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plumeria

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「してくれないとマスコミにバラすかも。警察には口止めしてるだろ?」

「マスコミ・・・?」

今までそんな事まで気が回らなかった。

確かにこれがマスコミに知られたら、西門流の次期家元がどういう理由があってそんな場所で人から刺されなきゃいけなかったのか追求されるだろう。
それじゃなくても話題の人だもの、私が絡んでることがバレたらスキャンダルって言うの?それに発展して色々調べられることになる。

西門さんの過去の女性問題や私のことも・・・これでも数回あいつの婚約者として報道されたこともあるんだし、すぐに面白可笑しく嘘っぱちなことがワイドショーなんかで・・・。


そうしたら道明寺の耳にも入るかもしれない。
西門さんと付き合うんならいずれはバレるにしても、今はまだ時期が早いって言われていたのに・・・!

チラッと西門さんをみたけど目は覚めてないみたい。
今ここでたった1回、竹本さんとキスしてもわからないかも・・・。

「ほらね?彼はよく寝てるよ?」

「・・・・・・」


一瞬思ったけどそんなこと出来ない!
ブンブン首を振ってもう1度竹本さんを睨んだ。

「卑怯ですよ、そんなの。そんなことしても竹本さんに何のメリットもないじゃないですか。逆にお医者様なのにそんな事言ったって私がバラしますよ?」

「別にいいよ。バラしたければバラしても」
「どうしてそこまでするんですか?私の事なんて好きじゃないくせに!」

動揺してる私に比べて妙に落ち着いてる竹本さん・・・どうして私の方がこんなに慌てなきゃならないの?目の前で余裕の表情の竹本さんが憎らしい・・・私は傷だらけの自分の手の拳をグッと握った。


「もうつくしちゃんとは会わないって思ってたのに、やっぱり会うと俺は君に惹かれてたんだって感じたんだよね。西門君から奪いたいって思って近づいたはずなのにいつの間にか本気になってたみたいでさ・・・この前のことで自分の本当の気持ちに気が付いたんだよね」

「・・・は、はい?」

「つくしちゃんが倒れた時に思ったんだ。患者として救いたいって思いよりも、痛みに耐えるつくしちゃんを見たくなくて。
俺、医者になって良かったって、あの時ほど思った事はないよ。でも、もう西門君と気持ちを通わせただろうから俺の入る隙間なんてないだろうからさ・・・せめてご褒美くれても良くない?」

「それがキスですか?」

「彼にはわからないよ?君が言わなければね」


青冷めた西門さんの寝顔、それをもう1回確かめてみた。
心電図モニターの音で彼が無事なんだってことがわかるだけで意識は朦朧としてる。私とはまだひと言も話していない・・・そんな状況の彼なら言わなければわからない。


ほんの少し私が我慢したら西門さんをマスコミから守れるんだろうか・・・その方がいいの?

揉め事が起きたらまた私の恋は終わってしまう?
今度こそって思った幸せが逃げていっちゃうの?・・・また、1人ぼっちになるの?


「さぁ、つくしちゃん。こっちに来て?そんなに思い詰めることじゃないさ」

「・・・・・・」


言われるがままに私の足は竹本さんの方に向かった。
でも、西門さんの顔が見えるところでは嫌だ、そう思って見えない所に移動しようとしたら竹本さんにベッドの横で腕を掴まれた。

「何処に行くつもり?ここでいいんじゃない?」
「いや、だって・・・ここじゃ・・・」

「キスだけだよ?それ以上はしないんだよ?」
「でも、でも・・・!」

「ほら、言うこと聞いて?まだ子供なんだね、つくしちゃんは・・・」

竹本さんは私をグイッと引き寄せると背中に片手を回して顎に手をかけた。そのまま私の顔を自分の方に向けさせるとニヤッと笑った。この人も凄く格好いいからこの至近距離ではドキドキする・・・!
何とも思ってないのにキスされるんだって思ったら心臓が五月蠅くなって身体に力が入った!


凄くスローな動きで竹本さんの顔が私に近づく・・・。

あと少しで唇が重なるって時に、自分の心の中で硝子が割れたかと思うような大きな音が聞こえた気がして、竹本さんを思いっきり突き飛ばした!
ドン!と音を立ててすぐ後ろの壁に身体をぶつけた竹本さんは驚いたような顔でこっちを見てる。

私は自分の口元を押さえ込んでその場に座り込んだ。


「や、やっぱり無理です!西門さんじゃないと嫌なんです・・・ほ、他の人となんて出来ません!マスコミに言うって言うんならそれでもいい。きっと西門さんが闘ってくれると思いますから!」


震える声を絞り出してそう言った。
西門さんが見てないとか寝てるとか、そういう問題じゃない。
こんな事したら一生自分の事を好きになれない。いくら彼が知らなければ問題ないって思ってもこれは裏切り行為だ・・・私にはそんなことで気ない!


