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plumeria

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アメリカで全財産引ったくられ、やっと日本に帰ってきたのに今度はこっちで空き巣に入られるとは。

流石の牧野もガックリきて俯いたまま顔が上げられないらしい。
無理もねぇか・・・犯人は同級生のストーカー。そいつが今頃自分の下着を持って逃げてるって思えば気分は悪いだろう。

警察の調べでカメラ数点と盗聴器は撤去出来たものの完全になくなったかは犯人に聞かねぇとわかんねぇし、それがわからないと牧野にこの部屋を使わせるわけにもいかない。

取り敢えず何処か寝る場所を提供しないと無一文の牧野にはホテルに泊まる金もないし、カジノで当てた金もまだ現金化してないし。そう思った時に浮かんだのは俺のマンションしかなかった。

ここからそんなに離れてないし、滅多に使うこともないから西門にすらバレてない、俺が個人的にFX(外国為替証拠金取引)やらで儲けた金で買ったマンションだ。


玄関の鍵は内側から閉めて俺は窓からこの部屋を出た。
道路でぎゃあぎゃあ喚いてる牧野は無視、窓を閉められないのは気になったが森本が戻ってくることはないだろう。しばらくこのアパートは警察に張られる訳だから、むしろ安全なはずだ。

「ちょっとっ!なんでそんな無茶なことするのよ!もし手を怪我したらどうするの?私、責任とれないからね!」
「誰がお前に責任取れって言ったよ。それに2階から飛び降りるぐらい問題ねぇよ」

「でもさ、下に何があるかわかんないんだからやっぱりダメ!2度としないでよ?!」
「・・・なんだ?そんなに心配すんの?」

「・・・へっ?」

わざと車に乗る前に立ち止まって牧野を見る・・・少し傾けた角度で笑うとこいつはあっという間に真っ赤になる。
俺の1番楽しい時間・・・牧野のこの時の慌てぶりはいつ見ても面白い。

「ぜっ・・・全然心配とかじゃないから!ほら、私のアパートで怪我なんてされたら家元夫人がおかしく思うじゃない!それにさ、それにさ、私もずーっと気にしなきゃいけないから。それだけだよ!」

「くくっ!ムキになっちゃって。じゃ、行くぞ」
「あっ!そう言えばどこに行くの?」

「俺のマンション」


車の助手席のドアを開けてるのに牧野は呆然として動かない。
大きな目を見開いて、またポカンと口開けて。この3日間、何度その顔を俺に見せたら気が済むんだ?こいつ。

「早く乗れって!野宿すんのか?」
「え?あ・・・あぁ!はいはい!」


**


今、走ってきた道をまた都心に向かって走っていく。
向かうのは都内有数の高級マンションが建ち並ぶエリアの真ん中・・・でも、そんな光景より今までの事で疲れ果てた牧野は何1つ喋らなかった。

「ちったぁ元気出せ。身体は無事なんだし使い古しの下着がなくなったぐらいでそこまで落ち込むな!」
「・・・なんて言い方すんのよ。気にはなるわよ・・・森本君があのブラを持ってるかと思うと・・・」

「俺が買ってやったヤツの方がデザインも機能も上だろ?それで我慢しとけ。なんなら一緒に買いに行くか?」
「だからそういう問題じゃないんだってば!」


すげぇデカい溜息つきながら助手席のシートベルトを縋るようにして持ってる。落ち込みようも半端ねぇな・・・って思いながら片手ハンドルで運転して、そのうち車はマンションの地下駐車場に着いた。
「着いたぞ」って言うとハッと顔を上げて周囲を確認、「ここは何処?」って言うから「だから俺のマンション!」って言うと半分死んでた目が開いた。

「取り敢えずしばらくはここに住め。牧野が選ぶようなアパートじゃまた同じ事が起きるぞ?」

「お、同じ事?やだっ!もう・・・怖いこと言わないでよっ!」

「お前、やること沢山あるなぁ。引ったくられたカード類の停止とアパートの解約。鍵も弁償だよなぁ・・・それが済んだらスマホ買って、落ち着いたら新しい家探し。バイトも始まるんだろ?ご苦労だな」

「・・・優しいんだか意地悪なんだかわかんないよね、西門さんって・・・」

「くくっ、違いねぇ!」

地下駐車場からエントランスに上がりエレベーターで最上階へ。その中で牧野は不抜けたような顔でまた溜息をついてた。


そんな牧野を横目で見ながら考えていた。
新しい家探しって言ったけどどうするか・・・このままこのマンションに置いておくか?
このマンションのカードキーは2枚ある・・・1枚は当然俺。 そしてもう1枚は牧野・・・俺の出入りは自由って訳だしな。


