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<side竹本>

「お疲れ様でした。病棟に連絡します」
「あぁ、お疲れさん・・・家族への連絡がまだだったな」

「はい。患者さんが麻酔から覚めたらナースステーションの方で処理しますから」


つくしちゃんの手術は終わった・・・腹膜炎に至ってなかったから体へのダメージがより少ない腹腔鏡下手術で、時間も通常通り80分。
傷跡も残りにくいし回復が早い。抜糸がないから4~5日間で退院可能だろう。

時計を見たら西門と話してから2時間・・・すっ飛んで来るかと思ったのに来なかったな。
まさか気にならないわけでもあるまいに、俺が執刀するのが気にくわなくて来ないのか・・・本当にその程度の付き合いなのか?


手術着から着替えながらつくしちゃんのことより西門の行動のことを考えていた。
そして預かっていたつくしちゃんのスマホを持って彼女の病室に向かった。全身麻酔だからまだしっかり話せるほど覚めてはないだろうけど。


病室に入ったら4人部屋の窓際、まだ酸素マスクをした状態で目を閉じていた。
執刀はしたけれど、今は勤務中じゃないからそこにあった椅子に座ってつくしちゃんの寝顔を見ていた。


この子がねぇ・・・本当にこの子が道明寺財閥の跡取りの婚約者で花沢、美作って大企業の御曹司を虜にして、あの西門が必死に守ろうとする女の子なのか。
確かに可愛いと言えば可愛いが普通の子・・・まさに平凡ってタイプだろう?

家庭的ではあるがそれだけであの男達全員を?とてもそこまでの魅力があるとは思えないが、一緒にいて楽な気分にはなる。
こんな子だったら俺の言うことを何でも聞いておとなしくついてくるのか?

今は何の輝きもない石でも磨けば宝石・・・そういう子だからあの男達が離そうとしないのか?


それなら本気で考えなくもないかな。
この子を手に入れれば世界的に有名な企業の御曹司達に勝った気分・・・それも悪くはないか。

それに裏切る女もプライドが高い女も沢山だ。やっぱり俺に従順なヤツじゃないと・・・な。


「せっかく食事の後は楽しもうと思ってたのに・・・残念だったね、つくしちゃん・・・」


返事なんてするわけもないとわかっていたからわざと耳元でそんな言葉を出してみた。

ポケットから彼女のスマホを出して机の上に置いた。
そのスマホを見たが・・・あれから西門は電話もかけてきていない。



*************



東京駅についてすぐタクシーを捕まえてT大付属病院に向かった。

竹本と話してから3時間以上が過ぎていたが牧野の病状もなんの手術かも、それが終わったかもわからない。とにかく急いで病院に行ってそのまま西門の病院に転院させてやる!そのぐらいの勢いで運転手を急かした。


T大付属病院に着いたら当然もう診療時間外、救急外来の入り口に向かおうとした時、俺の名前を呼ぶヤツがいた。


「あら?西門さん?西門さんじゃありませんこと?」

その聞き覚えのある声に振り返ったら、そこにいたのは・・・桜子だった!

「桜子・・・お前、なんでここにいるんだ?牧野の所に来たのか?」
「え?先輩がどうかされたんですか?ここに今いるんですか?」

「・・・説明してる時間がねぇ!牧野、ここで手術してるらしいから!」
「えっ!何の手術?交通事故ですか?・・・あ、ちょっと、西門さん!」

「俺にもわかんねぇんだ!くそっ・・・!どこに行きゃわかるんだ?!」
「救急外来の受付かしら。今の時間の手術なら時間外だからそこしか聞くところはありませんわ!」

急に現われた桜子まで俺にくっついて救急外来に走って向かった。
そこには牧野は居なくて、手術をしてるはずだと言えば「調べるからお待ち下さい」と面倒くさそうに言われ、その看護師は処置室に入っていった。

座って待つ気にもならねぇからイライラしながら待合で仁王立ち・・・近くの親子連れが怖がってるが知ったこっちゃねぇ!


