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plumeria

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「・・・あれ?なんで私、こんなところに?」

目が覚めたら1人で布団の中・・・西門さんがいなくて驚いた。
少しお酒を飲んだから酔ったのかな?って思ったけど、そこまで頭は痛くない・・・ただ、何故か身体が冷たく感じた。

さっきまで温かかったのに・・・1人になったから?


「西門さん?西門さーん・・・」

名前を呼んでみたけど何処からも返事がない。
このお屋敷の間取りなんてまだ覚えてないから適当に廊下を歩いて行って、奥の方でぼんやり光る灯りを見つけたから近づいてみた。

その廊下の突き当たりは磨りガラスのドアになってて、どうやら外に繋がってるみたい。そこをガチャっと開けてみたら・・・


「おっ!目が覚めたのか?」
「・・・・・・」

「なんだ、牧野も入るんならもう1回入ろうかな。なかなか気持ちいいぞ?ここの温泉は・・・」
「きゃあぁーっ!何で裸で立ってんのよーっ!!」


目の前には全身裸で何も着てない西門さんが突っ立っていた!
しっ、しかも私の方に向いた状態でーっ!!


「は?何言ってんだよ、ここは露天風呂なんだから脱いでて普通だろ?そんな大声出さなくても良くねぇか?」
「いっ、いいからっ!いいから何か着てよ!そっ、それか向こう向いて!向こう!・・・早くっ!!」

「・・・いきなり開けて入ってきたの、お前じゃね?」
「だって急にいなくなるから探しに来たんだもん!そしたら、そしたら・・・まさかここが露天風呂だなんて思わなかったんだもん!」

「急にって、先に酔っ払って寝たのもお前じゃねぇか!人の膝の上に頭乗っけて・・・よく言うな!」
「どうでもいいから早く何か羽織ってよ!!馬鹿ぁーっ!!」


両手で顔を覆ったけどチラッと指の隙間から見てしまった・・・そしたら西門さんはブツブツ言いながらタオルを腰に巻いてた。
そ、それでも主張しすぎて分かり易いんだけどっ!!

私も部屋の中に逃げればいいのに彼の方に半分背中を向けたまま、その場に立ち竦んで足が震えて全く動けなかった。


「牧野も入ればいいじゃん。酒が抜けたら身体が冷たくねぇか?ここ、山ん中だから気温が低いし」
「え?あっ、う・・・うん。入ろうかな・・・お風呂ってここしかないの?お屋敷の中には?」

「あるけど湯を張ってねぇし。そこに浴衣もバスローブもあるから好きなの選べば?」
「へ?あ、ホントだ!うん・・・でも、着替えが・・・」

「牧野の着替えならドアの横んとこ、棚の引き出しにあると思うぜ?頼んでおいたから」
「・・・・・・」

「な?あっただろ?」


流石西門総二郎・・・こういう手配は抜かりない。

言われたようにドアの横には可愛らしい棚があってタオルやバスタオル、替えのシャンプーやボディソープがぎっしり・・・。その引き出しを開けたらいろんな色の下着類が綺麗に並べられていた。

しかも何日分あるんだろう・・・可愛いものからシンプルなものまで、水玉、花柄、ストライプ・・・リボンにフリルに紐タイプ。
これを揃えさせられた人がどんな気分でここに並べたかと思うと、恥ずかしくて恥ずかしくて・・・しかもブラのサイズがピッタリってどういう事?


でも、確かにお風呂には入りたい・・・だから思い切って露天風呂に入ることにした。
ここで脱いでいいんだよね?で、いくら何でも普通のタオルじゃ丸見えだよね?
西門さん、いつになったら出るのかしら。それとも私が入らないと出ないのかな・・・?いや、普通は出る方が先だよね?

そんなことを悶々と考えていたけど露天風呂の方は静かなまま・・・このままだと彼が湯冷めすると思って仕方なく服を脱いでバスタオルを身体に巻き付けた。


見えないよね?お尻、隠れてるよね?
そこにあった鏡で確認したけど大丈夫そうだったから、恐る恐るもう1度ドアを開けて露天風呂スペースに足を踏み入れた。

そしたら何故か西門さんはまたお湯の中に入ってた・・・あれ?なんでまた入ってんの?


「あ、あのさ、西門さんはもう出るんだよね?」
「なんで?お前が入るんならもう1回入るけど?」

「えぇっ!そうなの?い、一緒に?」
「・・・そこまで警戒すんのかよ」



**************



すげぇ量の酒を飲んだわけじゃないからそこまで酔ってはいなかったけど、1人で入る露天風呂なんて面白くも何ともない。
だからもうあがろうと思って湯船から出たら突然牧野がやってきた。

俺がいなかったから探し回って、ここの灯りを頼りに来たんだろうけど露天風呂だなんて知らないから思いっきりドアを開けてその場で固まりやがった。

そして絶叫・・・まるで俺が犯罪者かのような叫びっぷりに驚いた。


早く何か着ろだの向こう向けだの・・・それなら自分が逃げりゃいいだろうに、足が竦んで動けねぇときた。
仕方ないから腰にタオルを巻いたけど、牧野を見た瞬間に俺の身体も素直に反応。これって仕方ねぇよな?って事で隠してるんだか強調してるんだかわかんなくなってきた。


