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類の部屋に戻ったら、さっきと違うのは女性ものの着替えが置いてあるってこと。
それ以外はなにも変わっていなかった。


で・・・類と同じベッドで寝ろと?


それはいくら私が田舎者でも男性とそ・・・そんなコトするのは本物の彼女だって事ぐらいわかるわよ!
目の前のソファーの寝心地を確かめたけど、よく考えたら彼の自室ですもの、長いソファーがあるわけじゃなし。ましてやベッドに早変わりするタイプでもなし!

座って寝たことはないけど・・・いや、昨日は寝られたじゃない?しかも公園で・・・それを考えたら問題ないか。
頭の中で色んなことを考えながら腕組みしていたら、類が後ろから話しかけてきた。


「何してんの?そんなに座り心地が気になるの?」
「ううん、そうじゃなくて・・・だって、類は気にならないの?恋人なんて嘘ついちゃったから自分の部屋に見ず知らずの女の子が入ってるんだよ?それに同じベッドで寝られる?」

「・・・寝相悪いの?」
「寝相の問題じゃないわよ!」

「テレビでも観る?」
「いや・・・いい」


なんなの?!この人・・・すっごく格好いいしドキドキするけど、それを上回る意味不明な行動はなに?

私が固まっていたら類はテレビをつけて、その画面を・・・観るって言うよりは眺めてる?
何を見てるんだろうって私もテレビの画面をひょいと覗いたら意外にもバラエティー番組・・・しかもお笑い?

でも類の顔は超真面目・・・ニコリともせずにお笑い番組観てる人って初めてかも。


「あのさ・・・聞いてもいい?そのテレビ、真剣に観てるの?」
「・・・別に。なに?」

「私も自分の事を全部話してないから卑怯かもしれないけどさ、類のことを聞いてもいい?なんで私をここに連れて来たのか・・・とか、お仕事とか」

「牧野、行くとこないって言ったじゃん。それだけだよ」

「それだけ?だってさ、男同士じゃないんだから普通は戸惑うでしょ!類・・・そんなに格好いいのに彼女、いないの?」


こんな事聞いてもいいのかなって思ったけど、もし本当はいるって言うんならこんな嘘は迷惑だろうし、相手の人にも悪いし。
半分ぐらいは「いなきゃいいのに」って思ったけど・・・思い切って聞いてみた。

類は私が質問してる間も目線はテレビ画面・・・もしかして無視されたのかなって思った時にボソッと答えてくれた。


「俺には彼女とかいないよ。好きな人はいたけど恋じゃないって気がついたし、子供の時に初恋って言うのかな・・・そんな子はいたけどその子は今でも誰だかわかんないし。今まででこの2人しかそんな感情持ったことがないんだ」

「好きだったのに恋じゃなかったの?それってどういう意味?」

「なんだろうね・・・憧れてただけなのかも。その人が日本を出て行くって言った時に普通に見送れたんだよね。その時に恋じゃないんだって自分で思ったんだ。追いかける程じゃないってそうなんでしょ?」

「・・・ごめん、私も恋をしたことがないからわかんないや。私も小さい時に1度だけドキッとした男の子に会ったから、それが初恋なのかしら?よくわかんない・・・」

「くすっ、初恋の相手がよくわかんないところは同じなんだね」


類がテレビ画面から視線を外して私の方を見た。
その時の笑顔・・・!今まで真顔か顰めっ面しか見てなかったから、あまりにも綺麗でドキッとした!

ドキドキしすぎて心臓が口から出そう!慌てて口元を押さえたらまた変な顔された。


残念だけどすぐにまた視線はテレビに戻されて、やっぱり小さい声で自分の事を話してくれた。


「車停めてたビル、覚えてる?あそこが花沢物産・・・父さんが代表取締役。俺はそこの役員」

「うそっ!やっぱり会社員なの?」

「・・・うちって会社だけは大きくてさ。こんな家に住んでるけど両親は俺が小さい頃は殆どここにいなかったんだ。ヨーロッパ中心に仕事してて日本にいることは少なかった。だからいつも1人・・・この屋敷で子供1人の主ってわけ」

「そうなんだ。類、独りっ子なの?」

「うん。だからかな・・・自分でもわかってるんだけど感情表現が苦手・・・どう笑っていいのか、どう怒っていいのかよくわからないんだ。友達はいるけどこんな家だから限られるし、簡単には遊ぶことも出来なかった。屋敷に閉じ籠もって家庭教師と2人ってのが多くてさ・・・父さんと母さんが日本に戻ったのは高校卒業してからかな。だから2人とも俺が無表情なのが気になるみたい」

「ご両親は明るい感じなのに・・・あっ、ごめん!」

「・・・でしょ?あの2人はいつもああなんだ。いまだに恋人みたいにベタベタしてくっついててさ。会社じゃ社長と副社長だから公私の区別はつけてるけど家に帰ったら離れないんだ。
見てて鬱陶しい・・・だから今日の夕食を簡単に外で済ませようとして馴染みの店に寄っててさ、その帰りにあんたが飛びついて来たってわけ」

「・・・そ、そうだったのね」


感情表現が苦手・・・出会って間がない私でもそう思うわ。確かに類って掴み所がないかも。

こんなに素敵な人なのに。
もっとさっきみたいに笑えばいいのに・・・ご飯食べる時も美味しそうに食べればいいのに。
ご両親を見て一緒に笑顔になれたらいいのに。

孤独だった幼少期がこんな風に無感情な彼を作ったのかしら。それはもう変わることは出来ないの?



恋をしてるかどうかさえわからない・・・それって淋しいことだよね。
簡単に外には出られなかった・・・それは私と同じだね。




「・・・ぷっ!あっははは!今の見た?ねぇ、牧野、今の見た?あっははは!!」
「はぁ?!なっ、なに?」

「見なかったの?今、この人がさ・・・あっははは!お腹痛いっ!」

「・・・・・・」


こんな話してるのにちゃんとお笑い番組を観てたの?!そっちに驚き、って言うかなんでここだけ感情表現できてるの?!
やっぱり掴めないっ、花沢類!!



**



「この奥がシャワールーム。先に入る?後にする?」
「る、類の部屋ですからお先にどうぞ!」

「ん、わかった。何か飲みたかったらこっちの奥に冷蔵庫あるから勝手に飲んでいいよ」
「う、うん・・・ありがとう。大丈夫・・・」

「牧野のバスローブはドレッシングルームにあるから。多分ピンク色のがそうだと思う」
「ピ、ピンク!!」

「うん、俺がピンクはおかしいでしょ?」


・・・・・・。

初めてこんな会話するんだけど、シャワーを後にするか先にするかって聞くものなのね。
よかった・・・そんなことはないと思ったけど「一緒に入る?」って聞かれたらどうしようかと思った。

いや、勿論入らないけどさ。
それにピンクのバスローブってなんかイヤらしくない?それは私が思うだけ?

「待って?・・・もしかしてそれで寝るの?パジャマじゃないの?」


そんなもの着たこともないし、それで寝たこともないけど・・・それって朝まで身体にちゃんとついてるのかしら。もしかして寝返り打ったらガバッと?ダメダメダメ!そんなこと考えたら寝られないっ!

でも、昨日は段ボールと汚れたハーフケットで寝たから今日はぐっすり寝たいし・・・でも、隣は類、なのよね?



これ以上考えたら頭が痛くなる・・・。
類がシャワーを浴びてる時、ほんの少しカーテンを開けて窓の外を見た。

来た時には暗くても沢山の庭園灯がついてて明るかったけど、流石に12時近くなってるから殆ど消されてる。所々にある灯りで庭の木が照らし出されてて綺麗・・・。

噴水がこっちにもあるのかしら、水の流れる音がする。
向こうは温室?ガラス窓みたいなのが見える。



少しぐらいお父様とお母様、お爺様は心配してるかしら。
類が言うみたいに私の居場所がわからなくて探すのかな・・・それともお爺様に言われたように新しい世界を見つけられるかどうか、試してるのかしら。

私はここで「恋」を見つけられるのかしら。
嘘をついて恋人になってもらった類がいるんだけど・・・これは「嘘」のままだよね、きっと。



「・・・なにか面白いものでもあるの?」
「え?ううん、お庭が広そうだったから少しは見えるかなぁって思って見てただけ」

「暗いからわかんないでしょ。シャワー、行っておいで」

「はーい、ありが・・・」


くるっと振り向いて見たらそこにはバスローブを肌蹴させた類が立っていて、上半身が・・・上半身がっ!!


「きゃああぁーっ!なんでちゃんと着てないのよ!!しっかり着てから歩きなさいよ!ばかぁっ!!」
「・・・ばか?」





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2018/11/08 (Thu) 06:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます♥

そうなんですよ、ふふふ♥
全然気がついてないんですけどね。それがわかるのは・・・あはは!まだまだかな?

まだ甘い夜にはなりませんからねぇ(笑)
何をやらかすか・・・ちょっとはキュンキュンさせたいですけどね。

さて、どうかしら?(笑)

2018/11/08 (Thu) 09:13 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/08 (Thu) 14:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ルチノー様、こんにちは(笑)

あれ?この2人はこのお話の第1話目で出会っております(笑)

類君が5歳の時に迷い込んだ森の中で、シャボン玉作っていた子・・・でございます。
あはは!わかりにくかったですかね?初期設定がややこしいですからね!


原作でも類君ってお笑い番組見てバカウケするってありましたよね?
意外とツボにはまると笑いが止まらないって。何処で見たんだったっけな・・・それは忘れたけど。


あはは!抵抗なさそうですけどねぇ?!
総ちゃんじゃないんですから。ベッドも広いし。

どんな夜になるんでしょうか(笑)

2018/11/08 (Thu) 16:10 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/08 (Thu) 17:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ルチノー様、こんばんは。

あはは!いいんです・・・そういう副作用が出るような話を書いたのは私ですから。

印象深かったのね・・・ごめんなさい💦

そういうことで出会ってます♥
ふふふ、宜しくお願い致します~!

2018/11/08 (Thu) 20:09 | EDIT | REPLY |   

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