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あの西門さんだもの・・・身体を重ねるのに時間なんてかからなかった。
初めて告白されて想いを伝えて、その週の金曜日の夜・・・私は西門さんが持つマンションに呼び出された。


そこは都内でも高級住宅街で知られる場所にあるタワーマンションの最上階。

見上げたら足が竦む・・・ここの一番上の部屋にあの人がいるんだと思うと心臓が締め付けられるように痛かった。これからなにが起きるのか、いくら私が子供っぽくても知らないわけがない。
初めてだし、どうしていいかもわからないけど、この先は西門さんに総てを任せればいいんだろうか・・・そう呟きながらエレベーターのボタンを押した。


音もなく上がっていくエレベーターはやがて最上階に着いて、上品な到着音を響かせてドアは開いた。

教えられた部屋は2つしかないうちの東側、「EAST」と表示されている方・・・そこに向かうと震える手でアプローチ前のインターホンを鳴らした。
すぐにガチャ、と施錠が外れた音がして取っ手を回せば扉は開いた。

玄関までの道・・・マンションとは思えない庭があって、そこには小さめだけど本物の植木があって戸建て住宅みたい。その敷石の上を歩いて進むと玄関のドアに辿り着いた。

ここでもやっぱりインターホンがあるからそれを押すと、同じように小さな音がしてドアは開いた。でも、目の前には誰もいない・・・自動で開けたのか、と納得して部屋の中に入った。


「すごい・・・これ、玄関?」

どれだけ広いの?って思うような玄関に、隣を見たらシューズクローク・・・綺麗に整理されててピカピカに光るヘルメットなんかもそこに置かれてた。
「西門さん・・・?」って呼んでみるけど緊張してるから上手く声が出ない。

来たことだけはわかってるだろうから、そのまま廊下を進んでみた。


灯りが漏れてる部屋のドアを開けると西門さんがお酒を飲んでて、私を見るとニヤッと笑って手招きしてる。ドキドキしながら傍まで行くと、私の手首を掴んで引っ張られ、彼が座ってるソファーの横に倒れ込んだ!

「うわあっ!なっ、何すんの!危ないじゃん!」
「ばーか!転すわけねぇだろ?遅いから待ちくたびれたんだって」

「え?遅かった?約束より早く来た・・・よね?」
「ん?そうだっけ?」

「うん、そうだよ。だってバイトがあるから8時過ぎって・・・あっ、ん・・・」


私の言葉が終わらないうちに西門さんが唇を重ねてきた。お酒を飲んでるからその味がする・・・その香りに私までが酔った気分になっちゃう。
背中にある彼の手が私をもっと引き寄せる・・・舌が私の口の中を探るように動く。
それに応えるのに必死で息をするのでさえ忘れて苦しくなって、少し唇をずらしたらまた引き戻される。


そのうち1度離れたかと思ったら、テーブルの上のシャンパンを口に含んでそれを口移しで私に飲ませた。

度数が少し高いのか喉が燃えるように熱い・・・!
少し緩めて欲しくて離れようとするのに後ろ頭を抱え込まれて動けない・・・重ねた唇から漏れる声を楽しむかのように西門さんのキスは激しかった。

彼の手が服の上から私の胸を掴んだ。そしてゆっくりと動かしていくから慌てて彼の手を止めた。


「待って、待って・・・あの、シャワー、まだだから」
「なんで?俺は気にならねぇけど・・・」

「ヤだ、私は気になる。お願い・・・お風呂に行かせて?」
「じゃ一緒に行こうか?」

「い、いや!今日は1人がいい・・・お願い、意地悪な事言わないで・・・」
「チッ・・・仕方ねぇな」

このまま進みそうだった彼の行動を1回止めて、私はバスローブを受け取りお風呂に駆け込んだ。


もう、そこで心臓が壊れそう・・・今の激しいキスだけでも倒れそうだったのに、その先に進む事なんて出来るのかしら。
そう思いながら服を脱いでバスルームに入り、シャワーの栓を捻った。


目の前にある鏡に映る自分の姿。

なんて貧相な身体だろう・・・これを西門さんが見たって何とも思わないんじゃないの?って情けなくなるほどささやかな胸。
これまでの彼の素行を考えたら相当数の美女を相手にして、その中の何人かは・・・そういう関係になってるはず。

「いや、でも・・・西門さんは知ってるはずだもんね。私が子供みたいだって・・・それでも好きだって言ってくれたし」


鏡の中の自分に「覚悟を決めろ!」と発破をかけて、念入りに身体を洗った。



*************



この部屋にやってきた牧野を見たら我慢が出来なくなってガキみてぇにキスしてしまった。

やっとあいつの全部が手に入る・・・そう思った瞬間手は自然と次の行為に入り、多分牧野が止めなかったら速攻ベッドの上に放り投げてたかもしれない。
なんてガッついてんだ?って自分で情けなかった。

