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plumeria

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「あれ・・・ここは・・・?」

真夜中になって目が覚めた。うっすらと見えるこの感じ・・・ここは類のマンションだ。
そうだった。あのあと、類にマンションに連れて帰ってもらったんだった・・・。

類は?・・・って横を見たら、良かった。類がちゃんとそこにいる。安心したら涙が出てきた。
少しだけ声をだしてしまったから類の身体がピクンって動いた。


「ん?・・・牧野、起きたの?」

「あ、ごめんね。・・・寝てていいよ。類」

「いい。牧野が起きるんなら」

そうは言うけど眼が開いてないよ?類・・・。少しだけ眼を開けて類が私の方に身体を向けた。

「私もこのまま寝てるから・・・だから類も寝ててよ」

そう言うとまた目を閉じた・・・と、思った途端、私の腕をぐいっと引き寄せて、そのまま類の胸の上に顔をぶつけた。

「痛っ!ちょっと類・・・何をするのよ・・・」
「だめ・・・こうしてて?俺が不安になるからさ・・・」

って寝てるくせに・・・そんなに力を入れたら痛いんだけど?私が身体を動かしてたら余計に類も力が強くなる。

「類・・・やっぱり痛いから、少し力を緩めてよ・・・」
「今日は叫ばないんだね?前はすごい声出したのに・・・どうして?」

あ、そういえばそうだね・・・。帰国したときはいきなり隣に類が寝ててびっくりして大声出したんだった。
あれからそんなにはたってないのにね。
でも、そうなのかもしれない・・・こうしてるのが類だから、確かに安心してる自分がいる。

「どうしてかな・・・自分でもよくわからないけど」

もう認めてもいいのかな。この気持ちがなんなのか、声に出してもいいのかな・・・
類の顔はすぐ近くにあって少し見上げたら眼が合った。
その私を見下ろす彼の顔はすごく切なそうに見えた・・・そんな顔をさせてたなんて・・・

その眼を見ていたらやっぱりそうだって・・・類の事を好きなんだって素直に認めてしまった。


「牧野・・・もうそろそろ決心しない?それともやっぱりまだ早い?」

「類は私から離れない?いつも側にいてくれる?」

「もちろんいるよ。今日は守ってあげられなかったけどこうやってここに戻ってきてくれたから・・・
今、ちゃんと牧野からの言葉を聞きたいんだ。もう二度とこんなことが起きないように、友達じゃなくて恋人として
あんたを守りたいって思ってる。牧野の返事を聞かせて?」

抱き締めていた手を離してベッドから起き上がった。
ちゃんと類と正面から向き合って座り直した・・・。それでも片方の手は類に握られたままなんだけど。


「今日ね・・・すごく怖くて、このまま類に会えなくなったらどうしようって本気で思ったの。もう夢中で類の
所に戻りたくて逃げたような気がする・・・もう一度帰って来れて良かった・・・」

「牧野・・・答えて?」

類は私の言葉をすごく急かしたけど、これまでのことを思うと言葉が出なかった。
再会してから1ヶ月・・・次の恋に向かってもいいのかどうか迷ってしまう。

「類は気にならないの?3年も道明寺の彼女だった私なのに・・・そんな私が気にならないの?」

「ならないよ・・・だってその3年間は司よりも俺の方が牧野を見てきたんだから。司よりも牧野の事を知ってるって自信もある。
牧野もきっと同じだよ。3年間、本当は司じゃなくて俺を見てたって認めなよ・・・」

類の両手が私の頬を包んだ。そしてゆっくりと類の顔が近づいてきて深くて甘いキスをくれた。
今までの軽いものではなくて、類の本気のキス・・・息が出来ないほどの。

「ほら、こうしてるとわかるだろ?牧野はもうずっと前から俺の方を見てたんだよ。もう一つ教えてあげる。
牧野がずっと持ってた司の携帯で、牧野が聞きたかったのは司からの別れようって言葉だったんだよ」

「・・・じゃあ、どうしてアメリカまで行かせたのよ?」

「そう思ったら気が楽になるって事!牧野の事だから、同時に2人を好きだったなんて思いたくないんでしょ?
アメリカに行ったのだってちゃんと別れるためだったって理由をすり替えたらいいよ」

「・・・変なこと思いつくんだね?」

でも、少しは当たっているかもしれない。
もう今は持っていないけど、あの携帯で道明寺からの優しい言葉も甘い言葉も期待なんてしてなかった。
いつかかってくるか・・・あの携帯が鳴るのか、まるで賭けのような気分で持っていただけ。
一度、道明寺と気持ちが通じたから他の人を見ちゃいけないんだって自分に言い聞かせていたのも事実。

そして類がずっと友達以上の人だったのも事実。

これを認めてはいけないんだって自分の気持ちにストップをかけていたんだ。

もうこの気持ちを止めなくてもいいんだね?


「類・・・私も認めるよ。もうずっと前から類の事、愛してた・・・」

「やっと言ってくれた・・・牧野、愛してるよ」

類がまた私を抱き締めてくれる・・・
でもね、ちゃんと覚えてるよ。一年前に非常階段でその言葉を囁いてくれたこと。
あの時はとても悲しそうに言ってくれたけど、今日は嬉しそうに伝えてくれるんだね。



「・・・確かめ合いたいっていったら・・・どうする?」

は?って類を見たらすごく男の人の顔してる?ちょ・・・ちょっと待って!心の準備が出来てないんだけど!


「ちょっと待って!類!!そっ・・・それはまた、次の時にっ」

「うそっ!!この状態で?あんたって・・・すごいよね?そういうとこ・・・」

そんなびっくりした顔しないでっ!悪いとは思うんだけどっ・・・
プッ!って吹き出した類が私に手を差し出した。

「いいよ。じゃあ、今日はこれで許しとくよ・・・おいで?」


さっきみたいに類の腕に包まれて・・・今日はこのまま寝てしまった。
とんでもない事件が起きたばかりだったのに、最高に幸せな気分で眠りについた。

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