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類からの話を聞いてから数日後、私は美作さんの家に呼ばれた。
そこには類と西門さんと、桜子がもう来ていた。

入りにくくてドアの横に立ってたら、美作さんに促されて・・・私はリビングのソファーに座った。
みんなが私の方を見ているんだけど、話される内容もわかっていたからどうしていいかわからなかった。

「牧野!お前そんな顔すんなって!もう類から聞いたんだろ?覚悟は出来たのか?」

「覚悟って・・・そんな事言われても」

西門さんにそう言われたけど、覚悟なんて出来ないよ。あの話だって私には全然ピンとこないし。
もう、放っておいて欲しくて下を向いてスカートを握りしめた。

「牧野、今から説明するからよく聞けよ?」

美作さんがいくつかのメモと飛行機のチケットをテーブルに並べた。

「出発は3日後、時間はこれに書いてあるから。そして向こうに着いたら西田さんが空港にいるはずだから
連絡を取ってくれ。牧野が住むところは司の持ってるニューヨークのマンション・・・まぁ、アパートに近いかな。
あんまり目立たないようにしてもらったから。牧野は英語は問題ないだろうけど、一応向こうの語学学校に
入学できるように手配してあるからな」

「そんなこと、道明寺は何て言ってるの?知ってるの?そのこと・・・」

私とは何の連絡も取らないのに、そんな一方的な計画を受け入れるの?
なんだか、私1人が我儘をいって押しかけるみたいに思われないの?あの楓社長に・・・

「司には話してある。西田さんからだけどな。ちゃんと了解してるから大丈夫だってさ」

「了解?そう・・・なんだ」

了解ってなんなの?私が行くことが嬉しいのかそうじゃないのかがわかんないよ。
こんなに準備してもらっているのに、どうして私の気持ちは逆に沈んでいくのだろう・・・

「牧野はまだ正式に司の婚約者としては公表してないから、このくらいで我慢しとけよ?まぁ、これで向こうで
正式に発表されたらちゃんと向こうの自宅に住めるし、道明寺の本社にも入っていけるだろうしな。
それまでは固っ苦しいからこの方がいいと思って俺たちで決めたんだ」

美作さんからもらった色んな書類を見ながら、まるで他人事のような気分がした。

「大学の休学届と、今のアパートの解約はこの二日間でやっとけよ?もし出来なかったら後はやっとくから
心配すんなよ。部屋の荷物はうちで引き取っておくから」

ホント、何もかも面倒見のいい美作さん・・・



「それと、ほら!これ・・・お前は嫌だろうけどこういうのは持っとかないと暮らせねーからな」

西門さんが出したもの・・・桜子名義の預金通帳とカード?
中の金額がとんでもない額で手が震えた・・・いくら何でもこれは!!

「あっ・・・あのね?私の性格知っててやってるの?こんなことまでして行きたくないんだけど!」


周りを見たら・・・4人共がすごく悲しそうに・・・でも笑ってる。この前の類と同じ・・・?
どうして?どうしてこんなにしてくれるの?

「先輩・・・そう言われるのはわかってたんですけど、これは現実ですもの。なくては生活できませんわ。
時間がありませんでしたので私の名義のものですけど、そのカードはアメリカでも使用可能ですの。
ちゃんとドルに換算されますから大丈夫ですわ。私たちが安心できますから持って行って下さいね?
それとも道明寺さんに頼みますか?先輩には出来ないでしょう?」

「いいんだって。牧野にはびっくりする額かも知んねーけど俺たちには小遣いくらいのもんだ。これくらい
しかしてやれないけど、まぁ、牧野風にいえば節約してチビチビ使ってくれりゃ足りるだろ?」

「そうだぞ、牧野。本当は俺たちの誰かがいたらこんなことしないけど、今度は1人だからな。何かあったら
助けてくれるさ、この金が。俺たちの代わりに牧野を守ってくれるんなら安いもんだって」

「でもっ!こんなことっ・・・!」

惨めっていう訳じゃない。あんまりにもみんなの気持ちが温かすぎて涙が出るんだ。
何もかもお見通しなんだよね。私の事なんて・・・

道明寺の側に行っても私が自由に暮らせるようにすごく考えてくれたんだね・・・

「その金、西田さんにも話してるから心配すんな。道明寺には迷惑かかんないから」

「その代わりみんなに迷惑かけてるよ?」

「無一文で行かせるほうが怖いんだからいいんだって!牧野は何するかわかんねーからな!」

西門さんも美作さんも、いつもより優しく笑ってくれた・・・。

「先輩、時間が出来たら桜子が遊びにいきますわね?待ってて下さいね?」

「まだ、行ってもないのに待てないわよ!」

それからは送別会って言って、そのまま美作さんの家で夜遅くまで騒いでしまった。
ただ1人、ずっと黙ったままの類が私を見ているのを気が付かないふりをして・・・



「もう、そろそろ帰るか。じゃあな!牧野、類!桜子は俺が送っていくよ」

「じゃあ、先輩、出発までにお会いできたらいいですわね!お休みなさい」

西門さんと桜子が帰っていった。
残された私と類・・・美作さんまでもうどこかへ消えてしまった。



「あきらも部屋に戻ったみたいだね・・・じゃあ、帰ろうか。送っていくよ」

「うん・・・」


類が私の背中に当てた手がすごく暖かい・・・この手にどのくらい助けてもらったんだろう・・・
もしかして、これが最後なのかな・・・2人の時間って。

もしそうなら・・・ゆっくりと過ぎていって欲しいのに・・・

「そんな顔しないで?せっかくだから遠回りして送っていくね」


私の気持ちがそのまま伝わってしまうのね・・・それは類だから、だよね?

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プロローグってこんなに長いですか?
要するに私の組み立て下手?
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2017/03/28 (Tue) 12:13 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

N様、こんにちは🎵

そうですか?そう言っていただけるとありがたいんですけどね。
何だかプロローグだけで1つのお話が成立したようになって、本編でドン引きされそう。

こんなに切ない感じに書いてるのに、たまに花沢専務キャラになるときがあって恐いんですよ。あ、このセリフまずいんじゃない?って修正したりして!

ダブってお話書くと、そうなるんですかね?

あと、1話が4月に間に合うのかな⁉頑張ろう🎵


今日もありがとうございました‼

2017/03/28 (Tue) 12:36 | EDIT | REPLY |   

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