「牧野も入ればいいじゃん。酒が抜けたら身体が冷たくねぇか?ここ、山ん中だから気温が低いし」

我ながら下心剥き出しの台詞・・・この先を想像したら冷めたはずの身体がまた火照ってきた。
マジヤバくね?いつからこんな余裕のない男になったんだ、俺・・・。


牧野に下着の替えやタオルの在処を教えたら暫くドアの向こうでソワソワしてやがったが、観念したのかバスタオルを巻いてドアを開けて入ってきた。

勿論俺もこうなったら牧野を1人には出来ねぇし、これも1つの目的だし。
さっさと自分の腰に巻いたタオルを取り払って湯の中に入ってた。


「あ、あのさ、西門さんはもう出るんだよね?」
「なんで?お前が入るんならもう1回入るけど?」

「えっ!そうなの?い、一緒に?」
「そこまで警戒すんのかよ。これだけ広いんだから全身伸ばせて気持ちいいぜ?まさかバスタオルごと入るんじゃねぇだろうな?」

「・・・そ、そうだよね。あ、あのさ、ちょっとだけあっち向いてて!」
「・・・面倒なヤツだな」


最初だから頼みを聞いてやって顔を反対側に向けたが、耳から入る音だけで想像する方がめっちゃ俺を煽る。

パサッとバスタオルを外した音。
洗い場をペタペタ裸足で歩く音・・・小さく漏れる溜息。


どうやって入ろうか迷ったみたいだけど、そこら辺にあったタオルを手に持つとそれで身体を隠して俺から随分離れた場所で湯に入った。
その行動が可笑しくてクスクス笑うと怒ったように顔を赤くして頬を膨らませる。

手招きしたら初めのうちは首を振っていたが、そのうち少しずつ近づいてきた。


「アホか!自分の彼氏相手にそんな怯えてどうすんだよ」
「お、怯えてるわけじゃないもん!西門さんが言ったんでしょ?広いから全身伸ばして入れって・・・だからだよ」

「くくっ、伸ばしてねぇじゃん?むしろ縮こまってねぇか?」
「西門さんが出て行ったら伸ばすのよ!」

「アホか!いいからこっちに来い。じゃないと俺から行くぞ?」
「・・・う、うん。えっと・・・ちょっと待ってね」

もう1度胸の前でタオルをギュッと巻いて、今度は少し嬉しそうな顔して真横まで来た。そんなタオル、無意味だってわかんねぇかな・・・って思うけど、こいつにしてみたらまだ恐怖の方が大きいだろうから仕方がない。

それでも俺ももう限界・・・。


牧野の腕が俺の腕にくっつくぐらい横に来て、目の前の夜の紅葉を見上げた。
いくつか紅葉を照らすための照明をつけてるから、そこが綺麗に照らし出されて幻想的な紅い色を俺達に見せていた。


「綺麗・・・夜桜は見たことあるけど夜の紅葉なんて初めて・・・」
「なかなかいいだろ?こいつらは新緑の時も綺麗だぜ?」

「へぇ、そうなんだ?赤でも色んな赤があるんだね・・・今まであんまり気にしたことがないや」
「俺も本格的に茶道するまでこんなものに興味は湧かなかったけどな・・・今は結構こういうの見るの好きなんだ」

「ふぅ・・・ん」


紅葉の葉が1枚・・・牧野の前に舞い降りたとき、こいつは手を伸ばしてそれを取ろうとした。


その瞬間、俺はその腕を掴まえて自分の方に引き寄せた。
牧野の身体を包んでいたタオルは、その時解けて湯の中で泳いでて・・・驚いた顔の牧野にそっと口づけをした。





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2018/10/15 (Mon) 13:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは。

あっはは!来ちゃいましたね!
まさかの温泉再び(笑)

ふふふ、楽しんでいただきましょうねぇ!総ちゃん80話以上も我慢してますから♥
傷なんてこの際どうでもいいんじゃないですかね?

傷口が開いたら開いたときに考えましょう(笑)


りおさんの(笑)

まさかあんな風に使われるとは思わなかった(笑)


もうねぇ、空さんがすぐに見つけるんですよ!

あれだけじゃなくて他にもインコグッズを買ってはラインで報告(笑)
私もホントに自分の所じゃ売ってなかったからわざわざ隣の県まで・・・。(そこまでするか?)

見つけた時にはオカメインコがいたから大喜びで、でも何が出るかわかんないから悩んだんですよ(笑)
で、ホントにオカメインコが出たときには喜んだんですが・・・意外と顔が怖い💦
あすさんが大笑いしてましたよ。

みんな・・・何やってるんですかね(笑)

2018/10/15 (Mon) 14:23 | EDIT | REPLY |   

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