FC2ブログ

plumeria

plumeria

高いビルが全然見えなくなった・・・車は何処かの埠頭のような場所に向かっているみたい。
大きな倉庫やトラックなんかが少しだけ窓から見える。森本君にナイフを突きつけられたまま、震えながら彼と窓の外を交互に見ていた。

さっきの言葉から考えても、運転してる人も西門さんを知ってるみたい・・・彼を呼んでどうする気なんだろう。
腕や手を傷付けられたら・・・そう思ったらゾクッとする。


しばらく同じような風景の中を走っていたけど、そのうち小さな倉庫の横で車は停まった。
運転していた人が先に降りて倉庫を開けて、森本君が私に「降りろ」と命令する・・・その時もナイフは私の顔の前で光っていた。

ゆっくり降りて周りを見たら、もう随分薄暗くなってて潮の香りがするからすぐそこが海だってわかる。
背中を押されて倉庫の入り口に向かったら少しだけ開いてる錆びたシャッターから中に入れられ、奥の方からは小さな灯りが漏れていた。


まさかここで私に乱暴する気じゃないよね?2人がかりで・・・そんな事になったら私、逃げられるんだろうか。

でも西門さんを呼ぶって言ってた。
私に乱暴したあとで呼ぶつもり・・・じゃないよね?どうしよう、そんな事になったら・・・!


奥の方に突き飛ばされるようにして入ったら、そこにある小汚い椅子に座らされた。
そして両手をガムテープで縛られて背もたれの後ろで括られて動けなくされ、足首にもガムテープを巻かれた。そのあとで私の鞄からスマホを取り出した。

また目の前に森本君がナイフを突きつける。でも、その手は震えていた。
ホントはこの人、こんな事する勇気なんかないんじゃないの?って思ったけど恐くて声には出来なかった。


「西門にで、電話・・・電話しろ!」
「えっ?西門さんに?ど、どうしてよ」

「いいから今の自分の状況を説明すりゃいいんだよ!そっ、そうしたらすっ飛んで来るんだろう!」
「なんでそんなことしなきゃいけないのよ!何が目的なのよ、あんた達!それに手を縛っておいて電話しろって言われても出来ないわよ!」

やっぱりここに西門さんを呼ぶ気なんだ。
周りを見たら鉄パイプや瓶なんかもゴロゴロしてて武器になりそうなものだらけ・・・しかも森本君がこんなナイフ持ってるんならもう1人の男だって何か持ってるはず。

西門さんが喧嘩するところなんて見たことはないけど、私が捕まってることで不利になるのは目に見えてる。そんな場所に呼び出すわけには行かない。
「嫌だ!」って言ってそっぽを向くとナイフを首元にグッと押し当てられた。


「それもそうだ。おい、こいつのスマホ貸せ」
「あぁ?どうすんだよ!」

「貸せって言ってんだよ!俺がかけてやるから」

もう1人の男の指示で森本君が私のスマホを投げ渡した。
そして電話帳から西門さんを出して通話ボタンを押す。そのまま私の耳にスマホをくっつけた。


『・・・おい、牧野?お前今どこだ?』

西門さんの声が聞こえた!もうマンションに戻ってるんだ・・・どうしよう、ここで声を出したらこの人は間違いなくここに来るだろうけど、そんなことしたら何が起きるか・・・!
私は何度も名前を呼ばれたけど何も言えなかった。

『おい、こら!なんで黙ってんだよ!病院から連絡あったんだぞ!まさか・・・今更怖じ気づいて逃げてんじゃねぇだろうな?逃げられると思うなよ?』


こんな時に何言ってんのよーっ!!そんなこと言ってる場合じゃないっつーの!



***************



牧野からの電話に出たのに何も言わない。
それに何の雑音もしなくて妙な電話だった。どこからかけてんだ、こいつ・・・。

「おい、いい加減に何か話せよ。いつ帰って来るんだ?病院出た時間は聞いてんだぞ?」

もう1度話しかけたがそれでも何も言わない・・・もしかして、何かに巻き込まれたのか?そんな嫌な予感がした時に聞き慣れない声が返ってきた。


『・・・西門か?』

「は?あぁ、そうだ。お前、誰だ?なんで牧野のスマホからかけてる?あいつはそこに居るのか?」

『女はここにいる。お前に説明しろって言ったのに何も喋らないから俺が喋ってんだよ』


「・・・牧野の声を聞かせろ」


やっぱり聞いたこともない声だ。

だがそんなことより牧野が誰かに拉致られたことの方がヤバい・・・本当にそこにあいつがいるのか声を聞かせろと言えばしばらく無音になったからスマホを耳に押し当て息を殺した。

