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「きゃああぁーっ!西門さん、後ろーっ!!」

私の声にハッとした西門さんが振り向くと同時に鉄パイプが振り下ろされ、瞬時にそれを避けたけど左腕を掠めて蹌踉めいた!
ちょうどそこにあった空き缶のような物に躓いて西門さんが倒れた隙に、森本君がまたヨロヨロと起き上がって椅子ごと私を掴まえナイフを喉に・・・!


それを見て「この野郎!」って立ち上がった西門さんに、また良平って人が鉄パイプを振り回した!
そのうちのひと振りが彼の脇腹に当たり、そこを手で押さえた瞬間にパイプの先端が西門さんの額に当てられた!

「動くな!!動くとこの女の喉を切り裂くぞ!」
「・・・!!」

「西門さん、西門さんっ!!ちょっと離してぇ!いやあぁーっ!!」
「さ、騒ぐなって言ってるだろう!動くとホントに切れるぞ!」


額のド真ん中に鉄パイプを押し当てられ、西門さんが脇腹を抱え込んだまま立ってる・・・その前にニヤリと笑った良平さんが立ってて今にもそのパイプで彼の顔に傷をつけようとしてるかのようだった。


ただ、西門さんはそうされても怯えるわけでもなく相手を睨んでる。

その目はやっぱり私が見たこともない怒りに満ちた目・・・道明寺でさえこんな目で人を見たことがあるだろうかって思うほど恐ろしくて、それが私を守るためだと思うと嬉しいけど怖かった。


「ちょっといい男だからって調子に乗りやがって・・・その顔に一生消えねぇ傷でもつければ2度と女も寄って来ねぇだろうよ!」

「・・・はっ!そんなことがお前に出来んのかよ。この俺の顔に傷?・・・笑わせんな!」

「あの女がこっちにいる限りお前は手出し出来ねぇんだろ?どこがいいんだかわからねぇが、あんなガキみたいな女に入れ込んでるってのには笑いが出たぜ!」

「そうか?お前みたいなヤツにわかってもらわなくて結構だ。そんなくだらねぇ話しなんかどうでもいい・・・牧野を離せ。離さねぇと本当に痛い目見るぞ?」

「ははっ!言ってろ!!この状況で何が出来るんだ?お前が俺に刃向かった瞬間に哲也があの女をヤるぞ!」


西門さんの目がチラッと私を見る・・・そうしたら森本君がまた私の喉の真ん中にナイフの刃先を立てた。
流石に眉を顰めて今度は森本君を睨んだ。同じように鋭い視線で、森本君はそれを見たらナイフの先が震えだして、立ってる足もガクガクしてるのが伝わってきた。


私はこの間に足首に巻かれたテープを上下に動かしながら少しずつ緩めていた。
そっと椅子の下に足を入れて隠し、そこで動かしたけど興奮してる森本君も西門さんに集中してる良平さんも気が付いてないみたい・・・。

女だと思って油断してあまり巻かなかったのか、それとも紙製のガムテープだから強度がなかったのか・・・随分隙間が出来てきたような気がするけど、それも悟られないように息を止めて足を動かし続けた。

手首の方は椅子にも巻き付けられてるからビクともしない。
私はとにかく動けるようにしたくて足に意識を集中した。



そのうち西門さんが小さく息を吐いた。
拳を握っていた両手を緩めて良平さんの方を見て、さっきまでの怖い顔じゃなくて素の表情に戻した。

どうしようって言うの?西門さん、まさかこの人の好きにさせようって言うの?
私が捕まってるせいで何も出来ないから?

そんな・・・そんなことして怪我でもしたら・・・!


「・・・仕方ねぇな。お前の好きにしろよ。でも、どのぐらいで牧野を解放してくれるんだ?まさか俺の息の根を止めるまでってことはねぇだろうな」

「それでもいいならそうさせてもらいてぇな・・・お前みたいな男は見てるだけで虫唾が走んだよっ!」

「はっ、悪かったな。人より数段男前に産まれたのは俺のせいじゃねぇけどな」
「喧しいっ!!そう言うひと言が胸くそ悪いんだよっ!」

次の瞬間、鉄パイプを放り投げた良平さんの拳が西門さんの左頬をすごい速さと力で殴りつけ、彼はその勢いで床に転がって倉庫の壁に身体を打ち付けた!その衝撃で近くの廃材が西門さんの上に落ちてきて、両手で頭を庇った時に「うわぁっ!」って大声をあげた!