「おい・・・桜子。お前に聞きたいことがあるんだけど」
「な、何ですの?」

「なんでここに来たんだ?誰かに会いに来たのか?」
「・・・えっと、あの・・・お得意様が入院してるからお見舞いに来ましたの。面会時間はまだありますでしょ?それだけです」

「それなら行ってこいよ。牧野の事は俺がいるから問題ねぇし、気になるならあとで知らせてやるから」
「いえ、もういいですわ。先輩の方が気になりますし私のお客様はまだまだ退院できませんからまた今度でも・・・」

俺の顔なんか見ずに淡々と床を見ながら話してる・・・如何にも本当らしい言葉を出してるがおそらく作り話だろう。見舞いに来たっていいながら手にはなに1つ見舞いの品も花もない。
病院だから咄嗟に出る嘘はそれしかねぇもんな。


「もうひとつ聞いてもいいか?」
「今度は何ですの?個人情報ですからお客様の名前は答えませんわよ」

「そうじゃねぇよ。桜子・・・竹本秀一、知ってるよな?」
「・・・え?」

「まさか竹本に会いに来たのか?」

竹本と聞いて桜子が顔を上げた。滅多に見せない動揺した顔・・・いつも余裕綽々なこいつでもこんな顔するんだな。
そのぐらい竹本には惚れてんのか・・・?


「・・・どうして秀一さんの名前を西門さんがご存じなの?お兄様から聞いたんですか?」

やっぱりそうか・・・桜子は真由美と別れたあとの竹本と付き合ってたって事だな?
喧嘩して別れてもまだ未練があるって事を知られたくないから嘘ついたって事だろうな・・・どうでもいいけど。


「牧野をここに運んだのは竹本だ。俺も事情がわかんねぇけど牧野と竹本は一緒にいて・・・そして牧野に何かが起きて手術になったみたいだ。京都にいる俺に牧野から電話があったが出られなかったから、折り返したらあいつのスマホに竹本が出やがった。で、病名もなにも言わずに検査に入るって言いやがって電話を切られたんだ」

「先輩が秀一さんと?本当ですか?やっぱり・・・そうだったのね・・・」

「やっぱり?やっぱりって何が・・・」

この続きを桜子に問い詰めようとしたときにさっき声をかけた看護師が小走りで奥から出てきた。


「わかりましたよ、牧野つくしさんですね?先ほど手術が終わって病棟に行ってるはずです。消化器内科ですから6階の西病棟です。そこのナースステーションで聞いてください」

「消化器内科?一体何の手術だ?」
「ここでは申し上げられません。ナースステーションでご家族の方と判れば病状の説明があると思いますよ」

「・・・わかった!もういい!」

「あっ、西門さん!待ってくださいな!」


急いで6階まで行くエレベーターを探し、それに桜子と乗り込んだ。
夜間に入ってるから俺達以外誰もいない。さっき聞きそびれた事をここで桜子に聞いた。


「さっきの話、やっぱりってなんだ?」

「え?あぁ・・・もしかしたらですけど竹本さん、初めから先輩のことをわかってて声をかけたかのしれませんわ」
「は?初めって・・・そりゃロスだぞ?その時点でもう牧野の事を知ってたのか?」

「はっきりしたことは本人から聞かないと判らないですけど・・・竹本さん、先輩のお顔を覚えてたんじゃないかしら」


どういう事だ?
あの空港で既に牧野の事を知ってて声をかけた?もしかしてあの時から俺の事も知ってたのか?


「ごめんなさい・・・私が何度も写真を見せてしまったんです。楽しかったあの頃の・・・高校時代の写真ですわ。そこには道明寺さんも西門さんも写ってて、何度も聞かれましたの。この子は誰だ・・・って」

「牧野の事か」


「えぇ。この男性達全員が恋してる特別な人ですわ・・・って、私がお話ししたんです」




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2018/09/18 (Tue) 13:03 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは!

あっはは!いいじゃないですか!
竹本君、これで評判ガタ落ちなんだからせめて天むすぐらい渡してあげて♥

総ちゃんにはもっと素敵なものを・・・さとぴょん様そのもの、とかね?

駅のホームで自分にリボンかけて待っててください。
きっと総ちゃんが拾ってくれる・・・と思う。


もしかしたらダーリンが待ってるかもしれないけど。
(あっ!怒ったな?笑)

2018/09/18 (Tue) 21:07 | EDIT | REPLY |   
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2018/09/18 (Tue) 23:43 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・怖い怖い(笑)

種だけだと紫色にはならんのですか?

くれぐれもバレないように・・・ん?いや、違うか!
やっちゃダメじゃんっ!(笑)


優しくしてあげて♥

2018/09/19 (Wed) 00:01 | EDIT | REPLY |   

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