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シャワーを済ませて、言われた通りにピンク色のバスローブを羽織って部屋に戻った。凄く・・・恥ずかしいんだけど。
寝間着みたいに下までないのね。膝丈・・・少し動いたら見えるんじゃないの?

類は白いバスローブ・・・それを着てベッドの上に寝転んでパソコンを触っていた。


「類・・・お仕事してるの?」
「ん?少しだけね。明日の会議資料を・・・」

「ふぅん・・・」

傍に行って邪魔しちゃいけないと思って、1つしかないソファーに座ってぼんやりしていた。

特にするとこもないしスマホも置いてきたし、テレビは宮崎にいる時からそこまで観なかったし・・・だからぼーっと天井を見てた。

凄いなぁ・・・男の人の部屋なのにシャンデリアだぁ。行ったことはないけどヨーロッパのお城ってこんな感じなのかしら。

ホントに何にもない。
部屋に時計もないしタンスもないし机の上は真っ平ら・・・写真の1枚も飾り物の1つもない。ちなみに女性を感じさせるものもない。生活を感じさせない空間・・・暖房は効いてるけど肌寒く感じる広さ。
バスルームの奥の方にはミニキッチンもあった。でもちょっとだけ見たけど使われてないから綺麗なまま埃ひとつなかった。

さっきも思ったけどあまりにも殺風景な・・・これしか置かないのならもう少し狭い部屋の方が落ち着きそうだけど?



「・・・そんなに珍しい?男の部屋って」

「男性の部屋に入ったのはこれが初めてだもん。誰とも比べられないけど、こんなに物が少ない部屋って初めてかも。類はこの部屋で何してるの?テレビとパソコンだけ?」

「基本寝てる。起きてる時はテレビか読書・・・それ以外なにもしないかな」
「・・・さっき言ってたお友達は来ないの?」

「今は来ないよ。殆ど日本にいないから。あぁ・・・1人日本から出ないヤツがいるけどそいつは別の意味で忙しいから来ない」


類はここまで話したらノートパソコンを閉じた。
そして大欠伸・・・私は男性の欠伸なんて見たことがなかったからそれさえ新鮮でドキドキした。
バスローブから少しだけ見える胸筋・・・あら、顔に似合わず意外と逞しいのかも?

いけないものを見たような気分がして慌てて反対側を向いて、熱くなったほっぺたを押さえた。ヤだ、少し熱い!


「じゃあ、そろそろ寝ようか」

「・・・・・・は?」

「だってもう12時過ぎたし。疲れたでしょ?おいで」


今、凄く恥ずかしい台詞をサラッと言ったよね?『寝ようか』って・・・そして類はベッドの布団を捲って私に手招きをした。
「早くおいで」、今度は”早く”までつけて私にベッドに入れと?!


「え?でも、ホントに?・・・いいの?」
「見てわかるでしょ?キングサイスなんだから牧野が寝たって余裕だよ。少しだけ端に寄ればいいんでしょ?」

「そ、そういう程度の問題?」
「どれ程大きな問題?」


それはどう考えたらいいんだろう。
私が女性に見えないのか、類が男性じゃないのか・・・・・・もしかしたら、まさかの?


ここでハッとして類の顔を見た。

確かにそういう人達にモテそう・・・いや、その人達のことは女だからよくは知らないけど、ちょっとだけネットで読んだそのテの漫画に出てくる人達はこんな見た目だったわ。もし、そうだったら安心ってこと?

そう言えば「恋がわからない」って言ったよね?それは相手が「女性」の場合の恋だとしたら・・・?
幼馴染みの女の子も結局は恋じゃなかった=女の子じゃ恋にならなかった=そういう人達の仲間だった!とか?


私は恐る恐るベッドの横に行って、類が布団を捲ってくれたところにチョコンと座った。
彼は極普通に真顔で「落ちないでね」なんて言うけど、私の関心は既に違う所に・・・念のため、確かめてもいいよね?

「あのさ、類の初恋の人ってどんな人だって言ったっけ?」

「初恋?・・・あぁ、髪が黒くて何処か野性的で・・・不思議な感じだったよ。大きな目をしててね、吸い込まれるかと思ったんだ。俺が色素の薄い目だから憧れてね」

「野性的?・・・えっと、それ女の子?」

「・・・・・・?」
「いや!何でもない!!ごめん、そんなの自由だもんね!うん・・・うん、自由だから!気にしなくていいよ、類!」


やっぱり聞いちゃいけなかったんだ!
でも、これで類の横で寝ても心配ないってわかったし・・・ちょっとショックだけど仕方ないし!
あぁ、それで私に彼女の役を・・・ご両親に安心させようと思ったのね?だから都合が良かったんだ・・・なるほど!

色々と頭の中で整理しながらお布団の中に潜り込んで、類に背中を向けて横になった。


なんて温かくてふかふかのお布団なんだろう。
凄く幸せ・・・いい匂いがするし、肌触りもいいし。背中側が気になるけど女の人がダメなら危険じゃない。

お言葉に甘えて朝までぐっすり寝かせてもらおう・・・大きく息を吐いて顔の半分まで潜り込んだとき、類の声が聞こえた。


「・・・俺、ゲイじゃないけど」
「違うの!?類・・・初恋の人は女の子だったの?」

せっかく潜ったばかりだったのに今度はガバッと起き上がって振り向いた!
そしたら布団に入って膝を抱えた類がいて、凄く不機嫌そうにジロッと私のことを睨んだ。


「当たり前でしょ。どうしてそんな発想になるの?いきなり人をゲイにするの、やめてくれる?」
「だって!初対面の女の子を自分のベッドに入れるなんて普通は思わないじゃない!だから・・・そうなのかなぁって」

「・・・そういうもの?ごめん、感情薄くて」
「は?いや、勘違いしたのは私が悪かった!ごめん・・・」


「別にいいよ」なんて言いながら、今度は類が布団に潜って「電気、消すよ」なんて尚更恥ずかしい言葉を出されたから、慌ててもう1回布団に潜り込んだ。
そしてシャンデリアの灯りは消されて、その代わりに壁の下の方につけられてる間接照明がぼんやり灯った。

だから真っ暗にはならなくて、チラッと横を見たら類の寝顔は丸見え・・・。


しばらくしたら類の小さな寝息が聞こえて来た。
本当にこの状態で寝ちゃったんだ?私はこんなにドキドキしたままなのに・・・?

薄く目を開けて類の方に顔を向けた。
その距離・・・約1.5メートルで確かに離れてるっちゃ離れてる。隣に人が寝てる温かさが感じられない距離・・・。

薄暗い部屋の中、ほんの少し身体を起こして類の顔を覗き込んだ。



こんな人が本当にいるんだね・・・綺麗な寝顔。
でも、やっぱりこの状況でスヤスヤ寝られるとちょっと自信無くすんだけど・・・って頭を捻りながら私もゆっくり自分の場所に戻った。



**************



RRRRRRRRR・・・RRRRRRRRRR・・・

スマホアラームが鳴って、目を開けずに手探りでそれを探したら、何だか温かいものが指が当たった。

なんだろう、この温かさ・・・そう思って薄らと目を開けて隣を見たら、知らない女の子が寝ていた。
一瞬わかんなったけど、この黒髪・・・ぺったんこの鼻。触りたくなるようなふっくらした唇。


・・・あぁ、昨日拾った牧野か。


枕の下に潜り込んでたスマホを探し出してアラームを消し、ベッドの中で背伸び・・・!
ひと息ついてから身体を起こして、片肘をついて隣の牧野を起こした。

「牧野、朝だけど・・・まだ、寝てる?」
「・・・ん・・・誰・・・?」

「類だけど」
「・・・る・・・い?」


牧野はすっごい眠たそうな顔で目を擦り、面倒臭そうに布団を退けた。
あっ・・・と思ったんだけど、これをストレートに言うべきかそれとも無視か・・・それを悩んでる間に牧野が自分の姿を確認。

真っ青になった彼女は悲鳴を上げることも出来なかった。


バスローブ・・・見事に全開だった。




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2018/11/09 (Fri) 01:07 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/09 (Fri) 05:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

桜姫様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

ホッコリしました?ふふふ、つくしちゃんですからねぇ♥

あらら、困りましたねぇ💦
申し訳ないですが出ます。

でも、甘くなるためには起爆剤が必要です。
無理なさらずにお読みくださいませ。

2018/11/09 (Fri) 12:01 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

いつもコメントありがとうございます♥

あっはは!つくしちゃんの妄想に類君も拗ねちゃいましたね(笑)

実は私は本物を見たことがございますが、本当に女性がそこに居ても気にもせずベッドに入ってましたよ。
(何故見てしまう状況になったのかは説明がややこしいので省きますが)

ただ健全な男子の場合これはあるのか・・・類君だからでしょうか?(笑)

まぁまぁ、プチコメディなお話なので許していただきたい所です。ははは!


2018/11/09 (Fri) 12:07 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/10 (Sat) 13:27 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

miz**様、こんにちは。

私もバスローブなんて今までに何回着たでしょうねぇ・・・何処かのホテルぐらいでしょうか?
基本、寝るときもTシャツに短パンの私には無理です(笑)

浴衣もねぇ!絶対に朝起きたら無茶苦茶になってますよね!
どんな顔して起きたんでしょう、つくしちゃん。

類は・・・変わらなかったでしょうけどね(笑)

2018/11/10 (Sat) 18:34 | EDIT | REPLY |   

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