FC2ブログ

plumeria

plumeria

しばらく散歩してたらこの島の灯台に着いた。確かに高いところにあって景色が最高!

眩しい太陽が真っ青な空に白く光ってて、海はそれに負けないぐらいの青さ。
きらきらと光る水面が目に痛いほどで、所々に咲いてる赤やオレンジや黄色の鮮やかな南国の花がリゾート気分を高めてくれた。


「きゃああぁーっ!見て見て!綺麗ーっ!」
「こら、あんまりはしゃぐと転けるぞ」

「あっはは!大丈夫だよ!美作さーん、写真撮って、写真!」
「はいはい、何処をバックにする?」

スマホを片手に持って美作さんが私から少し離れた。
せっかくだからもちろん海がバックでしょ!そう思って灯台横の崖の端っこに立って海に背中を向けた。

「牧野、危なくないか?あんまり後ろに下がるなよ」
「平気平気!1メートルぐらいの余裕があるんだから!ねぇねぇ、綺麗に海が入る?」

「もう少し右に寄るか?海が光ってて見えにくいから」
「はーい!右ね?この辺かな?」

美作さんに言われたように少しだけ右に寄ったら、そこには低いフェンスがあるだけで崖になっていて、覗き込んだら真下は海だった。岩場みたいになっててそこに白い波が当ってるのがわかる。

そこまで高くはないけど落ちたら間違いなく大怪我・・・いや、もしかしたら?って思うほどだ。


それでもギリギリの所で立つわけじゃなし、気にせずにまた海に背中を向けて美作さんのスマホに向かってポーズをとった。

「よし!なかなか良い背景になったから撮るぞ」
「はーい!宜しく~!」

そのスマホを覗き込んだ美作さんが驚いた顔してそれを顔から外して私の方を睨むようにして見てきた。
その真っ青な顔に驚いてピストルポーズをしたまま私も固まった。

あれ?・・・何か可笑しかったのかしら?


そしてもう1回スマホを覗きこんだと思ったら、急に走ってきて私を抱きかかえて、彼が立っていた場所まで引っ張られた!

「うわあっ!なになに?どうしたの?」
「いいからここでジッとしとけ!」

「はぁ?!」

美作さんは私を崖の上から離れたところに連れて行くと自分が崖っぷちまで行って下を覗き込んだ。
その様子がいつもの彼じゃなくて驚いて・・・私は暫く呆然と美作さんの背中を見ていた。


**


「よし!なかなか良い背景になったから撮るぞ」
「はーい!宜しく~!」

牧野が流行の「ピストルポーズ」で俺の方に向かって凄い笑顔を向けたから思わずドキッとした。
顎の下で軽く手を添えてえらを消すことで小顔効果があるらしいけど、初めっから顔が大きくないんだから気にしなくてもいいのに。

少し腰まで捻ってるけど色気出してるつもり?
そんなの他の男の前ですんなよ?って笑いながらスマホを覗き込んだ・・・その時、


牧野の後ろに何かが写ってる・・・黒っぽい・・・いや、茶色の長い髪?


ハッとしてスマホを退けて直接牧野を見たけど何も後ろにはいない・・・いや、当たり前だ。後ろは崖なんだから!

そう思ってもう1度スマホ越しに牧野を見たら、牧野の後ろに渚沙の身体が写っていた!

両手を広げて髪は風に靡いて広がり、着ているワンピースもまるで鳥の羽のように宙に浮いてる!そして青白い顔から唇だけが赤くニヤッと笑い、青く光った目は牧野を見下ろしてる・・・!

ゾッとするほど恐ろしい姿の渚沙が牧野を海の中に引き摺り込もうとしてるように見えて、咄嗟にスマホを投げ捨てて牧野の所に走った!
「うわあっ!どうしたの?」って叫ぶ牧野を抱きかかえるようにして崖っぷちから離して「そこでジッとしとけ!」というと唖然とした顔で座り込んだ。

そして牧野が立っていたところから海を見下ろした。


当然そこには何もないし誰もいなかった。
崖の下には白波が立つ岩場があるだけでここに人がいるわけがない・・・なのに確かに牧野の後ろには渚沙の姿があった。
カメラを通してだけ見えたけど確かにあれは渚沙だった。

信じられなくて・・・黙ったまま目の前の海と空を見てゴクリと唾を飲み込んだ。


そしてもう1度崖下を見た時、俺の真下の崖をよじ登ってくる渚沙を見てしまった!


