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牧野がこいつの部屋に行っただなんて信じられなかった。男の部屋に・・・しかも1度食事に誘われて近寄ってきた男なのに!
あの馬鹿・・・また上手く断れなかったのか!


「それに俺が部屋を訪れたこと、伝えなかったんだな。ついでに返事を聞こうと思ったのに・・・でも部屋まで来てくれたんだから俺を選んでくれるって事かもな。西門なんて堅苦しくて面倒なだけだし、それがわかったんじゃないのか?」

「牧野が何か言ったのか」

「別に何も?作ったくれた食事が終わってから色々話そうと思ってたのにこうなったんだ。その答え次第じゃ今日は俺の部屋に泊まったかもしれないけど」
「秀一さん!なんてことを・・・!」

俺よりも先に桜子の方が我慢出来なくて大声を上げた。
その声で看護師が血相変えて飛んで来たが、竹本が「入るな!」とひと言言えばそいつらは何も言わずに部屋から出て行った。

あのホームページにあったこいつの顔からは想像できない怒鳴り声。
でも看護師の様子からするとこれが普段の竹本の姿ってことかもな・・・表と裏があるってわけだ?


そんな事はどうでもいいがすげぇムカつく・・・こいつにもだが牧野にも・・・だ!!


「お前が待ってる返事ってのは”俺と付き合わないか”・・・ってことか?男慣れしてない牧野に近づいて大人の色香で迷わせたとでも思ってんのか?悪いがあいつはお前なんかに落ちたりしねぇぞ?」

「・・・何だと?」

あの司が心底惚れて、類もあきらも惚れて・・・で、この俺がずっと傍に居るんだ。これだけの男達が何年も見続けてるのに、横からひょっこり出てきたこんな男に牧野が返事なんかするわけがない。

どうせ上手い言葉が見つからなくて、こんな男でも傷付けたくなくて言葉を選んでるうちに時間が過ぎて・・・そんなところだろう。


「お前の前の彼女・・・祥一郎と仲良さそうにうちに来たぜ?話を聞いたら随分縛り付けてたんだな。女が自分の言う通りにしなかったら許さねぇって?お前にとって女って持ち物なのかよ」

「・・・持ち物だと思った事はない。ただ女性には男を立ててもらいたいと思ってるだけだ。出しゃばるのも気に入らないし裏切るなんて問題外だ」

「裏切りねぇ・・・二股かけられたって思ってるみたいだけど、真由美って女は祥一郎と付き合う前にもうお前から気持ちは離れてたみたいだぜ?聞く耳持たねぇし自分から離れるだなんて考えもしねぇだろうから祥一郎が奪ったって思ってるかもしれねぇけど」

「そんなはずはない!西門が手を出さない限り真由美が俺から離れるはずはないんだ!研修医のくせに生意気な・・・どうせ勘当されたっていってもバックには西門がついてるんだ!それをチラつかせて真由美を唆したに決まってるじゃないか!
なんでも思い通りにしたいのはお前達の方だろうが!」

今まで冷静な男を演じていた竹本が初めて俺の前で感情的になった。
これには桜子も驚いて俺の方に身体を寄せたぐらいだ。


「祥一郎は確かに勘当されてたぜ?どっかの安アパートで独り暮らしして勉強して、やっとの思いで免許とったんだ。それまでなんの援助もしてねぇけど流石に本気だってわかったから今じゃ出入りを許されてるけどな。
金だって渡したりしてねぇよ・・・お前が考えてるほど優しい家じゃねぇからな」

「それでも有り余る財力を持つ家だ。失敗したって何も困らないから趣味で医者を目指したような男に、どうしてこの俺が婚約者を奪われなきゃいけなかったんだ!許さない・・・西門みたいな男は絶対に許せなかったんだ!だから・・・」

竹本はハッとして口を噤んだ。
今でも自分が恨んでるのは祥一郎で、許せないのは西門家。これまでの行為はただの憂さ晴らしで牧野への恋愛感情なんか何処にもないって言ってるようなもんだ。


「お前・・・牧野の事が気に入って声をかけたんじゃなくて、俺から奪うつもりで近寄ったんじゃねぇのか?
自分が祥一郎に女盗られたからってその腹癒せに西門ってブランドより自分の方を選ばせて、それでただ優越感に浸りたかったんじゃねぇの?」

「・・・・・・」

「桜子から写真見せられて牧野の事も俺の事も聞いてたんだってな。ロスでも偶然装って声かけたってとこじゃねぇの?
わざと高級時計チラつかせて俺の横を通り過ぎ、羽田では運命の出会いってのを演出したくて俺達が出てくるのを待ってた・・・違うのか?」