あいつは初めてのはずだからそのつもりで怖がらせずに・・・なんて、顔を見るまではそう考えてたのにな。


しばらくしたら牧野は渡したバスローブを羽織って真っ赤な顔してリビングに戻ってきた。
生乾きの長めの黒髪を上の方で束ねて項なんて丸見えで・・・そこに垂れて落ちてる後れ毛が色っぽい。

バスローブの袖から出ている腕もピンク色になってるし膝下も同じく・・・生足ってのがまたすげぇ煽る。

目は合わせようとしない。
緊張のせいかバスローブを握り締めてる指先が震えてる・・・可哀想なぐらい初心うぶな牧野が俺の前に立っていた。


「さっぱりしたか?」
「う、うん・・・気持ち良かった」

「くくっ、もう気持ち良くなったのか?それ・・・今からじゃね?」
「えっ?・・・あっ、もう・・・そんな言い方しないでってば!」


牧野にもう1度ソファーに座るように言って、今度はちゃんとグラスでシャンパンを飲ませてやろうと準備した。

多分、今こいつは人生で一番ドキドキしてるんだろうから、その緊張をアルコールの力で解してやろうと・・・その方が身体の力が抜けていいだろうって、結局は自分の都合のいい方に進めてるわけだけど。
座った時に出てしまう膝を必死に隠そうとする仕草が、逆にそそられるだなんて思いもしないんだろうな。


出したのはロゼの最高峰『ローランペリエ アレクサンドラ ロゼ』
ピノ・ノワールに少量のシャルドネを加えてから、一緒にマセラシオン(醸し)するという手間をかけてつくられた英国王室御用達としても有名な最高級シャンパン。

そいつをひと口飲んで「美味しい・・・」って声を漏らして頬を染める。


「これ、さっき西門さんが飲んでたヤツ?少し味が違うみたい」
「さっきの?あぁ、あれはまた別の酒。飲みたいかもしれねぇけど混ぜるのは悪酔いの元だから止めとけよ」

「ううん、そんなんじゃないけど・・・西門さんってお酒、強いんだね」
「そうかな・・・普通じゃねぇの?」


「・・・ここ、そう言えば最上階だよね?夜景とか見えるの?」
「見るか?サンルームになってる屋上があるけど。夜景はバッチリだけど星はどうだっけ・・・来いよ」

南側の通路を1番奥まで行くと10段程度の階段があって、そこを上がったところのドアを開けると全面が強化硝子になったサンルームから空が見える。
今は煌びやかな夜景と夜空が見えるけど、流石に東京都心じゃ満天の星空は拝めない。

だけど牧野は大はしゃぎで、このサンルームの天井を見上げて僅かに見える星を喜んでいた。


「きゃあぁーっ、綺麗だねぇ!家にいて空全体が見られるなんて最高だね。今日は星がよく見える方なのかなぁ?」
「・・・どうだろ?ここで星見たことがねぇからわかんないけど」

「えぇ?!こんないい場所があるのに見たことがないの?ダメじゃん、勿体ないよ」
「勿体ないってのは景色見るときにも使うもんか?知らなかった」

「私なら毎日見ちゃうなぁ。あっ、あの星は結構大きいんじゃない?ほら・・・あの向こうの・・きゃっ!」
「危ねぇ!」


シャンパンを飲んだ後なのに星空を見上げていた牧野が、身体を捻った瞬間に蹌踉けて俺の胸に倒れ込んできた!
その時に俺の鼻をついたシャンプーの香りとこいつの熱い身体・・・それを抱き締めた瞬間、俺の中のスイッチが入った。


「あっ・・・ごめん、西門さん。足が縺れて・・・西門さん?」


月明かりで薄らと見えるバスローブの胸元・・・身体を捻らせてるから自然とそこに生まれる谷間にドキッとした。
もっとその奥にあるものに触れたい・・・俺はここがサンルームなのに牧野を抱き締めると唇を塞いでローブの中に手を滑り込ませた。

「あっ・・・んっ、にし・・・」
「その気にさせたのはお前だからな・・・もう黙っとけ」


牧野の白い肌を見てるのは俺と月だけ・・・硝子に囲まれた部屋にこいつの甘い声が響いた。




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2018/11/29 (Thu) 13:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは‼️

あーーーん!泣けるー‼️(泣)
良かったぁ♥️

やっと文字を見れた(笑)

ホントに良かった‼️
元気なら良かった‼️

どうもありがとうございました‼️(泣)

2018/11/29 (Thu) 14:11 | EDIT | REPLY |   

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