額からは血のようなものが流れてて顔の半分が赤く染まり、それでも俺を見てニコッと笑った。
痩せこけた腕で岩を掴んでゆっくり・・・ゆっくり・・・まるでイモリか何かが壁を這って登るみたいに渚沙は信じられない角度の崖にへばりついている。


「もうっ、どうしたの?美作さん、何かいるの?」

牧野の声でハッとした。

我に返ってその場を離れ、近づいてきた牧野の腕を掴むとこの灯台から走って逃げた!
渚沙が追ってくるかもしれない・・・!あの様子だと宙を飛んで来るかもしれない・・・だけどここにいることは出来ない!

「いやあぁーだぁ!美作さん、写真!写真撮ってないよぉ?」
「いいから!こんな場所、他にもあるからいつでも連れてってやる!今はとにかく急げ!」

「ど、どうしたのよぉ!痛い、腕が痛い~!」
「痛くない!いいから急げ!」


やっぱり渚沙はもうこの世にはいないんだと悟った。

今まで見たのは渚沙の亡霊・・・。
狙う理由はわからなかったけど、とにかく牧野の命を狙ってるような気がして守らなければと必死だった!


全力で走って別荘の近くまで戻り、2人でゼィゼィいいながら道端に座り込んでいた。

これ以上この島にいるのは危険だ。急いで島を出なければ・・・そう思って汗まみれの牧野を支えて別荘まで歩いた。


**


「何だって?船が故障?他には船はないのか?」
『申し訳ありません。2艘とも何故か故障してしまって急いで修理中です。明後日には大丈夫ですが』

「・・・もういい。美作からヘリを呼ぶから」

島のフェリー乗り場に聞いたら答えが「故障」・・・そんな事あるのか?と思いながら今度は美作に電話をかけてヘリを飛ばせないかと尋ねた。


『あきら様、申し訳ないのですがその島までですと米軍保有と同等の大型ヘリじゃないと向かえないのですが、現在の天候ですと飛べません。そちらは晴れているようですが本州の方が悪天候なのです。落ち着かないと無理です』

「いつ飛べそうだ?急いでこの島から出たいんだ!」

『気象予報から言えば最短で明後日ですね』

こっちも明後日・・・それならフェリーの修復を待ってそれで本島に戻って飛行機に乗った方が早いか・・・。


「くそっ・・・!思う通りにならないな」

「美作さん・・・一体何があったの?どうしてそんなに急ぐの?」


泣きそうな顔の牧野が不安気に俺の後ろに立っていた。




b8c2740e37bc17478bd497031cc09bfb_t.jpg
関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/09/24 (Mon) 15:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは!

だから帰れないって(笑)
帰ったらこの先が困るんだって(笑)

何となくあきらのが1番怖くないですか?蛇にイモリに崖っぷち・・・ねぇ?
でも、まだ終わらないのよ。

ふふふふ、お楽しみにね?


やっぱり?シチューってそうじゃないんですよね?(笑)

我が家だけかなぁ・・・あ、実家だけどね。
カレーも本格的だからじゃないんです。普通にバーモンドカレーなのよ。
それをサラサラに作るんです。

お父さんは真っ黒になるまでソースも掛けてました。
子供の時は人間のご飯に見えなかった(笑)


まぁ、いいんですけどね。

さとぴょん様も苦労して作るのね!流石だわ・・・なんか手間かかってそう・・・。

食材に五月蠅いかぁ・・・そうね、そこはあまり言われると嫌かもね。
それに高くないですか?そういうのって・・・。

たまにはほんの少し『愛』というスパイスを入れてダーリンに出してあげてください♥


あっ!怒った(笑)

2018/09/24 (Mon) 20:02 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply