でも他の人が産んだ子供を育てる自信なんてないもん。

まだ1回も子供を産んでないもん。急にお母さんにはなれないよ!


上品なスーツ姿で通り過ぎる人が不思議な格好の私を驚いた顔で見てる。
私はそんな人達の目よりも総二郎が今から私になんて言うのか、その方が気になってトボトボとホテルの中に向かって歩いていった。


でも・・・やっぱり逃げたくなるよね?これって私だけが悪いんじゃないよね?
こんな日にわざわざ私に会わせようとした総二郎にも問題はあるよね?・・・まず、謝るのは彼だよね!!

そう思ったら今度は足が急に速くなった。

そうよ・・・この先のことは今から話し合ってもいいけど、とにかく一言私に謝るべきよ!
「悪い!お前と会う前のことでその気はなかったんだ!」そう言われたらどうしようかしら。一発殴らせてもらってから考えようかしら!

この婚約会見、どうしてもしたいって言うんならあの子のことは諦めてくれるのかしら。
でも、でも・・・子供に罪はないし!!


どんどん足は速まってエントランスからロビーに向かって歩いて行ったら、正面に紋付き袴の総二郎を見つけた!
何よっ!その腕組みして怒ったポーズは!!

私がどれだけ悩んで泣いたかわかってんの?そんな怖い顔して睨んだって私には効かないんだからね!

大好きなのに・・・!
大好きで大好きで・・・初めての彼氏だったのに!

頑張ってお稽古して、作法覚えて、毎日この日を楽しみにしてたのにーーーっ!!


「総二郎ーっ!!絶対に許さないんだからねーっ!!」


このホテルのロビーに私の声が響き渡った。
スニーカーだから足が開きにくいだけで走れるんだから・・・!

私は振袖の前側を少しだけ持ち上げて長襦袢まで世間に晒しながら総二郎目掛けて走っていった!


**********


「総二郎ーっ!!絶対に許さないんだからねーっ!!」

つくしの声がロビーに響いて周りの連中が一斉に俺達の方を見た。
よく見たらつくしの足元はスニーカー?こいつ、裏口にそれしかなかったからってその振袖にスニーカーで逃げてたのかっ!

だから振袖のくせに結構な速さで俺の方に向かって走って来やがった。しかも長襦袢丸出しで!


後ろからならまだしもこの俺に真正面から向かってきて、その握ってる拳が当たるとでも思ってるのか!

・・・馬鹿め!来るなら来い!!


「総二郎!よくも騙したわねっ!」
「・・・!!」

寸前まで身動き1つせずにあいつが向かってくるのを待ってから、その手が大きく振りかぶった時にその腕を掴んで動きを止めた!つくしの顔はド真剣、だけどとにかく落ち着かせて話をしないと会見までもう時間がなかった。

だが拳を止めた時点で俺が油断したのか、今度はつくしの膝が振袖の裾を捲って上がってきた!

「・・・甘いわよっ!」

嘘っ・・・!俺が驚いた瞬間につくしの膝が俺の太股を直撃、俺はその衝撃で手を離して後ろに倒れそうになった!

「痛ぇっ!なにしやがんだ、お前・・・よくもこの俺を膝蹴りしたな!」
「何言ってるのよ!こんな日なのにどれだけ悲しい思いをさせたと思ってんのっ!!総二郎が原因なんでしょう!」

「馬鹿野郎!お前の勘違いだろうが!何回同じことすりゃ気が済むんだ!今日ぐらいそんな間違いすんな!」
「何処が勘違いなのよ!自分に似てるからってベタベタして・・・私に会う前の出来事かもしれないけど許せないのよっ!まず先に謝りなさいよ!」

「アホかっ!あれは隼人の子供だよっ!!💢」



「・・・・・・えっ」


「お前が何処まで聞いたのかは知らねぇが、隼人が遊んだ女が子供を産んだからってわざわざこんな日に連れて来やがったんだ!その子が俺に瓜二つなんだよっ!」

「・・・・・・は?」


つくしが真っ白になってる。
・・・ってか、本気で蹴りやがった・・・マジ、痛いんだけど。




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2018/07/15 (Sun) 13:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様 こんにちは。

はい、やっとここまで来ました。
とんでもないお話しでしたがいかがだったでしょうか?(笑)

格好いい総ちゃんじゃなかったですが、たまにはこんなのも新鮮だと思っていただけたら嬉しいです。
このお話しには全然番外編というものが思いつきません。
なんか完全燃焼した気分です。

残すことろあと2話です。
総ちゃんとつくしちゃんと一緒に手を繋いでゴールテープを切りたいと思います。

今日はありがとうございました。

2018/07/15 (Sun) 19:42 | EDIT | REPLY |   
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2018/07/15 (Sun) 22:11 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、おはようございます。

はい!出会った場所で終わる!
これが結構好きなんです(笑)

怖いですよね~、振袖なのにスニーカー履いて突進してこられたら!
しかも裾捲って!

膝蹴り・・・流石に太股で止めてみました。
アソコまでは届きそうになかったので。(何度か想像してトライしたが着物じゃ無理だな、と判断)
そんなことしたら会見出来ない(笑)

確かに怒りながら許しそうだよね~!
結局、総ちゃんの方が負けてるって感じですもんね!

どんな会見になりますか!見守ってやって下さいね♥

2018/07/16 (Mon) 07:56 | EDIT | REPLY |   

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