「・・・・・・ぷっ!」
「・・・へ?」

私が必死に叫んだのに何処かから噴き出す声が聞こえたと思ったら・・・竹本さんだった!


「竹本さん?な、なに?!」

「あっはは!ごめんごめん、やっぱりつくしちゃんって面白いよね!冗談だよ、冗談!」
「はぁーっ?!冗談?今までのこと、冗談だったんですか?!」

今度は冗談だと噴き出され、その場に踞っていた私は勢いよく立ち上がった!
そして睨み付けたら竹本さんは両手を合わせて「ごめん!」って繰り返して、私は文句を言いたくて言いたくて口をパクパクさせたけど言葉にならなかった!


「ホントに悪かった!こんなこと言ったら君はどうするのかなって思っただけなんだ。君が突き飛ばさなくても止めるつもりだったからさ。良かったな、西門君、つくしちゃんが裏切らなくて」

「えっ!・・・嘘っ、目が覚めてるんですか?!」

「覚めてるだろ。ただ起き上がれないし疲れ切ってるから寝てるだけで耳は聞こえてると思うよ?だから君が突き飛ばさなかったら最悪彼が動くかもしれないだろ?医者としてそれも困るからやめとくよ」


はっとして西門さんを見たら・・・何となくさっきより眉が歪んでる?
ホントにこの会話、全部聞かれてたの?


「もうそろそろ話しも出来るようになるさ。それと1つ教えておくよ。俺、来週にはアメリカの病院に研究のために移動するんだ。前から言われててね、これもいい機会かなって思ってさ。だから本当にこれが最後だね」

「え?アメリカに行くんですか?」

「あぁ、だからマンションも買い手がついて丁度良かったよ。つくしちゃん、そういうことだからご褒美は握手・・・これならしてもらっていいかな」


出された右手が私の目の前に・・・呆然としていた私だけど、これがホントに最後になるんだと思って竹本さんの右手を握った。
大きな手・・・温かくてがっしりした男の人の手だ。

軽く握り返してくれて、その手が離れたら彼はすぐにポケットに入れた。


「それじゃね。こんなこと言うと怒るかもしれないけど、もう少し一緒にいたらつくしちゃんのこと本気になったと思う。西門君と幸せにな・・・祈ってはやらないけど」


最後まで皮肉れた言葉で、でもニコッと笑ってこの部屋を出て行った。


私はただ呆然とそこに立ってて、今、なにが起きたのかを考えようとしたけど真っ白で・・・そしたら何処かから恐ろしい声が聞こえた。


「・・・・・・まき・・・の、て・・・めぇ」

「あーっ!!西門さん、目が覚めたの?声が出せるの?」


「・・・ア・・・ホか!全部・・・聞いて・・・んぞ!」
「何もなかったよ?何もしてないよ?なーんにも起きてないよ?西門さん、よかったーっ!」


「・・・いてぇ・・・!お前、キ・・・ズの上!」
「きゃああぁーっ!ごめんなさいっ!!」




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2018/10/09 (Tue) 13:48 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは。

はい!目が覚めました♥
しかもちゃんと聞いておりました♥

竹本、意外と最後はお茶目な退場でしたね~!
ホントにこれが最後の出番でございました。

アメリカで頑張っていただきましょう!

え?これから・・・これからは総ちゃんの回復期ですねっ!


ガンガンとラストに向かって走り飛ばしていただきましょうーっ!(いや、期待せんといて💦)

2018/10/09 (Tue) 16:12 | EDIT | REPLY |   
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2018/10/09 (Tue) 22:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

Aria様 こんばんは。

コメントありがとうございます。

ふふふ!そうなんです~♥総ちゃん、実は全部聞いてたんです♥
ホントにヤバかったら飛びかかったんですかね?ははは!

もう1回手術室に逆戻りしちゃいますね💦いかんいかん!

この先は明るくHappyにエンドに向かいたいと思います。


バナーの件、了解しました。
私も近いうちにお邪魔して奪って行きますね(笑)

ご連絡、ありがとうございました♥

2018/10/10 (Wed) 00:26 | EDIT | REPLY |   

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