「いやあぁーっ!西門さん!止めて、もう止めてぇっ!!」
「お、おいこらっ!動くなって!おい!!」

「哲也、女を黙らせろ!」
「もう止めてぇっ!!西門さんに近寄らないで!その人を傷付けたら私が許さないわよ!」

「喧しい!!お前は西門がやられる所をそこで見てろ!お前のせいでこいつはボロボロになっちまうんだよ!!」
「だめえぇーーっ!」


私たちの声が響く中、崩れ落ちた廃材を押し退けて西門さんが口元を拭いながら立ち上がった。
何処か怪我したんだろうか、左腕の袖口から流れ出した血が指を伝って下にポタポタと落ちてる。


「西門さん・・・血が、血が出てる!やだ・・・もう止めて・・・逃げて!西門さん!!」


私の言葉に返事もせずに、右手では頭を押さえながら首を少し横に振った・・・その時、今度は良平さんが西門さんのお腹を蹴り飛ばして、ガタン!と凄い音を立てながらもう1度同じ場所に倒した!

お腹を押さえてる西門さんの顔が歪む・・・苦しそうな顔をした彼を初めて見た・・・。


「はっ!どうだ?何も出来ねぇだろう?そんな痛い目に遭ってもこの女が大事かよ!馬鹿じゃねぇのか?!」

「・・・効かねぇな、この程度じゃ・・・それに、そいつは自分より大事な女だからな。守るためなら・・・このぐらいどうってことねぇよ」

「くっ!・・・カッコつけやがって・・・それならもっと痛い目に遭わせてやる!!」


また良平さんが落ちてる鉄パイプを拾って両手で握った。
西門さんは血の混じった唾を吐き捨ててこの人を見てる。でも、自分から攻撃しようとはしていなかった。


「この野郎ーっ!!覚悟しろやぁっ!」

その声が響いた瞬間西門さんに向かって鉄パイプが振り下ろされ、彼はそれを背中で真面に受けてまた床に倒れ込んだ!その後も数回、西門さんの背中を殴りつけ、私はもう見ることが出来なかった。

「いやあぁーっ!もう止めて、止めてってばーっ!何よ、あんた卑怯じゃないの!!・・・止めてぇっ!!」
「うわあぁっ!動くなって言ってんだろうが!」

「煩い!あんたも離しなさいよ!そんなもの怖くないわよ、刺したいなら刺せばいいじゃないの!!」
「な、なにっ?!」


「何やってんだ、哲也、その女を黙らせろっつってんだろ!騒ぐなら刺したって構わねぇ!」

「くそっ・・・牧野!お前は黙って目を閉じとけ!俺の方を見るなーっ!」


西門さんの掠れたような声が聞こえたとき、私の足のテープが切れた!


私は無我夢中で森本君の腕が緩んだ隙に椅子から立ち上がり、半腰状態のまま手首に繋がれてるその椅子を思いっきり振り回した!
森本君は私の事より前で喧嘩してる2人のことで気が動転していたのか、いきなり身体に椅子が当った衝撃で後ろにひっくり返り、そこにあった鉄の柱に頭をぶつけた!

低い呻き声が少しだけしたけどどうやら気を失ったみたい。その光景を見た良平さんが今度は私の方に向かって鉄パイプを振り上げてきた!


「何しやがんだ、この女!!舐めてんじゃねぇぞ!!」
「きゃあああぁーっ!」


「・・・牧野ーっ!!」




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2018/10/04 (Thu) 13:19 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

ホントにごめんっ!!もう1回謝っとくっ!!(笑)

でも、ここが終わったら楽しさ満載だからっ!
もう少し我慢してっ!

書いてて自分でもどうしようかと思ったけど・・・ごめん!総ちゃん!って事でね・・・つい。


実はこのシーン、自分で椅子使って実証してみたら勢い余って襖を破りました。
つくしちゃんが椅子、振り回すところね(笑)

ホントに出来るのかな?って・・・出来たけど、そのあと始末が大変でした。
(2度と実証は止めようと思った・・・)

2018/10/04 (Thu) 18:58 | EDIT | REPLY |   
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2018/10/04 (Thu) 23:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、ダメダメ!

見つからないように、今襖にコート掛けてるのよ!(笑)
今の時期にコート?ってなるんだけど、これを退かすと穴が・・・。

襖紙ってのを買ったんだけど、これを貼るのに1人で出来るのかどうか・・・。

マジで困っています💦

2018/10/04 (Thu) 23:53 | EDIT | REPLY |   

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