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plumeria

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桜子と西門さんの車で買い物に行ってアパートに戻ってきたら、美作さんと類が待っていた。
二人とも本当に早く切り上げてくれたんだね?

「ごめんね!待たせた?買い物が沢山ありすぎて・・・」

「いいよ。今来たところだから。荷物どれ?持ってあげるよ」

え?それはいいんだけど・・・この量の荷物を見たら類はどう思うんだろう・・・。1人暮らしに見えない量の日用品達・・・。
まさか、類までそんな風に取らないよね?あの二人が変なことを言うから気になるじゃないの!

「花沢さん、じゃあ!これ全部がそうですの。私と先輩はお部屋の方に行きますから男性方で運んで下さいね?」

桜子がそう言って私の腕を掴んでアパートに入ってった!
いや!少しくらいは自分で持てるからっ!そう思ったけど桜子の勢いに負けてしまった。


******


「総二郎、早く来たんだね。買い物ってこれ全部?すごくない?この量・・・」

総二郎の車の中はとんでもない量の日用品で埋めつくされてた・・・って言うか総二郎の車と思えない光景だ。
多分、総二郎の車って女の子以外で乗ったものってこれが初めてじゃないの?眉間に皺寄ってるよ?総二郎・・・

「何でと思う?こんなコトしたの桜子だぜ?」
「わかりやすいな!牧野は気が付かなかったのか?」

「桜子にからかわれてたから、わかってんじゃないの?どうすんだよ。類」

・・・どうするって言われてもね。まだ恋人じゃないって言われたばっかりなんだけど。確かに三条がやりそうなことだね。
牧野が真っ赤になって抵抗したけど、三条の方が何枚も上手だろうから負けた・・・ってとこかな。


「それなら、もうお預けくらったから・・・まだダメだってさ」

「さすが牧野!類の押しが弱かったんじゃないのか?もう少し俺たちが教えてやれば良かったな!総二郎!」
「だな!お前ダメって言われたら、はい、そうですかって終わるんだろ?相手を考えろよ?牧野だぞ?」

「・・・うるさいよ!喋ってないで運べよ。これだけあったら一回じゃ終わんないよ」

俺だって考えてないわけじゃないんだ。でも、牧野がまだ準備出来てないって言ってるのに焦らせるようなこと
したくないんだよ。もう、俺の側からいなくならないんなら、ゆっくり待つって決めたんだから。
本当は今すぐにでも自分のものにしたいけどさ・・・

結構重たい荷物を3人で2往復して運び終えた。
そして、約束どおり、美作家御用達の家具屋から牧野の部屋にとんでもない家具が届いた。・・・ほらね?


******


「どうしたらいいの・・・?これ」

2DKの部屋に突然入れられたこの家具・・・どうやったらこの中で生活できるって言うの!
美作さん家から届いた家具は思ったとおり、どこの国のものかわかんないような装飾がされたものでとにかく
大きかった!ベッドなんてどうしてダブルなの?こんな小さな私が寝るのよ?

この食器棚なんてどれだけ食器を入れたらいいの?一人だって何回言ったらわかってくれるの?
そして、このソファーはどこに置くの?これを置いたら動くところがないんだけど!

「あら?先輩いいものいただきましたわねぇ。洋服タンスはあちらでしょ?じゃ、今度は私の番ですわね」

今度?今度ってなに?もうなにも入らないわよ?
そう思ってたらどこかに電話をかけてる・・・すぐにチャイムがなった。

「私の家のものですわ。ご心配なく!ちょっと失礼・・・」

桜子が抱えてきたものは・・・私ための服?そんなにたくさん?
しかも、そんな大胆な服はこの私のボディでは返ってみっともないんじゃないの?
ミニスカートはいいとしても、そのスケスケのブラウスも胸のラインが丸見えではないの・・・?
なんでそんな見せる為の服を選んでくるのよ!服は隠すためでいいのにっ!

「すぐに必要ですもの。女の子はまずは見た目ですわ。先輩はすぐに手を抜くから私が準備しないと!」

そう言って持ってきた服をタンスに入れ始めた。・・・いや、だから普通の服が良かったよ・・・桜子。


「牧野、俺んとこからはこれ持ってきたぞ?よくわかんないから、お前これ片付けてくれよ」

西門さんが出したのは・・・多分高級な物だと思われる食器類・・・。どれだけ持ってきたの?
これも1人用じゃないじゃない。・・・5客セット?あなた達の分が入ってるじゃないの!
もしかして、この狭いアパートで宴会でもするつもりじゃないでしょうね?


住人のはずの私をそっちのけで勝手なことばかり・・・って振り向いたら4人が部屋を片付けてくれていた。
思わず大きな声を出しそうになったのに、その光景を見たら自分の手が止まってしまった。

自分の服を持ってきた桜子が、手際よくその服を片付けていく。
カーテンなんて付けたこともないだろう西門さんが意外と器用に付けてくれてる。
潔癖症の美作さんがテレビやDVDの配線をしてくれてる。
面倒くさがりの類がベッドメーキングをしてくれてる。


あれ?・・・どうしたんだろう・・・眼がおかしくなっちゃった?
みんなが霞んで見えなくなってきた・・・私の頬を涙が伝わってる・・・?


「あ、あれ?どうしよう・・・?なんで?」

「牧野?どうしたの?」


類が気が付いて声をかけたら、外の3人も手を止めて私の方を見た。

「ごめん・・・何でもないの。ただすごく嬉しくなっちゃって・・・私のために本当にありがとう・・・」

そういうのが精一杯で、今度は顔を上げることが出来なくなった。
みんなは黙って作業を続けてくれた。そっと手の上に載せられたハンカチ・・・類が持ってきてくれた。


何にも待たない私を、この人達はどれだけ助けてくれるんだろう。

ごめんね、みんなに片付けてもらってるのに・・・少しだけ泣いててもいいかな。
小さなアパートの台所で嬉しすぎて泣いた私だった。


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