「秀一さん、私にも何度も先輩と西門さんの事を聞きましたよね?そりゃ、お2人は付き合ってなくて先輩は道明寺さんの婚約者でしたけど、その辺りのこともデートの度に聞いてましたわよね?本当はどうなんです?牧野先輩を何かに利用しようとしたの?」


こう見えて桜子は牧野の事を男友達以上に大事にしてるヤツだ。
竹本が牧野を利用したとなれば許さないだろう・・・今はまだ未練があるのかもしれないが、もしそうならこの恋もすっぱり捨てるだろうな。

竹本はそんな桜子を横目でチラッと見たが、すぐに視線を逸らせて憮然とした表情で答えた。


「あぁ・・・そうだ。研修でロスに行ったときに桜子から見せられた写真によく似た子が1人で座ってるのを見掛けた。
驚いて回りを見たら西門が何処かに電話していた。その時はなんでこの2人がこんな所にいるのかと不思議に思った・・・この女の子も道明寺を裏切ってるのかとね。でも、話を聞いたら彼女は道明寺と別れるためにアメリカに来ていて、西門は仕事で渡米していて偶然会ったんだとわかった」

「それじゃ・・・やっぱり先輩を騙したの?」

「・・・彼女はどうだか知らないが西門は完全につくしちゃんに惚れてるんだってわかったからフリーになったのなら俺がもらおうと思った。真由美を奪った西門の弟が惚れてる女を今度は俺が・・・。しかもあの道明寺と付き合っていた女・・・花沢、美作が争ったっていう女を恋人に出来たらいい気分になれるかと思ったんだよ!
勝者ってヤツだ・・・そいつらより俺の方が男として上だってな!」

「そんなわけないでしょう!そんな考え方おかしいです!」


興奮して竹本に詰め寄ろうとした桜子を手で止めた。
馬鹿馬鹿しい・・・こんな男に話す事なんてもう何もない、俺はそれまで苛立ってたものが逆に冷めてしまった。


ガタンと席を立ちこの部屋を出ようとした。


「おい・・・手術の説明をしたいから親の電話番号教えろ。聞いたんだろ?」

「無事に終わったんだろ?それなら説明はいい。親には俺から電話しといてやる。で、明日にはここから転院させるから。
支払いだろうが手術承諾書だろうが必要なものは西門で処理するから気にすんな」

「・・・お前!」


「ひと言だけ言っておくが牧野は絶対に縛られねぇ女だ。だから真由美よりも桜子よりもお前には似合わねぇよ。自由な羽で1年中飛んでないと息が出来ないヤツだからな・・・で、それをさせてやれるのは俺だけだ」

「自由な・・・羽?」


「・・・世話になったな、竹本センセ」


悲痛な顔をしている桜子をこの部屋に残して俺だけが出ていった。
この2人にも話し合いは必要だろう・・・もう、戻ることはないにしても。


竹本のことはもういい・・・問題は・・・牧野だ!!



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2018/09/20 (Thu) 13:30 | EDIT | REPLY |   
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2018/09/20 (Thu) 13:34 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんばんは!

お久しぶりです~♥毎回楽しく読んでますよ~!電話、大変でしたね!
同じ事をエアコンでうちの親がやりましたよ。悪かったのはリモコンだけだったってやつ。


で、お話のほう。

あはは、どうだろ?総ちゃん、怒ってますからねぇ。
目を覚ました瞬間に「馬鹿野郎っ!!」かもね(笑)

自分がヘタレなのは棚に上げて困ったもんです!

焦れったい・・・ははは!そうでしょうね!そんな総ちゃんを書きたくて書いてるんで(笑)

え?・・・それ書かなきゃいけないんですか?(笑)
ほら、一応恋愛二次小説だから・・ねぇ?


しばらく雨みたいですね。
私は雨が好きなので助かるんですが、衣装を届けるのに雨は困る・・・💦
今度の3連休もお仕事です・・・とほほ!

2018/09/20 (Thu) 22:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

ほほほ、桜子がいなかったら演技したかもしれませんがねぇ。
でも、実はまだ出てくるんですよ、この人(笑)

もうしばらく話しに絡んでくるんで見届けてやってください。


確かに・・・。
西門で自由にしたら「喧仲」になってしまう!
この家に自由はなさそう・・・しかも夜は拘束でしょうしね(笑)

今から総ちゃんがどう出るか、残念ながら病人なので何も出来ませんが(笑)
お楽しみに~!

2018/09/20 (Thu) 22:51 | EDIT | REPLY |   

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