その1枚を牧野に差し出したら不思議そうな顔で受け取った。

「それがこのマンションのカードキーだ。お前の分は1枚しかないからなくすなよ」
「これが鍵なの?へぇ・・・流石だねぇ!」

「セキュリティは万全だ。この部屋にはこのカードキーと指紋登録した人間しか入れない。牧野の指紋は今から登録しねぇとな」
「指紋まで?安心だね!」

「まぁな・・・限られたやつしか来ねぇよ」


そう・・・この部屋に入れるのは俺と・・・お前だけだ。



*****************



部屋に着いたらすぐに指紋認証の登録を済ませ、私の指でも西門さんの部屋に入れるようになった。
そこは彼曰く「狭いけどよ」・・・って何処がよ!って思うほどの部屋だった。

「ここ、たまにしか来ないから家具は最低限しかねぇけど、住めりゃ問題ねぇよな」
「・・・うん、ってか私のアパートに比べたら設備が充実しすぎて怖いぐらいだけど」

玄関が既にアパートの部屋ぐらいの大きさがあるし、どんな大家族よ!って思うほどのシューズクローク。急いで歩いたら転けそうなツルツルの廊下で必死に西門さんを追いかけた。

リビングには応接セットに壁掛形のテレビ、窓は床から天井まで繋がってる規格外の大きさ。奥の方の部屋には可愛らしい出窓があった。
掛かってるカーテンは流石に男性の部屋らしい色だったけど、殆どの壁は白で家具はダークブラウン。シャンデリアみたいなものは無くてダウンライトがいくつも埋め込まれててモダンな部屋だった。

多分1回も使われてないキッチンは綺麗なままで大型冷蔵庫はあるけど中には何も入ってはいない。
お酒用なのか氷とミネラルウォーターだけはあったけど。

部屋の中をひと通り説明してもらった。
ここにはリビングの他にマスタールームとゲストルームが3部屋。広すぎるキッチンにバスルームとシャワールームが別々にあって、1番奥にはガーデンスペースがあるらしい。
そこには何も植えてないから今は普通のテラス。当然サンルームみたいになってるからお天気に関係なくそこでガーデニングを楽しめるんだって。


「牧野、この部屋だけど」

キッチンで調理道具なんかを見ていた私に西門さんが話しかけてきた。

「ここはマスタールーム・・・俺の部屋だから。何も置いてないけどたまに俺が泊まることもあるからその時だけ使うわ。気が向いたら掃除しといて?」
「えっ!西門さんがここに泊まることがあるの?」

「俺のマンションだから文句はねぇだろ」


・・・そりゃ、そうか。いや、ちょっと待って?って色んなハテナが飛んでいた時、西門さんは仕事のことで何処かに電話をかけていた。

アメリカのホテルで2晩一緒にいて、しかも同じベッドで寝たとはいえ、今度は部屋が違うからいいのかしら?
西門さんの部屋っていうマスタールームの方をじーっと見ていたら後ろからコツンと頭を小突かれた。

「いたっ!何すんのよ!」
「そんなに俺の部屋が気になるならゲストルーム使わずにそこで寝てもいいぜ?ベッド・・・デカいからな!」

「誰がそんな事考えるのよ!バカっ!」




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2018/08/14 (Tue) 13:16 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/14 (Tue) 20:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

あっはは!そうそう、環境は整ってきたのよ(笑)
まだ気持ちの確認をしてないだけ!

ここが時間掛かりそうな2人でしょ?
はっきりしろーっ!!ってなると思うけど待っててね♥白アスパラ抱えて(笑)

でも・・・どうしようかなぁ。


「ヤラぬなら いっそ締めまで ヤルまいか  たまには許せ R無くとも」

                             plumeria作

2018/08/14 (Tue) 21:32 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんばんは

meimei様 こんばんは。

おほほっ!いいじゃないですか、細かい事は気にしない!
高校生の頃からやってたんですよ(笑)

総ちゃんにしては安いマンションなんでしょう♥

開いた部屋に入りましょうか?私たちなら家賃とられると思いますけどね!
ひと月50万ぐらいでしょうか。

いい感じになってきましたかねぇ・・・ふふふ、そう簡単にこの私が持っていくと思います?

今から色々あるんですよ(笑)
お楽しみに~!

2018/08/14 (Tue) 21:38 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/14 (Tue) 22:22 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、おはようございます。

やっぱだめかぁ(笑)

「ヤルのなら とことんヤろう 果てるまで」・・・暫くお待ち下さい。

2018/08/15 (Wed) 08:59 | EDIT | REPLY |   
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2018/08/15 (Wed) 10:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様………(笑)

や、やってみる(笑)

2018/08/15 (Wed) 11:03 | EDIT | REPLY |   

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