掌が暑くなって汗が滲む・・・捕まった挙句何かされたんじゃねぇよな?イライラしながら待っていたらガタン!と大きな音のあとに牧野の泣きそうな声が聞こえた。


『・・・もしもし、西門さん?あ、あの・・・』
「大丈夫か?怪我はしてないのか?他に・・・何もされてねぇな?」

『う、うん、大丈夫。でも、でも・・・きゃあぁぁーっ!!』
「牧野!!どうした、牧野!」

牧野の悲鳴が響いて、また何かを蹴り飛ばしたか投げ付けたかのような金属音がスマホから聞こえてきた!
「良平!あんまり音をたてるなよ!」、そんな声が聞こえたがそいつの声も聞いたような聞かないような・・・良平って名前にも覚えはなかった。


『声は聞けただろう?いいか、今から言う場所にお前1人で来い。他の奴を連れて来たらこの女がどうなるかわかんねぇぞ』

「どこに行けばいい?てか、お前誰だ?失礼なヤツだな・・・先に名乗れよ」

『来てから教えてやる。場所は・・・』


良平という男が指定したのは新木場の海側にある若洲海浜公園横の倉庫の1つ。1番端にワンボックスカーが停まってるからその目の前の倉庫にすぐに来いと言われた。

『西門さん、来ちゃダメだよ、2人もいるんだよ!!ナイフだって・・・きゃああぁーっ!』
『喧しいっ!哲也、この女黙らせろ!!』

「牧野っ!!今から行くから待ってろっ!いいか、牧野に手を出したらお前ら命ねぇからな!!」

『西門さん!西っ・・・!』
『黙れって言ってるだろうが、こいつ!!』

「牧野・・・?牧野ーっ!おいこら、何しやがった!!」

急に牧野の声がしなくなってガタガタと何かが倒れるような音や、バタバタと足を鳴らしてるような音が聞こえる!
くそっ、牧野に襲いかかったんじゃないだろうな・・・!


『騒ぐから口を押さえただけだ。でも、お前が来るのが遅かったらどうなるかはわかんねぇけどな』


その言葉を最後に電話は切れた。

若洲海浜公園だと?そんなところにこの俺を呼び出すとはいい度胸だ。
しかも牧野を人質に取るとは・・・。


この俺を怒らせたらどうなるか・・・思い知らせてやる!!




motorcycle-2197863__340.jpg
関連記事
Posted by

Comments 6

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/10/02 (Tue) 12:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

Aria 様、こんにちは。

こちらこそです。
足跡を残したり残さなかったりですが私もお邪魔させていただきますね。

仕事とこれと家事で中々読みには行けないのですが暇を見つけて遊びに行きます。

私も素人でブログ慣れしてないのですが、困ったことがあったらいつでもどうぞ♥
(私自身はめっちゃ頼りない人間ですが相談できる先輩方に囲まれていますので(笑))


これからもどうぞ宜しくお願い致します。


2018/10/02 (Tue) 14:29 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/10/02 (Tue) 16:15 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは。

良平、誰それ(笑)誰だろう・・・?あはは!

怒るよね、ここまで来てこんな展開(笑)
マジ、ウケる!(爆)
絶対にさとぴょん様、怒るだろうなぁって思いながら書きました。

この続きにもお怒りマックスになるとは思うけど、「待て」が出来るようになったって言うから待っててください!


でね、今になってすっごく「森本」って名前に違和感を感じたんだけど・・・。
「雪の結晶」で森本って悪い奴を書いた事をすっかり忘れてて、同じ名字を使ったことに今日気が付いた!

他にも感じた人がいるのかな・・・って書いてる人が今日思い出したのにね!

失敗したなぁ・・・ってちょっとショック。

2018/10/02 (Tue) 17:57 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/10/03 (Wed) 15:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは。

あっはは!違う違う!
良平君はホントにどーでもいい人だから!

ホントに出したらお伝えします(笑)
いつだそうかなぁ・・・格好いいヤツとか嫌だなぁ(笑)

私が大っ嫌いなキャラにつけてやろ♥

そう言えば先週のドタバタの時に久しぶりに会ったんですよ。本物に・・・。
姿を見た途端、走って逃げました!
マジ、見ただけで怖いんだもん(笑)

お母さんに聞いたら

「台風ばっかりで釣りに行けないから機嫌が悪くてねぇ・・・」
「・・・知るかっ!!台風に文句言えっ!!」


そうねっ!私もさとぴょん様に言われたからこの先も「本」でいこうと思っています(笑)
オリキャラノートでもつけとかなきゃ(笑)

2018/10/03 (Wed) 16:04 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply