FC2ブログ

plumeria

plumeria

「・・・もうちょっと下を向け。目がデカすぎる」
「そんな無茶な・・・」

今、何としているかというと西門さんにメイクされてる。
どうも私のメイクじゃ物足りないらしく、そこに座れと怒られて西門さんの手直しが始まった。って・・・どうなの、それ。

真正面には西門さんのド真剣な顔があって、私の顎には彼の手が添えられてる。その当たってる部分が異常に熱を持ってて自分でも顔が赤いってわかる。
それでも西門さんは顔色1つ変えないで、まるで美術の時間みたいに私のアイメイクをしてる。

超・・・ドッキドキなんだけど!


「・・・よし、こんなもんか。しかし、お前メイク下手だよな!よくそれで昨日は司と飯食ったよな!」
「だって道明寺はそんな所まで気が付かないもん!それに・・・上手かろうが下手だろうが関係ないのよ・・・多分」

「そうか?一緒にいる女は綺麗な方がいいじゃん?下手なくせに相手が司だから頑張ってメイク濃くしたんだろ?」
「そうよ、悪い?だって道明寺は派手なのが好きなんだもん。最後ぐらい頑張ったのよ。この私が付け睫毛までしたんだから!」


「・・・今度は髪だな。これは俺もプロじゃないから前髪のアレンジくらいにしようか」

道明寺の話を自分から出しておきながら、私がムキになったらサッサと話を切り替えた。
そして涼しい顔して私の前髪を整えると、それまで前に立っていたのに今度は後ろ側に回った。

そしてふわっと手を回してきたから驚いて肩を竦めたら「誰も襲わねぇよ!」って小さな声が返ってきて、私の首には凄く綺麗なネックレスがかけられた。

「お前、ピアスホールあったよな?」
「う、うん・・・殆どしたことないけど」

今度は器用に私の耳にピアスを挿した。それはネックレスとお揃いのものでダイヤのスイングタイプ。顔を動かす度にキラキラと輝いて凄く綺麗だった。

昨日もダイヤの豪華なネックレスだったけど、今日のはそこまで派手じゃなくて上品・・・私の顔にはこっちの方が似合ってるって自分でも思った。


西門さん・・・こういうセンスっていいのよね。

自分の趣味も入れてるけど相手に合わせて選んでるって言うか。
ドレスだって私みたいな幼児体型が着ても可笑しくないようにってわざわざ大人っぽい色なのにデザインはちょっと可愛い部分を入れてる。胸のない私でも似合うようにわざとそこは強調せずに・・・ムカつく選び方だけど。


「・・・どうだ?なかなかいいんじゃね?」

私の両肩を後ろから抱くように掴んで、顔を横に並べて鏡を覗き込んだ。
・・・自分の確認よりも西門さんの笑顔の方が気になってまともに鏡が見られない!ち・・・近いんだって!

そして耳朶スレスレの所で低い声で囁いた。

「じゃ、俺も着替えてくる・・・ここで待ってろ」

「・・・う、うん」


だからっ!そんな甘い声を超スローで出さなくてもいいでしょうっ!
ゾクッとした自分が恥ずかしい・・・西門さんが隣の部屋に消えた後で、囁かれた左耳を押さえてドキドキしてた。


**


「それじゃあ、行くか」

支度が出来たからって部屋から出てきた西門さんは正装とまではいかなかったけど、スーツにネクタイで凄く格好良かった。
シルバーグレイのサマースーツ、私のドレスに合わせたチーフが見えて、ピアスも昼間とは変えていた。

もしかしたら私とお揃いのピアスなのかしら・・・男性にしては珍しくダイヤが一粒揺れていた。


朝にはボロボロの服でチェックアウトしたはずなのにその日の夜にはこんなにドレスアップして、しかも男性にエスコートされて最上階から降りるなんて誰が想像しただろう。
おまけに私が腕を持ってるのは西門総二郎・・・もう、横を見るのも怖いぐらいのイケメンなんだけど。

エレベーターのドアが音もなく開き、私は自分が何処かのお嬢様かと勘違いしそうな気分でそれに乗り込んだ。


「ねぇ・・・今からどこに行くの?このホテルのレストランじゃないの?」
「ここじゃねぇよ。牧野が嫌だろ?・・・昨日も食ってるから」

「そ、そうだけど。こんな格好しないと入れないほどの高級レストラン?私、マナーに自信ないんだけど」
「黙って俺のマネしとけよ。まぁ、中で暴れなきゃ文句は言われねぇだろ。少々食い方がヤバくても」

「・・・野生動物みたいに言うの、やめてくれる?」


1階に降りたらまた腕を組んで、今度は上品な顔を作ってロビーを出た。
西門さんはホテルのドアマンに何か話しかけると、その人はすぐにフロントに行き、しばらくしたら黒塗りのリムジンがエントランスで待っていた私たちの前に静かに停まった。

まさか・・・これで行くの?


「おい、乗れよ」
「・・・あぁ、はいはい」

西門さんに言われて車に乗り込んだら、運転手さんに流暢な英語で行き先を告げた。
流石こんなホテルのリムジンの運転手さん・・・おじ様だったけど格好良かった。

車はマディソンスクエアパークに向い、そこにある高級レストラン「Eleven Madison Park」の前で停まると、運転手さんがドアを開けてくれて西門さんが先に降り、私は彼が差し出した手を取ってリムジンを降りた。
黒っぽい壁で重厚な扉が如何にも高級そう・・・そこまで大きくはないんだけど縦に長く窓が作られててそこから見える店内はお洒落でモダンだった。

「入るぞ。そんな入り口でバカみたいに口開けるな。みっともねぇだろ?」
「・・・あぁ、はいはい」

さっきから返事がこれしか出ないんだけど。

店内に入ったら西門さんが店員さんと話して、奥の方の席に案内された。
外で見るよりは明るめの装飾品に大きなアレンジメントフラワーも飾られてて、掛けてある絵画も比較的近代作品なんだろう、よくわかんないけど天井も高くて開放的な感じだった。


この様子だとフレンチのフルコースだ。

何度か2人でこんな食事はしたけどもう少しランクは下だったのかも。こんなにドレスアップして出掛けたのは初めてだから。
しかもここはニューヨーク、マンハッタンのド真ん中。

「ここを出たら少し飲もうか」
「え?来たばっかりなのにもうこの後の予定?」

「言っとかないと心の準備が出来ねぇだろ?牧野、経験少ないから」
「・・・は?そ、それはなんの話よ!じょ、冗談はやめてよ・・・」

「冗談?・・・本気だけど」
「・・・本気?」


また私の顔を見てニヤリと笑う・・・。

まさか・・・まさかと思うけど、そういうこと?私にはそんな気ないんだけどっ!!
美味しそうな料理が次から次へと運ばれてくるけど、私には味なんてわかんなかった。

目の前にいる男の指先が動くのを見るだけで精一杯・・・肉食獣の前に差し出された子ウサギの気分・・・。

・・・この指が私を?

妄想が止まらなくなって倒れそうな夕食だった。




2a891909b2686d6bce687f4b616d0dc2_t.jpg



2人が入ったお店です♥お洒落~!

yjimageE9DC4POM.jpg

yjimageOW7QJBON.jpg
関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/07/30 (Mon) 12:17 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

あっはは!総ちゃん、つくしちゃんで遊んでますよねぇ!
・・・待てって言ったでしょ?まだまだ・・・ですよ?

今ね、必死に色っぽい総ちゃんを書きたくて頑張ってるのよ(笑)
でも、油断したら「喧嘩」の総ちゃんが出てきてしまうの!

書きながら・・・あっ!この話し方、喧嘩の総ちゃんじゃないか!って思いながら修正。
ヤバいよね・・・意外と喧嘩の総ちゃんのクセが抜けない。


「大人総ちゃん、大人総ちゃん・・・頑張れ私!」


もしかしたら後半、ギャグになっているかもしれません・・・。

2018/07/30 (Mon) 21:19 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply